800回目は、やはり書で❗
草野心平詩「ごびらっふの独白」
ある展覧会に出品した作品ですが、戻ってきましたので、ここにお見せします。
遠方での展覧会でしたので、現地には行けず、いわゆる、書き下ろしで表具店に送って、表装して、そのまま展示してもらいました。
そんな訳で、表装の出来上がりを送り返してもらってから、はじめて見る、ということになりました。
ちょっと変わった表装にしてもらったのですが、いい色合いで、軸先も陶器です。シンプルに渋くまとめて頂きました。
詩は、「ごびらっふ」という蛙の独白を、蛙語で話したものを、ひらがなで表したものです。
『るている びる もれとりり がいく …』
声に出して読んでいくと、何だか蛙になったようで、楽しい詩です。
学生の頃から何度か書いたのですが、作品にしたのはこれで二度目です。
最近、読めないものや、読んでも意味の分からないものを好んで書いているようです。
書いてある書の意味内容を理解することも、もちろん書の大切な要素なのですが、意味を理解しようとしないで、白と黒の世界、墨や空間の面白さ、等、純粋に造形芸術としての「書」を
味わう、というのも面白いのです。
意味を理解しようとせずに、書を鑑賞することをおすすめします。
そんなことで、何が書いてあるのか、意味不明でしょうが、ごびらっふ君は何かを話しているのです。
何を話しているのか?それは、見る人の想像力です。
ただ、草野心平は日本語訳を用意していました。興味のある人は、詩集で探してみて下さい!
(半折、軸、布装)