象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

”アンヌ隊員”のひし美ゆり子が・・・〜真夜中の訪問者”108”

2022年05月24日 06時55分55秒 | 真夜中の訪問者

 夢の中で
 私は大学の中庭にいた。
 もうすぐGWというのに、私には彼女がいない。
 ”ああ、今年も独りで寂しくGWを過ごすのか”と思うと、何だかやりきれなくなった。
 やる事もないので、食事でもしようと生協の食堂へ向おうとしたその時、何処かで見たようなオタク風の小男が近付いてくる。
 ”オイ、連休はどーせヒマだろう?麻雀でもやろうぜ”
 私はキレた。
 ”お前はバカか!GWに麻雀やるくらいなら、舌を噛んで死んだ方がマシだ”

 私は食事をする気も起こらなくなっていた。
 ”こんなバカに腹を立てても仕方がない”
 私は近くのベンチに腰を落ち着けた。
 目の前には、あたかも見せ付けるかのように、色とりどりのカップル(古臭な言い方か)が目立つ。
 ”法律さえ許せば、みんな犯してやりたいんだが・・・”


女の視線

 私には(先程から)、ずっとこっちを見てるある女の視線に気づいてはいた。
 私はあえて気付かない振りをし、相手が声を掛けるのを待っていた。というのも、女子大生にしては少し老けてる様に思えたからだ。
 女は私をからかうかのようにずっと笑っている。
 ”何だか悔しそうね。イヤな事でもあったの?”
 私は女の方を見た。
 顔色は少しくすんでいたが、間違いなく”アンヌ隊員”いや、ヌードを披露した頃の(少しくたびれかけた)”ひし美ゆり子”だった。

 ”アナタの思ってる事、当ててみましょうか”
 私は女をずっと見つめていた。
 少し日焼けしてたが、ひし美ゆり子に違いはなかった。
 ”私とヤれるとでも思ってるんでしょ?”
 私はすぐに開き直った。
 ”ああ、正解だよ。全くの図星さ”
 女は少し笑った様に思えた。
 ”今すぐにでもヤれると思ってるでしょ?”
 私も少し吹き出しそうになった。
 ”ああ、その気になりゃ、ここでもヤれるさ”

 女は冷ややかな笑みを浮かべる。
 ”そんなに簡単じゃなかったら?”
 私は、薄手の黒いブラウスに覆われた女の胸部に視点を集中した。
 ”もし、簡単だったらどうする?”
 ”そんな女に見える?”
 ”ずっと笑ってたろ?ヤリたいって証拠さ”
 ”そんな単純かな”
 ”ああ単純だね。その単純な中に、複雑で奇怪な女の心理が埋まっている”
 ”単純そうで単純じゃない?”
 ”「NP問題」と同じさ”
 ”単純な問題も全ては複雑ってこと?”
 ”ま、そんなとこかな・・・”

 私はもう一度、女を見た。
 アンヌ隊員程に若く魅惑的でもなかったが、確かにひし美ゆり子だった。
 ”今ボクが、君のブラウスに手を掛けたらどうする?”
 ”やめて!と拒絶したら?”
 ”拒絶するには勇気がいるさね”

 私は、彼女の背中に左腕をゆっくりと忍び込ませ、背後から女の躰をガッチリと締め上げた。
 ”俺は今、アンタの背後に回ったぜ。さぁ、どーする?”
 女は、形の良い豊満な胸をガードする様に両腕を前に固める。背中はガラ空きになり、私はブラのホックを外そうと手を掛けた。
 女は諦めた様に微笑んだ。
 ”最初からこう来るのは判ってたわ。アナタは私の寂しい背中を見抜いてたのよね”

 私は彼女から離れた。
 ”寂しいのはお互い様よ。アンタだって私の孤独な背中をずっと見てたろ?”
 ”幾ら強がっても、背中を見れば判る?”

 女の頬が少し色味を帯びつつある。
 ”しかし、ここはどーだろ?”
 私は、彼女のパンツの中に強引に手を忍び込ませた。
 それから後の展開は、倦怠期の男と女のそれと同じである。
 中庭のベンチではあまりに目立つので、図書館に場所を変え、再び行為にふけった。
 しかし不思議と、欲情も躍動も感じなかった。ひし美ゆり子という肉の塊が、ただそこに存在しただけである。
 峠を過ぎた感があったが、中途に満たされないまま、夢から覚めた。


最後に

 ”ひし美ゆり子”さんに関しては、記事を書こうとずっと前に準備をしてはいた。
 しかし、ブログにするのは諦めた。それは彼女が”当り前な美人”に思えたからだ。
 彼女がヌードになったのは、ウルトラセブンのアンヌ隊員を卒業し、東宝との契約が切れた24歳の頃である。
 フリーの(売れない)カメラマンに”セミヌードを撮らせてくれ”ってしつこく付きまとわれ、”記念のつもりで”撮らせてしまう。
 彼女は、カメラマンが(私に何の相談もなく)”勝手に週刊誌に売ってしまって・・・”と悔しがるが、明らかに男に(同情し)心を許し、まんまと騙されてしまったと思えなくもない。

 夢の中でも彼女は、一度は”拒絶”した。
 しかし、夢の中でも彼女は身体を許してしまう。つまり、私が予想した事が夢の中で現実となったのだ。
 ただ、彼女の当時のヌード写真を見ると、とても美しくバランスもとれてはいる。が、躍動する魂が抜けたリアルドールの様な気がしないでもない。
 私が夢の中で見た彼女の裸体は、魅惑的というより無味乾燥な肉の塊にも思えた。

 脱いだが故に失速する女優も多い。ひし美ゆり子もその一人かもしれない。
 しかし彼女は、自分の意志で脱いだのだ。
 美しさのピークを過ぎた感を自覚していた24歳の彼女は、その記念として哀れな男にヌードを(敢えて)撮らせたのだろうか?
 夢で見た彼女の”自虐的な微笑み”は、ヌード写真に見られる彼女の”渇いた微笑み”と同質であったようにも思えた。

 男がもし、彼女のヌード写真を(彼女の為に)秘密にしていてくれたなら、ひし美ゆり子が女優になる事はなかったであろうか。そして彼女は、ごく普通の美人として平和な家庭を築いてたであろうか。
 夢に出てきた彼女は、カメラマンにまんまと逃げられた”ひし美ゆり子”そのものだったのかもしれない。
 哀れな普通の男にとって、当り前過ぎる美人は魅惑的には映らなかったのだろうか。事実、ひし美ゆり子本人も”自分の顔は個性がなくて好きじゃない”と語る。

 私が彼女を記事にするのを諦めたのも、全く同じ理由による。
 そういう事を教えてくれた夢のような気がした。



2 コメント

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hitmanさん (象が転んだ)
2022-05-24 21:30:03
乾いた女
ですよね。
アイヌ隊員の時がピークだった。
貧相なカメラマンに同情したんでしょうか。
結局は、まんまと騙され、ポルノ路線に走ったんですが、意外にも当時の日活ポルノはレヴェル高かったんですよね。

コメントありがとうございます。
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乾いた瞳 (hitman)
2022-05-24 12:29:12
アイヌ隊員の頃は麗しかったけどねぇ
この頃は乾いてたような気がする
でも僅か24歳ですよ
老いるには若すぎるし、冒険するにも若すぎる。

カメラマンの事が心底好きだったのかはわからないけど
ヌード写真を見る限り本気だったような気もする。
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