性犯罪被害にあうということ[小林美佳]
ものすごく、濃い内容でした。
私は男ですので、今までこのように女性の視点からの意見というものを聴いたことがなく、ただ漠然と思っていただけでした。
しかし、この本を読んで、性犯罪被害に遭った人がどのように変化したのか、どのように考え、行動したのか、どのように怯えて生活をしなければならなかったのか、そして、恥ずかしいから表に出さないようにという風潮が、性犯罪撲滅の妨げになっているか、というのが本当によく分かった。
レイプをした男は死刑にしたらいい、というのをよく耳にしていましたが、そんなときは、それは重すぎでしょうと思っていました。
しかし、この本を読んでどのような思いで、被害後過ごしているのかを知ったとき、本当に死刑にすべきだという感情は至極真っ当だと思えました。
性犯罪被害に遭ったとき、被害者にも隙があったのでは?逃げられたのでは?と責められることもあるそうですが、そのようなことは机上の空論というのがよく分かりました。
確かにこの小林美佳さんは、車に引きずり込まれる前に警戒することもできたかもしれません。
しかし、被害に遭ったことが無い人がそんなことを考えながら社会生活を送っている人など、皆無だと思います。
後からはなんとでも言えるけれど、絶対的に悪いのは加害者です。被害者を悪者扱いする風潮自体が間違っています。
そして、被害を受けた女性がどのように理解してほしいのか、一般的にはいえないかもしれませんが、このような考えを持つ女性も存在するということがよく分かりました。
性犯罪被害について私に話されたとき、相手にどのような言葉を発せられるでしょうか。
相手のことを理解したいことが一番ですね。相手の被害の部分に触れないようにするのは逆効果である場合もあるということですね。
色々なことを教えてくれた本でした。