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草もち姫 徒然なるままに

日暮し、PCにむかひて心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

またか!の安宅の関 團菊祭五月大舞伎

2007年05月25日 | 歌舞伎
一話目は山本周五郎原作の「泥棒と殿様」
山本周五郎は家が貧しく歌舞伎座近くの木挽町の質屋に奉公に出され、13歳から20歳の多感な時期を過ごした。
主は山本周五郎といって奉公人を英語学校に通わせたりする知識人だったらしい。
しかし奉公先にまで父親が押し掛けて給金を前借りしてしまったりと辛い時代が続いたようだ。
この作品の泥棒もそんな辛い人生に嫌気がさして捨て鉢になって盗みに入ったのが幽閉中の若殿様のボロ屋敷。
歌舞伎というより口語調の芝居を見た気分だが中々面白く最後はホロリとさせられた。

2話目はNHKの調査で好きな歌舞伎ナンバー1に選ばれた「勧進帳」だが先日フランス公演をされた団十郎さんの弁慶に菊五郎さんの富樫だから團菊祭の真骨頂だ。

特に最後の六法の引っ込みは皆さんお待ちかねで大いにもったいぶりて余韻もたっぷり。「成田屋!」「日本一!」に「世界一!」の掛け声も飛んだ。

歌舞伎120年記念というのは、江戸時代には幕府に疎まれて廃止寸前だった歌舞伎だったが明治になると海外を見てきた政府の役人達が自国伝統ある歌舞伎をなんとか保護して行こうということになり、明治天皇にみていただいたのが明治20年でそれから120年ということらしい。

と呼ばれた歌舞伎役者達がいまや世界遺産ですよ。
江戸時代はエログロナンセンスで退廃的だったが、団十郎が危機を感じて女形を廃した演目として作ったのだとか。

三話目は「与話情浮名横櫛」(よはなさけうきよのよこぐし)
死んだはずだよお富さんのやつだ(笑)
海老蔵さんの与三郎は今一番もて男でぴったり!お富は菊之助さんでこれまた美しい。

この演目が先代同士じゃなくて本当によかった(^_^;)

最後の「女伊達」は芝灌さんが余裕を見せつけるが、長唄連中は超豪華。なりこまやの傘のオンパレードでまた幸せな気分で帰って来た。外は一日中大雨でした。
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