産前産後訪問支援員養成講座【京都南部】3日目
みなさま、こんにちは。
南部での講座が2月23日の土曜日に京都アスニー会場で開催されました。
(掲載されている写真は参加者のみなさまの了承をいただいています。)
3日目の今日は、前回までの京都テルサから京都アスニーに会場を移しての開催です。
京都アスニーの予定していた広いお部屋が暖房設備の不具合により、急遽部屋替えが必要となりましたが、参加者のみなさまのご協力により、時間通りに始めることができました。
(お部屋の都合上、一つの机に3人掛けとなり、参加者のみなさまには窮屈だったかもしれません。長い時間、おつかれさまでした。)
さて、3日目も、内容盛りだくさんです。
講座8.「赤ちゃんの栄養はお腹の中から」
~胎児期から始まる、妊産褥婦、及び家族の食育の大切さ~
講座9.「妊産褥婦のメンタルヘルスとケア、子どもへの影響」
講座10.「妊娠期からの母乳育児支援を学ぶ」
~楽しく自信を持って母乳育児を継続するために支援者としてできること~
講座11.「子どもの発育・発達、育てにくさへの対応を学ぶ」
~赤ちゃんの視点から子育てを考える~
講座8は、(公社)京都府管理栄養士会の管理栄養士、吉田敬子先生のお話です。
妊産褥婦を支援する際に知っておきたい赤ちゃんとお母さん、及び家族のための栄養知識をわかりやすく教えていただきました。支援者にとっても嬉しい情報、健康な食事のための工夫が詰まっていました。
お話の最後に、吉田先生からは実際の野菜をハカリにかけながら推奨摂取量を見せていただき、よりわかりやすく学ぶことができました。
今日から使えそうな栄養知識がたくさんで、みなさま興味深く聴いておられました。
講座9では、京都府立洛南病院の精神科医長である山﨑信幸先生から、妊産褥期におけるメンタルヘルスの基礎知識とともに、そのケアの実際や、子どもに及ぼす影響について学びました。
女性のメンタルヘルスが乱れることが、子どもへの虐待の一因となり得ます。
具体的なリスク要因、観察点、支援員としての関わり方のポイントについて教えていただき、妊娠期からの継続した声かけが大切であることを学びました。
講座10では、つぐみ助産院の院長であり、国際認定ラクテーションコンサルタントである越山茂代助産師より、妊娠期からの母乳育児支援、継続することの大切さについて教えていただきました。
母乳育児の大切さ、母乳が出るしくみ、母乳の持つ力を知り改めて驚かれた方もいらしたかもしれません。
母乳育児は母と子どもの協働作業でありともに学んでいくものなのですね。母乳育児の開始と継続の阻害因子を取り除く必要性がある、ということからは、メンタルヘルスのケア同様に環境を整える支援が大切であることを学びました。
講座11では、くわはらこどもクリニック院長の桑原勲医師より、お産の変遷と児童虐待、愛着形成、父親の役割、離乳食、アレルギーについて、と非常に濃い内容でした。
こちらもどれも妊産褥婦の気になる分野であり、参加者のみなさまも熱心に聴いておられました。
お母さんも赤ちゃんも大切にされる経験が必要であること、必要なのは「指導」ではなく「そばにいて支えること」、支援員として関わる際に心に留めておきたいことです。
先生方の熱心な講義と、それを熱心に聴講される参加者のみなさま。残りの講座でも、あらゆる知識を吸収してご自身の支援員としてのあり方を考えながら、さらにパワーアップしていきましょう。
次回は3月3日の日曜日、会場を京都テルサに戻しての開催です。
だんだん暖かくはなりましたが、まだまだ風邪やインフルエンザには要注意です。
お気をつけてお過ごしください。
◎以下、3日目参加者アンケートからの抜粋です。
・妊娠中の食事での工夫や実際のメニューなど具体的に知ることができたため、妊婦さんに伝えやすいと思った。
・妊産婦さんの栄養バランスの大切さを改めて大事だと思いました。塩分の取りすぎは今の自分にも気を付けなければいけないことなどを、参考にしたいです。
・精神科医師の話を聞けて大変勉強になった。医師からの視点の考え方を学ぶことができた。
・産後うつを少しでも早く発見するためには、妊娠中からのかかわりが大切だということ、また産後うつになっても入院が必要なのになかなか入院しない(できない)現状があることに驚きました。母子で入院できる環境、施設が欲しいなと思いました。
・母乳育児、育児不安、様々な悩みを持つお母さんを支援する根底は、特別なことをするのではなくてそばにいて寄り添うということを学びました。
・母乳育児は母親にとっても赤ちゃんにとっても自然なことだということがわかりました。
・母乳のメリットがよくわかりました。搾乳したおっぱいの保存期間なども詳しくわかったので、お母さんから質問されたとき、説明しやすいと思った。
・バースカンガルーの時間で、赤ちゃんの行動がこんなに違うことに驚きました。妊娠中のお母さんがこの動画を見られたら、バースカンガルーケアを希望されると思いました。
・子どものアレルギーについてこれまで深く考えたことがなかったので、知識を深めることができた。
・男性の産後うつ病の存在を知らなかったので、今後早期発見し、フォローできるようになりたいと思った。
・今まさに子育て中なので、自分自身にも参考になった。大切なのは、「指導」ではなくて、「そばに居ること」本人の力を引き出すサポートが大切と学びました。
(文責: 岡野琴美)