「赤い屋根の家」
やっと完成です。
版を重ねていくのですが、どこでやめるかがポイントですね。
一応の結果を想像して、予定を立てて版を作り重ねていくのですが、当然予定通りには行かなくて、偶然に何かが起こる、そこが版画のとても面白いところです。
版画と書は、案外似ていると思っています。
この偶然性は、書にも大いに言えることで、書は、一回性の動きの中から生まれ、版画は摺りの重なりから生まれる様に思います。
この、自分の想像を超えたところに生み出される形や色が面白いのです。
これは少しだけやっていても生まれません。
やはり、たくさん書いて、いっぱい摺って、はじめて出てきてくれるものです。
だから、とにかくまず、たくさんやってみることです。
そうしているうちに、ふっと、ご褒美がもらえる様に、生まれ出てきてくれるのです。
今回の作は、空の色合い、白い壁の感じ、ドアの雰囲気、など、かなりの偶然です。
だから、9枚作りましたが、例によってみんな色合いが微妙に違います。
ただ、この微妙に、というのが大事で、版画ですから、完全に違うと、前回、前々回の様に違う作となります。
(紙プレス版画 5色8版 はがき大)