ショーン・タンの模写から
今さらながら、ショーン・タンの模写をして気付いた。
この作業は、書道で言う臨書の様なものだ。
簡単に言えば、これにより書いた人の技法や精神に近づき、また創作の糧となる。
倣書というのは、それを使って、その様に書いてみる創作への過程だと言える。
絵を観て、これをそっくりに描いてみようと思ったのは、久しぶりだと思う。
まず大きさと道具立てが簡単である。
小さいし鉛筆なのだ。
描いてみると、とても楽しい。
鉛筆を動かすことにいつの間にか集中している自分がいる。
30分程で、小さな紙の中に生命体が出現してくる。
面白い。
そうやって前回のエリックの模写は出来上がった。
そこでこれは、一歩前進。
書道で言うところの倣書である。
ショーン・タンのエリックを描いてみたけれど、原画にはこんなシーンはない。
エリックを、僕の作業台に転がっている印材の椿の木の枝の上に座らせて、小さな新しい芽を握らせてみた。
新しいシーン、新しい物語である。
(はがき、鉛筆)