下手なデマほど、パニック時には説得力と信憑性を持ちます。
コメントにもあった様に、デマを流す奴ほどそのデマを頭から信じない。ヤクの売人と同じですね。
太平洋戦争時も、日本人は本気でアメリカに勝てるというデマを信じてました。追い詰められた農耕島民には藁(デマ)をも信じたい気持ちだったんでしょう。結局、負け戦だと最初から理解してたのは軍上層部だけ?という皮肉な現実でもありました。
今回のウイルス騒動もそうならない事を願うばかりです。
さてと今日は、”前回”に引き続き、インドの専門家が巻き起こしたデマと遺伝子工学の限界についてです。理屈っぽく長くなりますが、お付き合い下さいな。
インドの科学者が引き起こした議論
”前回”で述べた石正麗とその実験施設について疑惑を呈した人々は、みな非専門家だった。
だがその後、インドの科学者がbioRxivで公表した論文(現在は撤回)が新たな議論を引き起こす。
1月31日、インドのデリー大学とインド理工学院に所属する研究者たちがbioRxivで、ある研究論文を発表した。
簡単に言えば、”新型コロナウイルスの棘突起タンパク質には4つの新しい挿入配列があり、その挿入配列がエイズウイルスのタンパク質配列の中にある”事を発見したというのだ。
論文によれば、”この種の特異な同一性/相似性が自然界の中で偶然に起こる現象とは考えられず、またこの4つの挿入配列は新型コロナウイルスに独特なもので、その他のコロナウイルスには存在しない”とされた。
このニュースが、またもやネットユーザーの想像と臆測〜”新型コロナウイルスはSARSウイルスとエイズウイルスを人工的に合成したものなのではないか?”という疑いを引き起こした。
しかしその後、このインドの研究者たちは研究論文を撤回。研究論文の執筆者の1人は次の様なコメントを残した。
”これは初期段階の研究です。私たちには陰謀論にその議論の根拠を提供する意図はありませんが、SNSやメディアで異なる解釈をなされ、拡散してしまった。誤解と混乱を避ける為、撤回する事にしました”
実際、インドの研究者達の研究の結論には、論文が撤回される前から多くの専門家達により疑問が呈されてた。米スタンフォード大の生物化学シルヴァーナ•コナーマンは、この研究論文を調べた結果、”相似性は偽物だった”とTwitterで述べてる。
”彼らは新型コロナウイルスから4つの新しく挿入された遺伝子配列を発見したが。そのうち2つは既にコウモリのコロナウイルスの中で発見されてるもので、残りの2つの挿入配列のうち1つは、HIVウイルスの配列によく似てるが、非常に短く偶然性が高いとはいえない。もう1つの挿入配列とHIVウイルスを除く13種類のウイルスの配列はより似てるが、これら相似性も偶然性が高いという訳ではない”
米ワシントン大学の生物情報学トレバー•ベッドフォードは、自ら比較を再現してみた結果、”これらの短い挿入配列が確かに新型ウイルスに存在する事を確認したが。これらの挿入配列は多くの種類の生物の配列とマッチするもので、HIVウイルスの配列だと結論する理由はない”と述べてる。
コロナウイルスとエイズウイルス
米オハイオ州立大の新興病原学の劉善慮は、次の様に指摘する。
”ウイルス進化の角度から言えば、コロナウイルスと逆転写ウイルスのエイズウイルスには大きな違いがある。相同性が低すぎる為、DNA間で組み換えが起こる可能性が低い。
更に、比較する全ての遺伝子配列の中では、数十個のヌクレオチド(DNAの最小単位)または数個のアミノ酸が、幾つかの全く関連のないものと完全に又は非常に似てる事が発見されてます。でもそこに何ら生物学的な意義はない”
多くの専門家が、新型コロナウイルスに存在し、他のコロナウイルスには存在しないこの挿入配列が、HIVウイルスの中で発見された配列に類似してると考えている。
だが大切な点は、これらの遺伝子の暗号配列がその他のウイルスにも存在する事だ。それらが全てHIVウイルスから来たと信じる理由は何処にもない。
1月21日、「中国科学:生命科学」英語版はオンラインの研究論文にて、武漢のコロナウイルスが人に感染する仕組みを明らかにした。つまり武漢コロナウイルスは、Sタンパク質が人の変換酵素と相互に作用する分子の仕組みを通じ、人の呼吸器官の表皮細胞に感染すると。
この論文を執筆した上海パスツール研究所の郝沛によると、”人体に作用する仕組みが一致してる所から見て、武漢のコロナウイルスの感染能力はSARSウイルスと同程度と考えられるが、感染能力はウイルスの拡散度合に影響する要素の1つに過ぎない”という。
更にウイルスの複製、ウイルスが拡散する経路など、ウイルスの拡散度合に影響を及ぼす要素は他にも沢山ある。
1月22日、北京大学を中心とした研究者たちがオンラインで研究論文を発表した。
その研究によれば、”新型コロナウイルスは、コウモリのコロナウイルスと起源が未知のコロナウイルスとの間で遺伝子が組み替えられる事で発生したウイルスであるらしい”と。
では、新型コロナウイルスが人工で製造された遺伝子工学の産物である可能性はあるのだろうか?
財新記者は多くの専門家や研究者をインタビューしたが、彼らの一致した判断は”不可能”だった。
遺伝子工学の限界と
前述のベッドフォードは財新記者に、”新型コロナウイルスが遺伝子工学を起源とする事を示す証拠はない”と語る。
彼によれば、コウモリの身体に見られるウイルス(RaTG13コロナ)と相互に比較すると、”新型コロナに存在する遺伝子の差異は自然進化によるものと一致する”という。
”もしゲノム編集したウイルスであれば、大量の遺伝物質を置換する必要があるが、今の所その種の痕跡は観察されてはいない。反対に自然進化したと思われる、まばらで分散的な変異しか見られない”
ベッドフォードは、ウイルス間のヌクレオチドの差異と他のコロナウイルスの仮定突然変異率の推計を結び合わせ、RaTG13コロナと新型コロナという2種類のウイルスは、”25~65年前に1つの共同の祖先から生まれた”とする。
つまり、”RaTG13コロナが新型コロナウイルスへと変異するには数十年の時間が必要だろう”との事だ。
更に、RaTG13コロナウイルスと新型コロナウイルスの間には1100個近いヌクレオチド(DNAの最小単位)の差異が認められる。これに近いのが、ハクビシンのコロナウイルスと人のSARSウイルスとの間に認められるたった10個のヌクレオチドの差異だという。
結局、新型ウィルスは人工的には作れない
中国科学院の生物情報学分野の研究者の1人が財新記者に述べた所によれば、新型コロナウイルスは”どう見ても天然のもので人工のものである可能性はない”と。
その根拠は、新型コロナウイルスの遺伝子配列が雲南キクガシラコウモリに存在するRaTG13コロナウイルスと最もよく似てる事が明らかになっており、その一致率が96%に上る事が挙げられる。
しかしだ、この4%の遺伝子の差異は極めて大きい。人とマウスの遺伝子の相似度も90%に上るし、この様な差異を人工的に補填する事は決して出来ない。なぜなら、新型コロナウイルスは3万文字近いヌクレオチドを持ち(遺伝子の数で言えば26個ほどか)、4%といえば1200カ所の遺伝子変異に当たるからだ。
”大自然だけがその様な事を行える。長年の進化がこの様な天然の(変異性の高い)ウイルスを造り出した”と、この研究者は述べている。
その他、ウイルスが遺伝子断片を失うのはよくある事で、そうやって自己をスリム化し、ウイルスはゲノムを合成する。
ウイルスにとって機能がシンプルであるほど効率が高いが、逆にウイルスが遺伝子断片を獲得し自己に挿入するのは難しい。
”陰謀論者は人類の偉大さを買いかぶりすぎてる。人がこれらの遺伝子断片の挿入を実行できたとしても、1200カ所もの遺伝子変異を作り出す必要があるのか?なぜこんな複雑な事を?結果を自分でも制御できないのに?”
人工的に改変された痕跡は?
米ペンシルバニア大学医学部の李懿澤は財新記者に、新型コロナウイルスを実験施設で製造するのは不可能だと述べた。
”実験施設でウイルスを製造するには逆遺伝学が必要。その核心は配列の繋ぎ目(跡)ですが、配列の繋ぎ合わせには酵素の一種であるエンドヌクレアーゼを人工的に導入する必要があり、人為的に改変された痕跡が残る。
配列の中にエンドヌクレアーゼが人工的に導入された所が見つかれば、そのウイルスが人工的に製造されたものと認められる。
でもその様な痕跡を残さない事は不可能です。そして、新型コロナウイルスには人工的に導入されたヌクレアーゼの痕跡がない。故に、実験施設で製造された可能性はありません”
前回で述べた”機能獲得性研究”の批判者であるエブライトも、現時点でのウイルスの遺伝子配列の分析に基づけば、”ウイルスがゲノム編集されたという事を証明する実質的な証拠はない”と語る。
だが、彼は次の様に注意を促す。”ウイルスがゲノム編集されたかどうか(この種の可能性は既に排除されてる)と、ウイルスが実験施設での事故により人々の間に広まったかどうか(現時点その可能性は排除できない)は分けて考えなければならない”と。
デマが飛び交う事態に
米オハイオ州立大学獣医予防学の終身教授である王秋紅も政府の介入を呼びかける。彼女は、感染拡大が発生して以来、とても多くのデマが出現した事を指摘した。
ある者はウイルスが武漢ウイルス研究所により製造されたと言い、またある者はノースカロライナ大学の実験施設から流出したもので、そこでは、かつてSARSウイルスをマウスに感染させる実験を進めていたと言ってます。
”現在、遺伝子配列が既に公表されてます。この配列の分析から、ウイルスが人工的に製造された事を示す箇所は何処にも見つかりません。実験施設から流出した可能性はないし、完全に自然界のウイルスです”
1月31日に「ネイチャー」が掲載した記事によると、大多数の研究者がウイルスの遺伝子配列は、新型コロナウイルスが武漢のウイルス研究所から来たものだという見方を否定してると考えてる。
新しい疾病やウイルスが出現する度に
かつて石正麗と協力して研究を行ったピーター•ダザックは「ネイチャー」に次の様に語る。”新しい疾病やウイルスが出現する度に、いつも同じ様な事が言われる。これは某機関が放出もしくは流出させたものだ、もしくはゲノム編集を施されたウイルスだ、といった具合でとても残念な事だ”
確かに、重大な感染病の発生にはいつも似た様な”陰謀論”がつきまとう。
例えば、2003年にSARSが蔓延してた頃、”SARSは人工的に製造された兵器だ”というデマが一時期盛んに取り沙汰された。2014年、エボラがギニア共和国等で爆発的に感染を拡大した時も、アメリカ人がエボラを製造したというデマが拡散した。
マサチューセッツ工科大学政治学部のヴィピン•ナランは、次の様な意見を表明した。
”今回の感染拡大が生物兵器によるものである事を示す証拠はない。実際、(もし仮にこれが生物兵器だったとしたら)本当にお粗末な生物兵器です。何故なら、自分も害を被るリスクがあるからだ。いい生物兵器は致死率が高く、感染力が低いものである必要がある”
最後に
以上、”東洋経済ONLINE”を参考に理屈っぽい事を書いてきましたが、知って頂きたい事は、パニック時に敢えて大衆を不安にさせる様な幼稚なデマを流すなって事だ。
マスクを大量に買い占め、儲けようとする悪徳業者の存在と同じで、唯でさえ困ってる人が余計に困るだけ。
デマを信じるバカはデマをも縋りたいという狂信者であり、何時の時代もデマを流す連中にいい様に利用される。
結局、新型ウイルスは遺伝子変異の重ね合わせの偶然の産物であり、神が生み出した驚異の副産物と言えるかもです。
陰謀論は変異も進化もしない。バカと気違いとカルトだけが信じたがる”狂気の信仰”なのかもしれない。
平穏な時期に面白可笑しくデマを流すのは理解できるんですが、パンデミックに近い時期にデマを流すのはどう見ても狂信的ですよ。
日本は小さな島国だからパニック時の危険な狂信思想はあっという間に広がる。だから余計に怖い。
でも武漢からチャーター機で帰国した日本人の感染が14人だけというのは、武漢の感染率からすると凄い事ですね。
日本が鎖国状態になる事が一番怖いですね。
TVでも言ってましたが、安倍政権で腐敗しつつある国内の医療体制を、しっかりと立て直す事が必須ですかね。
怖いものはない
”新型ウイルスがお宅の水道管に蔓延ってます”と言い掛かりをつけ、除去費用を請求したとの事です。
ウイルスや生物兵器のデマ同様に詐欺や悪質商法も拡散するのが早いです。
世界から見れば、先進国である筈の日本が何故こんなに政府の対応が送れたのかと疑問に思われてます。
企業や技術や国民の勤勉さは優秀でもお上の政治家がクズだったらこうなるの典型ですね。
戦争時も兵士は優秀なのに軍上層部が馬鹿だったから、日本は戦争に負けたと世界中から批判されたのと全く同じ現象です。
最後には国民も政治屋と同様に腐敗するんですかね。
冷静に考えれば嘘だとバレバレだけど、パニック時には信じたくもなるよ。でも投稿した本人もこれほど大きな騒ぎになろうとは思ってもいなかったんじゃないかな。
本人は単なるお遊びのつもりで投稿したつもりなんだけど、こういうのが一番厄介だぁ〜
台湾も韓国も早くから対策を練っており、マスク不足は免れてるようです。何故日本だけが?って思いますよね。
その上、余計なデマばかり流してんですよ。
いつから日本人はこんな貧相な民族になったんでしょうか。
韓国の文大統領が中国からの入国者を制限しようとしたら、中国から猛抗議を受け入国制限を中止した。それが今の韓国内での感染拡大を招いたというのです。
そして今、日本が韓国からの入国を制限しようとすると韓国はブーブー言ってきます。全く逆ですよ。
その日本も中国からの入国を制限しなかったから感染が拡大したとも言われてます。
世界では感染国からの入国拒否は常識です。なぜ中国と韓国だけがブーブー云うのでしょうか?
これも中国が武漢ウイルスに便乗しWHOや各国に政治的圧力を掛けてるという噂です。転んださんはどう思われます?
中国のいや中国共産党の政治的圧力は見え見えです。
世界は今、アジアの大国中国の対処の仕方を注意深く見守ってます。やり方を1つでも間違えれば、中国は再び”眠れる獅子”というアジアの広大な未開地に逆戻りです。
中国の命運を掛けた”一帯一路”計画もこのままでは砂上の楼閣に終わるかもです。