ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

労働法講座終了

2011年12月28日 15時55分41秒 | 労働法
労働法講座がようやく終了。

かなり判例百選も潰せたし、大枠もつかめました。

ものすごいスピードのような気がしましたが、それほど難しいとは感じませんでした。

行政法の方がまだまだ不安です。


ロースクール演習 労働法を買ったので、これを見ながら解いていく作業も進めます。

大成観光事件(労働法)

2011年12月28日 09時36分15秒 | 労働法
大成観光事件のリボン闘争というのがあります。


高級ホテルでの団体交渉において、賃上げ要求をしたが拒否られたため、リボン闘争に入った事案。


この判決では、本件リボン闘争は組合活動であり、争議行為ではないという認定をして、労働組合の正当な行為ではないとしました。

伊藤正巳裁判官の補足意見は、以下のとおり。

リボン闘争すべてが争議行為ではないとはいえないが、一般的にはリボン闘争は争議行為に当たらず、本件も争議行為ではなく組合活動である。

組合活動ととらえた場合に、就業時間中に組合活動を行うことが許されるのか。

一般に、就業時間中の組合活動は、使用者の明示又は黙示の承諾があるか労使慣行として認められているかの場合にのみ許され、職務専念義務に基づくものである。

職務専念義務は、厳しく考えるとすべての活動力を職務に集中し、就業時間中は職務以外のことは一切注意力を向けてはならないとすることは、労働者は全人格的に従属することになり、妥当でない。
そこで、職務専念義務は、労働契約に基づきその職務を誠実に履行しなければならないという義務であり、この義務と両立し、使用者の業務を具体的に阻害することのない行動は、違背しない。

職務専念義務に違背するかどうかは、使用者の業務や労働者の職務の性質、内容、当該行動の態様などを考慮して判断する。



ちょっと長いですが、わかりやすい流れです。

まとめると、

本件リボン闘争は、組合活動か争議行為か?
↓組合活動
就業中行うことは許されるか?
↓職務専念義務に反しないならば許される場合がある
どのような場合か?

労働契約に基づきその職務を誠実に履行しなければならない義務
この義務と両立し、使用者の業務を具体的に阻害することのない行動なら許される。
具体的には、使用者の業務、労働者の職務の性質、内容、当該行動の態様などから判断すべき。





一般的に、リボン闘争は争議行為とはいえないとしても、本件のように団体交渉が決裂したためにリボン闘争に入った場合には、争議行為とみなされる一面もあるのではないでしょうか?

本件が組合活動であって、争議行為ではないというのなら、リボン闘争が争議行為に当たるのはどんな場合なんでしょう?





高級ホテルの従業員が接客時にリボンを着けていたら、客としては嫌だなぁと思います。
客に対してアピールしてもそれは客側としては何の意味もない。

間接的にホテルの名誉や価値を傷付け、それを回避する狙いであって、将来的にもホテルのためにはならない。

客は使用者とはかかわりがなく、ただの被害者的な立場になります。
同じお金を払っているのに、この活動以外に泊まりに来た人は通常の接客だったのに、この活動期間中だったために、リボンを着けた方に接客されるのは納得がいかないでしょう。

自分が客として泊まりに行ったら、今日じゃない日にしてくれよ、とか、客じゃなく幹部と話し合えよ、と思うと思います。
間違ってもがんばれよとは思いません。思う人は同業者でしょう。

団体行動

2011年12月25日 23時10分05秒 | 労働法
労働法の団体行動は、争議行為と組合活動に分けられます。

どちらも団体交渉を機能的なものにするために法的保護が与えられています。

しかし、争議行為は、経済的圧力をかけ、団体交渉における労働者の立場を強化し交渉することを目的としていますが、組合活動は、労働組合の団結権を保持、強化し、組合の一体性・組織力を確保することを目的とすることの違いがあります。

そのため、保護の要件が異なるという特徴があります。

争議行為の法的保護

2011年12月25日 23時04分10秒 | 労働法
憲法でもやった争議行為の法的保護。


刑事免責は、労働組合法1条2項本文に、刑法35条の規定は、争議行為の目的(団体交渉を実効性のあるものにするため)を達成するためにした正当なものについて適用があり、違法性が阻却される。


民事免責は、債務不履行や違法行為の違法性が阻却される。


不利益取扱いからの保護(労働組合法7条1号)

労働法講座

2011年12月25日 22時51分26秒 | 労働法
労働法の講座があと少しで終わります。


不当労働行為の当たりが、労働組合に不利だなぁと思いました。


労働委員会の命令(交渉命令)があったからといって、会社は何かペナルティがあるのかな?
勧告とか公表とかあるのだろうか。

そういうのがあると、この企業はブラック企業とのレッテルを貼られてしまうので、企業価値が下がるというのはあるか。

しかし、公開会社でなければ、特段影響はないような。


不法行為として損害賠償請求もできますが、実損害はほとんどないでしょうから、それほど会社にとっては痛くないし。

やはり実効性を担保するための罰則があるのがいいんでしょうけど。


ちなみに、この労働委員会の命令は行政処分だから取消訴訟ができますね。
また、裁判所が救済命令を認めた場合には、それに反する行為をすれば罰則がありますね。

労働組合の統制権

2011年12月25日 11時49分19秒 | 労働法
労働組合の統制権の正当化


労働組合は組合員への統制権を有する。

これについて判例(最判平成19年2月2日)は
「労働組合は、組合員に対する統制権の保持を法律上認められ、組合員はこれに服し、組合の決定した活動に加わり、組合費を納付するなどの義務を免れない立場に置かれるものであるが、それは、組合からの脱退の自由を前提として初めて容認される」
としており、脱退の自由を実質的に認めない状況にする合意は公序良俗に反し無効になる。


なるほど~。

憲法上、法律上認められているから、だけではなく、脱退の自由があるから組合員に対しても強制できるようです。


そして、問題になるのが、ユニオン・ショップ協定であります。

憲法28条は、労働組合を結成する権利を保障(積極的団結権)したものと解され、労働組合に加入しない権利(消極的団結権)を保障したものではないと解される。

そのため、ユニオン・ショップ協定自体の有効性は、
事業場の過半数の労働者を組織する労働組合が、組合選択の自由を制約せず少数組合の団結権を侵害しない範囲内でのみ有効である、とするのが通説である。

具体的には、
1.企業内にユニオン・ショップ協定を締結した労働組合しかなく、一定期間内に労働組合に加入しない労働者や脱退・除名された労働者は、ユニオン・ショップ協定が及び、解雇される。
2.企業内にユニオン・ショップ協定を締結した労働組合がおり、当該労働組合に加入していない労働者が別組合を結成している場合には、この者にはユニオン・ショップ協定は及ばない。
3.企業内にユニオン・ショップ協定を締結した労働組合があり、当該組合から脱退・除名された労働者が、既存の別組合に加入したり、別組合を結成する場合には、この者にはユニオン・ショップ協定は及ばない。


まとめると、単独の組合なら非組合員は解雇可能で、ユニオン・ショップ協定は有効。
他に組合があって、そこに加入する又は新たな組合を結成する場合には、ユニオン・ショップ協定は及ばない。

非組合員になる自由を認めないってことでしょう。




さらに問題になるのが、期間の問題です。

ユニオン・ショップ協定がある組合から除名・脱退した場合、別の組合に加入するか、別組合を結成するかの自由があり、即時になすことが困難な場合がある。
この場合に、除名・脱退した時に、使用者から解雇をさせられるとするのは、期間の猶予を与えず一方的に不利益を被るのであるから、期間の猶予が必要と考えるべきです。


菅野先生は、ユニオン・ショップ協定に基づき、当該組合が使用者に対し解雇要求した時点で他組合に加入していなければ解雇は有効とする見解だそうですが(判例百選第86、解説参照)、厳しすぎるといえるでしょう。

国会議員

2011年12月23日 23時27分53秒 | 労働法
素朴な疑問だが、国会議員にも労働法の適用があるのでしょうから、有給休暇は存在するのでしょうかね。


元々歳費という給料を受け取っているのですから、自由に休暇を取ろうが働こうが、究極を言えば、365日全く働かなくても歳費を受け取ることは可能なんでしょうね。

県会議員や市会議員も同じなんですかね。

労働法

2011年12月12日 00時52分20秒 | 労働法
労働法の講座は、やっと半分が終わりました。

懲戒処分のところあたりです。


労災
退職金
非違事案
休暇、休業
賃金

このあたりをやりました。


労災のところは、業務遂行性と業務起因性がちょっと難しいです。


あとは、賃金のところは、時間外労働が25%、休日労働が35%、深夜労働が25%の割増賃金
休日かつ深夜労働だと60%
時間外かつ深夜労働だと50%
というのは初めて知りました。

休日、休暇、休業は違う概念であることが要注意。

ようやく

2011年12月11日 13時57分24秒 | 労働法
ようやく労働法に時間を費やせるようになりました。

講義が3分の1を過ぎたところ。

今日中に半分までいきます。


基本書読むだけだと分からなかった部分がたくさんありました。
やはり独学だけでは危険です。


判例理論が面白いのが多いです。

進捗

2011年12月01日 08時40分33秒 | 労働法
労働法はやっと5分の1が終了。

労働者と使用者
内定
採用の自由
就業規則と労働契約
賃金
合理的で客観的に見て社会通念上相当な場合
就労権
などかな。

百選は20ぐらい潰しました。

他の科目と並行して片手間にやると進度が遅いのですが仕方ないです。

短答過去問もまだ潰してないので、年内には商法と行政法は潰す予定です。

労働法は年内終了を目標

2011年11月23日 22時03分53秒 | 労働法
労働法は講座を取ったので、年内に他の科目も並行しながら終了させることを第一目標に置きます。

労働法の答練は来年かな。

どんな問題なんだろうなぁ??
行政法並みだったら結構苦労するかも。

解釈問題と判例が重要と聞くので、そんなに難しいとは感じていないのだが、甘いかな。


とにかく時間は足りないけど、それなりに充実させながら気合を入れて取り組むべし!

配転

2011年11月15日 23時59分12秒 | 労働法
東亜ペイント事件の転勤を拒否した理由が、
高齢の母親及び妻子(子供は2歳)と別居せざるを得ない状況だったからという。

こんな不利益なんて今では当たり前ではないでしょうか?

これは、家庭生活上の不利益を転勤に伴い通常甘受すべき程度のものと当然いいうるでしょう。


これで、子供が障害を持っているとか、母親が要介護ならもう少し変わってくるが、本件にはそれは見当たらない。
参考札幌地決平成9・7・23


女性労働者に単身赴任を余儀なくする配転命令も転勤に伴い通常甘受すべき程度を著しく超えるものとはいえず、配転命令権を濫用するものとはいえないものも当然だと思います。
参考仙台地判平成8・9・24


こういうのを不可として、労働者を保護し過ぎると、他の労働者との差別につながるし、使用者側としても配転が行き詰まる可能性があり、事業の円滑な遂行の妨げになるでしょう。


他の労働者との差別は、独身者や子供がいない夫婦にのみバンバン転勤させるとかになってストレスがたまり引越し貧乏にもなる。
子供がいて親と同居している夫婦は、転勤なく、金は貯まり異動に伴うストレスも溜まらない。


このような不公平感が生じることも考慮すべきだが、記載されていない気がします。



ただ、依頼者側に立つなら理想論、個人主義的に自己に都合がよいように理論立てる必要があるので、ちょっと苦しい気がします。

労働法の無効

2011年11月15日 22時47分11秒 | 労働法
労働法で違法、無効になるのは、権利濫用や公序良俗違反が多い気がします。

かなり、使用者側に有利な感じですが、雇われている身としては反発や抵抗するメリットより、デメリットの方が大きいからなんでしょう。


損害賠償請求が認められたり、配転が無効になったとしてもその後の昇進や重要な職務を任せられなくなるのは、猿でもわかる話ですから。

今はかなり労働者視点で、使用者はいいなぁという視点で読み進めています。