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石ころの書鎮
昨日の海岸石拾いの成果の一部です。
昨日は、主に三つの目標を立てていました。
1つ目は、自分の住んでいる地域にどんな石があるのか。
2つ目は、実際に石を手にして、果たしてその石の種類や名前が特定できるのか。
3つ目は、気に入った石は持ち帰る。
ということです。
持ち帰るのは、次のような石。
①ちょうど良い形、大きさの書鎮に使えるようなもの。
②水石として飾れる様なもの。
ただし、車ではないので、そんなに多くは持ち帰ることはできません。
かなり厳選しました。
一、 地域的には、火山岩の地層ですから、安山岩、玄武岩が主だと思います。ただ、この海岸の石がどこから来たのかはわかりません。多かったのは、茶褐色と緑色の石です。護岸工事の石かもしれません。川も遡ってみる必要があります。とにかく、今回はこの茶褐色の石が気になりました。
二、 石というのは、その成り立ちによって、大きく分けて三種類、堆積岩、火成岩、変成岩です。そして、各々が成分やでき方によって違う名前がついたいろいろな種類の石でいっぱいです。しかも、それらが交じりあっていたりしますから、素人には、簡単には区別ができません。つまり、簡単に名前を特定することは、大変難しいということ、がよくわかりました。
で、この茶褐色の石、これは何か?この一点に絞って考えてみました。
よく似ているのが、このブログでも何度か登場した、梅化石や茶褐色の赤間硯の原石。
梅化石の原石は、おそらく中国端溪硯と同じ石質、つまり輝緑凝灰岩です。
赤間硯の原石は粘板岩です。硯のほとんどはこの粘板岩です。
ところが、これらとは肌の感じが違います。もっとざらざらしている感じですし、ルーペでは鉱物も見れるので、火山岩の安山岩なのかと思いましたが、たくさんこの石を探していると、石英か方解石の白いラインが入っていることに気づきました。これは、変成作用による貫入ですから、変成岩のホルンフェルスかな?、とも思えるのです。
いろいろ探しているうちに、もっと赤みの強い、きめの細かな、そしてとても硬いチャートの様な石、それから、うねりの縞模様の片岩の仲間も見つけましたから、この辺りに変成岩もあることは確かです。
一応、自分の中での答えとして、半変成の褐色ホルンフェルス、ということにしておきます。
三、 実は、選んだ石はこの20倍程ありましたが、グッと我慢して、書鎮として使えそうな、安定感のある、つまり底の平な、拳よりも小さい石を持ち帰りました。
残念ながら、水石になりそうな石は見つかりませんでした。
上の写真1~6です。
先程のホルンフェルスと思われるのが、写真の1、2、5。今回のメインです。
特に2番目の石は、別の礫を含み、かつ白い貫入の線がきれいにあり、形も美しいですね。
1番目は、堂々としています。5番目は、良い形です。
3番目の石は、灰緑色の火山岩と思いますが、よくわかりません。形が気に入りました。
4番目は、黒い玄武岩かな。三角形の安定感抜群です。
6番目は、ほぼ四角の石灰岩です。これは分かり易いです。
石というのは、気の遠くなるような大昔に、地球の内部から地上に吹き出して急に固まったり、地中ででゆっくり固まったり、あるいは、海底で積もって、圧力で固まったり、熱や圧力で変化したり、そして、それらが複合的に組み合わさって、長い長い年月を経て出来上がったものです。
その石が、山から川を下り、海へやって来て、石ころになり、そして、いま僕の机の上にある。
とても不思議です。
名前なんてどうでもいいから、この石ころ、とてもいとおしいのです。