ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

商法

2004年04月08日 10時30分00秒 | 商法
入門商法第8回終了。

【違法配当(会社は善意の株主に違法配当分を返還請求できるか)】

違法配当を行った場合、取締役は善意の株主には求償請求ができない(266条ノ2)が、
会社は善意の株主には不当利得返還請求ができるのか。

まず、違法配当の種類。
1.手続的に瑕疵がある場合
2.配当可能利益がない(290条違反)場合(蛸配当)

違法配当の効果
・会社は取締役に違法配当部分を返還請求できる(266条1項1号)
・取締役は株主に肩代わりした金額の不当利得返還請求ができる(民法704条)
∵取締役は会社に対する返還請求権の結果、株主に求償権を取得する。
・会社は株主に不当利得返還請求ができる。

ただし、
取締役は善意の株主に対して不当利得返還請求はできない(266条ノ2)
会社は善意の株主に対しても不当利得返還請求ができるのか。

思うに

266条ノ2の趣旨は、自ら不法な判断を行った取締役が善意の株主に求償できない
とした点にあり、株主に対する配当を有効とした規定ではない。
また、資本維持原則からも有効にするべきでない。

したがって

善意の株主にも会社は返還請求できると解する。

また、
監査役は任務懈怠による損害賠償(277条)を負うことがある。

さらに取締役、監査役は第三者に対しても責任を負う可能性がある(266条ノ3等)。