Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

南伊豆合宿終了その4~養殖の普及か!~学校とNPOの交流活動

2011-08-25 | 日本の教育一般
南伊豆合宿3日目は外での活動はなく、生徒たちは研究報告会をやり、みなみの荘を10時ぐらいに出発し、電車で帰って行った。
私たちは報告会には参加せず、魚の卸売業者で今回の合宿指導者一人、齊藤浩一さんがみんなが採集した生物をせっせと梱包するのを見ていた。(齊藤の卸売業者名は「豊宝大幸」という)

酸素をビニール袋に入れ、きちっと厚めのゴムで閉じ、袋の底の両端を大型テープで張り、徹底的に密封。
いくつもの生物の入った大きなビニール袋を発砲スチールの箱にきれいに並べ、所々に水を凍らせたペットボトルを入れる。
息子は橋本先生が取ってくれたテナガエビ3匹を飼おうと決め、齊藤さんに電車の中でも持って帰れるように梱包を頼む。
何枚も厚いビニールを重ねて水がもれないようにする。
それでもテナガエビなのでビニールを破ってしまう場合があるので、新聞紙でくるんでビニールを重ねるのがいいらしい。
最後、電車の中でもれては困るので、念のため、みなみの荘から2枚大きなビニールをもらった。

後日橋本先生からのメールでは、「齊藤さんは、大変熱心な方で全力で生徒たちの指導にあたってくれます」と書かれていた。
齊藤さんの話では、現在NPO日本養殖振興会を立ち上げ、それを法人化しようとしていて、養殖を学校教育に広めて、子どもたちが魚や養殖業に興味を持つようにその普及に努力しているということだ。

いくつかの学校とも交流活動をしていて、齊藤さんがいろいろと協力されている。
学校に海洋生物のタッチプールなども設定しちゃうんだそうだ。→後日浦和実業の文化祭でも中学部に齊藤さんがタッチプールを設定し、お客さんに触らせながら生物の説明をしていた。
今回の浦和実業生物部の合宿では本格的に協力されていて、こんなふうに民間の業者の方と学校が提携して、さまざまな活動を教育に生かせるのはすごいと思ったし、これを機にいろんな学校ともネットワークを作り、日本に養殖業がしっかり根付くきっかけになるといいなと思う。
橋本先生のメールでは、浦和実業は国からの予算を受けて、実験室における水産技術の確立というテーマで3年間活動する予定だという。
簡単にいうと、水産業を家庭菜園のように楽しむ企画なんだそうだ。
指導者は、齊藤さんを始めとして、近畿大学の先生、水産試験所の方々にお願いしているという。

今年度浦和実業生物部では、齊藤さんの指導でヒラメとトラブグの稚魚を自作の2台の大きなオーバーフロー水槽で育てている。(このオーバーフロー水槽の作り方も100円ショップの材料でどう作るか橋本先生に息子は実演してもらった)
この魚たちを2回違う時期に見たが、見事に大きく成長している。
文化祭でも披露するというからその成長が楽しみである。

「これからの日本は、魚を取るというより育てるという方向へ持っていくべきだ・・・」みたいなことも齊藤さんは言われていた。
いつもいつも採集のことばかり考えていた私たちにとって、またまた新しい発見があった南伊豆合宿であった。

齊藤さんが理事長をしている「NPO日本養殖振興会」に連絡をとりたい場合は、齊藤さんの卸売業「魚介の豊宝大幸」へ連絡してください。
この新しいNPO活動をさまざまな学校に広めていかれたいそうです。


魚介の「豊宝大幸」 代表 齊藤浩一

〒345-0003 埼玉県北葛飾郡杉戸町木野川400-2
TEL/FAX 0480-38-0292 
E-mail: info@houhoutaikou.jp
http://www.houhoutaikou.jp



追伸

家に戻ると、疲れも見せず、息子は早速水槽を用意し、石やフィルターをセットし、あらかじめ作っておいた2本のペットボトルの汽水にせっせと汽水を作り、汽水をたし、あっという間にテナガエビ用の水槽を完成。
3匹のテナガエビは、水槽の上の方に登ったり、脱皮を繰り返したり、煮干しを食べたりして、元気いっぱい。
齊藤さんのしっかりとした梱包のおかげで、帰宅途中弱ることなく無事に飼うことができた。
ありがとうございました!
そう、生物採集は採集するのは楽しく割と楽に取れるが、難しいのは時間がかかる家までどう生かせるかだ。
そんなことも学んだ合宿でした!

みなみの荘の皆さん、浦和実業生物部関係者の皆様、今年も大変お世話になりました。
ありがとうございました。
また、家族で行ってみたいです。