2017年11月7日(火)樟葉生涯学習センターで、第一交通産業グループ京都地区の運転手さんに向けて、ママサポートタクシー研修会を行いました。
実際に陣痛が来ている妊婦さんを乗せた経験がある方も5〜6人おられました。
やはり不安なのは破水や陣痛の時のタクシーでの送迎だそうです。一緒に学んでいきましょう。
座学では、妊娠週数の数え方、赤ちゃんの大きさ、妊婦健診の回数などのお話がありました。
「妊娠何週という数え方より、何ヶ月と言う数え方の方が馴染んでる」という声も。
妊娠週数によって起こる身体の変化の説明と共に、つわりの場合、陣痛が来ている場合、破水の場合、お子さん連れの場合など、実演を交えて、気をつける点や声の掛け方などをお話しました。
これはつわりの場合
特に具合の悪い時や、陣痛が来ている時の実演では、皆さん真剣そのもの。
「陣痛の時の妊婦さんの様子が、実際に経験した時の再現みたいだった」という声も。
横になりたい場合はバスタオルをかけていただくと落ち着く方もおられます。
骨盤位(逆子)の場合やお産が進んできている人はこういう姿勢をとることも。
ママサポートタクシーには「バスタオル、防水シーツ、ポリ袋、手袋」の4点セットを備え付けてくださっています。
それぞれの使い方や妊婦さんへの声の掛け方などを見ていただきました。
お産の経過の説明です。
赤ちゃんがこのように通ってきますとお産の仕組みも見ていただきました。
体験実習では、妊婦ジャケットを着て妊婦体験です。しゃがむ動作、階段の昇り降り、タクシーに乗る時、降りる時、お腹が大きい時の動きづらさを体感していただきました。
「昇りより降りる方が足元見えなくて怖い」
大きいお腹の時のタクシーの乗り降り動作
タクシーの高さをイメージし、乗り込むのはやはりお尻から…
意見交換の場では、実際にタクシーでなく救急車を呼ぶことになった事例や、陣痛の来ている妊婦さんを遠方の病院へ送迎した事例のお話もありました。
妊婦さんが陣痛が来て一人で病院へ向かうのにタクシーを利用された時のこと、妊婦さんに「病院へ連絡出来てますか」という確認や、焦る気持ちを落ち着けていただこうと到着時間の返答に心遣いがあったこと、病院の警備員さんに事情説明し「車椅子をお願いします」という対応をされたりと、今回の研修前の対応にも、運転手さんができる限りサポートいただいていたことがわかりました。
研修レポートやアンケートの一部をご紹介させていただきます。
1、講座、体験学習を通じて、感じたこと、気づいたこと
・かかりつけの病院に連絡したか、病院からどのような指示があったか、など情報を聞き漏らしているなと感じました。
・妊婦さんは足元がお腹で見えにくく、タクシーに乗るのも大変で荷物や上の子どもさんがいるともっと大変さを感じました。
・知らなかったことがたくさんありましたが、10ヶ月の妊婦さん、赤ちゃんの重さを同じように抱えさせていただき、大変さがわかったように思います。
・男性には考えられない妊婦のつらさを感じました。
・今まで喜ばしいことだけしか考えていなかったが、流産や死産など悲しみの渦中にいる方や、産後のうつ病などで苦しい状況の方もいることを新しく認識しました。
・若い時にアメリカやヨーロッパにいたので、出産後の入院期間が日本は長いように感じていたのですが、欧米は入院費が高いことが主たる原因だと聞き、納得しました。
2、ママサポートタクシードライバーとして、今後どのようにしていきたいですか?
あるいは、どのようにありたいですか?
・ママサポートに限らず、思いやりのあるやさしい運転、接客を心がけたいと思います。
・常に妊婦さんの身になって無事におともできるように心がけていこうと思います。
・人命に関わることなので病院との連携が難しいと思いました。
・安心して乗ってもらえるように、押しつけにならないようなサポートをしたいです。
・陣痛や破水の時、どうしたらよいのか知らなかった、救急車を呼ぶことも今まで知らなかった。
・実際に出くわすとどうしても焦ると思いますが、とにかく冷静になることを忘れなければあとはなんとかなると思いました。
・全国的に普及してほしいと思います。
・いざという時の対応(乗車中にお産が始まった場合)を教えていただいたので、冷静に対応できると思います。
・色々な病状の妊婦さんがいることを知りました。
「ママサポートタクシー」研修が始動して2年半、今日の研修会で、第一交通産業グループさんの八幡営業所、樟葉営業所の運転手さんはほぼ100%研修を修了されたそうです!心強いですね。
地域で一緒に、妊婦さんやお子様連れの方もサポートしていただけるのが有難いです。
まだまだ京都府の中でもママサポートタクシーの少ない地域もあります。
当会では引き続き、妊婦さんやお子様連れの方も安心してタクシーを利用出来るよう、研修会を続けていきたいと思います。
参加していただいた第一交通産業グループの皆さん、お疲れ様でした。
※参加者の皆様から写真掲載の許可をいただいています。
(ママサポートタクシー担当 奥野)