Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

私立高校、特待生として入るか否か?!~親たちの迷い

2009-10-26 | 日本の教育一般
受験生を持つ親たちの最近の話題は、「志望校をどこにするか?」「確約をもらえるか?」「特待をとれるか?」どのくらいの成績で確約をもらえて、あわよくば特待をとれるかである。「○○学校は、偏差値○○で取れる」と情報交換。お互い説明会や相談会で見てきた学校内容を教え合う。

今日は、息子と同じくらいの学力のA君のお母さんとメールでやりとり。お互い違う学校で確約をもらっているため、内容を教え合った。A君が確約を取った学校の上のクラスの特待だと部活禁止と言われたようだ。運動もすごく、進学はそのクラスで手厚く面倒を見て、そのクラスの生徒たちが実績を残し名を広めるという感じらしい。

このメールを見て、私たちが特待を取った学校の教頭先生は、確か特待生でも部活は3年生までいいと言われたと記憶を振り返る。子供たちにとって、高校生活で部活ができるかどうかは、大きなポイントだ。うちの息子は高校で硬式野球をやるのを楽しみにしている。偏差値の高い学校より野球のプログラムのいい学校の方を選ぶかもしれない。私は、大急ぎで、電話でもう一度部活ができるのか確認した。そしたら、教頭先生は、「野球部は3年の7月の大会までできます!」と言い切っていたので、ほっとした。

そして、他のママ友とも電話で受験情報交換。今年は、塾の予想では、公立はかなりきついとのこと。昨日、行った塾の進学フェアの話をする。民主党の公立高校無償の公約もあり、公立への流れは必死の模様だ。大手塾、サイエイスクールの分析によると、公立高校入試の制度改革の日程変更のため、私立難関校の入試が2月16日の公立の前期入試の前にあいつぐため、今年定員を増やす浦高、一女は大穴だという。

おそらく、この2校を受験しない私たちの息子、娘たちは、塾が予想する志望校の倍率を見ながら「大変だねえ!」、ママ友は「○○校はやばいらしいよ!」と教えてくれる。こうなってくると、いかにしっかりと滑り止めの学校から確約をもらうかが鍵になる。

前述のメールでやりとりした友達も今は公立の志望校が厳しいので、志望校を一段落としているが、私立で3年特待がとれて気に入るところがあれば、最初の目標校にチャレンジしてもいいと思っているという。

親たちのさまざまな思惑が交差する中、子供たちもさぞや揺れ動いているのだろう。そして、電話で話した友達も昨日東京の学校で特待をとれそうだという。「おめでとう!」と言おうとしたら、友達はいたく心配している。もしも、特待で入ったら、子供にとってそれが足かせとならないか、自由に部活ができるのか、成績を常に気にしてそれがプレッシャーにならないのか。大学は自由に受けられるのか。心配したらきりがないほどだ。そういう無言のプレッシャーに自分の子供たちが耐えられる度胸を持っているのか・・・

昨日、送られたきた埼玉が地元の情報通のエカミルさんのメールでは、「特待生はその学校の広告塔だから、それなりの成果を求められるでしょう」「東京北部なら、順天、成徳、淑徳、この辺は特待制度で伸びてきた新興進学校御三家で、学校経営も上手。埼玉東部は、栄東、大宮開成、開智、春日部共栄が新興進学校四天王」と続く。

特待生をうまく集めて、進学実績をのばし、学校の名誉を高め、いい生徒を集めるという私立高校の構図。そのためには、滑り止め校としての学校の位置を定め、はっきりと私たちに示す。高い授業料を一般の生徒たちから取りながら、難関校をめざす生徒たちと親に特待生という大きなプレゼントを用意する。私たち親は、複雑な心境をかかえながら、それにのっかっていくしかないのだろう。

今日は2つ投稿しています。


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2 コメント

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貴重なアドバイスありがとうございます! (kuni)
2009-10-29 16:35:46
なるほど、特待生側も支える側もwoodsnowさんが言われているように、ポジティブに考えるといいのですね!またまた、素晴らしいアドバイスをありがとうございます!

私の今回の投稿に書いた、特待生を受けるかどうか迷っているママ友もこの言葉で励まされるのではないでしょうか。

woodsnowさんは、埼玉周辺にお住まいですか?かなり受験状況に詳しいので、またいろいろな情報あるいは意見を教えてください。

さまざまなことを考慮されていて、敬服しますが・・・ウーン、文章の質から、かなりの切れ者とお見しましたが。

ブログのコメントにこのような建設的な意見が載るのは、更新する甲斐があるというものです。
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鶏頭となるとも牛後となる勿れ (woodsnow)
2009-10-29 10:49:47
こんにちは。
前回、kuniさんから暖かい励ましのコメントをいただき、うれしくなってまた来てしまいました。

高校選びは難しいですね。

私個人としては、タイトルの言葉を座右の銘にできるご家庭なら、特待入学は良いチャンスだと思います。

あらゆる意味でのリーダーを求められるわけですから、そういう度量がある生徒さんでしたら、ご自分の本領を発揮して、充実した高校生活が送れるのではないでしょうか?
また、リーダー的な役割になれていない生徒さんでも、「立場が人を作る」ということもありますので、ストレスではなく、成長のチャンスと捉えることもできるでしょう。

大切なことは、高校側と特待入学なさる生徒さんとの、利害が一致しているかどうかでしょうか。

昔は難関校の滑り止めであった学校が、何年か後に、第一志望校となった例と、新興校に押され定員割れ、という状況にある例を知っています。
特待生としては、その高校の発展を担い、卒業後もその高校の行く末を見守ることが楽しみになるかもしれません。

一方、特待生を支える側の生徒さんにとってのメリットは?といえば、優秀な生徒さん(特待生)から良い刺激を受けられる事(井の中の蛙にならないこと?)でしょうか。
以前説明会に行った高校の校長先生が、そんな意味のことをおっしゃっていました。
特待生を追い続けられる生徒さんなら、そういう高校で学ぶのは、有意義かもしれませんね。
また、指定校推薦で大学に進みたがる生徒さんを好ましく思わないらしいので、その辺の事情も入学前に是非知っておきたいものです。

昨今は、中学入試ばかりでなく、高校入試も親掛かりの感が否めません。
子供が自立するまで、親は苦労が尽きませんね。
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