”世界ダメ映画選手権というのがあったら、これに勝てるものがあるとは思えない”との酷評が可愛く思えるほどの愚作であった。
「タイタニック」や「アバター」などハリウッドの駄作映画に耐えてきた私だが、これこそはプーチンのウクライナ侵攻にも引けを取らない、21世紀最悪の誤算の1つかもしれない。
「シンゴジラ」や「シンウルトラマン」のスピンオフの様な立ち位置かもしれないが、この2つは秀作とは言えないまでも話題にはなり得たし、注目も浴びた。しかし、この作品はその出来の悪さが話題にもなり得ない程の超のつく愚作である。
”死んで腐りつつある怪獣”というテーマに多少は期待したが、辛辣なレビューを遥かに超える愚劣ぶりに幻滅どころか、日本映画界の失速と腐敗を身に染みて感じてしまった。
ここまで来ると、成功とか失敗とかいうレベルではなく、愚作の極致をひたすら突き進んでいくように思える。
私は、傑作や名作よりも秀作や良作が好きである。出来すぎたドラマよりも少し悔いの残る展開の方が贔屓である。
どんなB級映画にも、監督やスタッフの意向やキャストの希望が詰まっており、が故に、ある程度の見せ場は存在する。勿論、「タイタニック」にも一応だが見せ場はあった。
ただ、”途中で見る気が失せた”という点で共通してはいるが、それは怒りを通り越し、映画という娯楽そのものを破壊する作品にも思えた。
どんな映画を作ろうが製作者側の自由だが、見る者を無視しては映画という娯楽は存在し得ない。勿論、”腐りゆく怪獣をどう処分するか?”という三木聡監督の絶妙なコンセプトに多少の期待をしてただけに、とても残念ではある。
怒りのあとしまつ?
”コミカルでブラックユーモアに満ちている”という論評もあるが、私にはコミカルもブラックもユーモアすらも存在しない、脱力感や不条理溢れる幼稚な演劇ごっこに思えた。
確かに、怪獣映画にリアルを求めるのは無理はある。が、映し出される怪獣との距離感や温度感が近づくほどに、観客はある種の独特な充足を感じ得るのである。
縫いぐるみやCGで作られた筈の怪獣が(フィルム上で作られた)現実に溶け込み、我々は日常を忘れ、怪獣と同じ空間に位置し、同じ空気を吸い、仮想の世界を彷徨うのである。
しかし、”怪獣のあとしまつ”という前代未聞の難題を前に、滑りっ放しのギャグや外れっ放しのオチが駄作に輪をかける。
”序盤からの悪い予感が全て的中した”という声もあるが、ヒロイン(土屋太鳳)の劣化した風貌以外は(序盤はだが)それ程には悪くなかったようにも思えたし、リアルには程遠い政府内のゴタゴタの珍道劇も言われる程には酷くはなかった(多分)。
ただ、怪獣の処理を任される特務隊員(山田涼介)は主役にも関わらず殆ど実在感すらなかったし、怪獣処理の売り込みに来る町工場のオヤジ(松重豊)のキャラはその場を一気に風化させた。更に、爆破のプロ(オダギリジョー)の存在は作品の劣化を決定づけてしまう。
”怪獣のあとしまつ”というより、この作品を見た者の”怒りの後始末”の方が先だという声もあるが、怒りを通り越して、この作品自体の後始末の方がもっと厄介な所に、この作品の駄作さの次元を窺い知る事ができよう。
駄作には次元は存在しないと思ってたが、この作品を見る限り、”愚かさには次元が明確に存在する”事を教えてもらった気がする。
一方で、監督や(リアルには程遠い)展開と脚本にばかりが酷評を誘うが、キャスト陣の選択やキャラ設定も大きな誤算があった様にも思えた。
つまり、愚作の極致となってしまった怒りの先には「怪獣のあとしまつ」ではなく、それを支えた(演じた)キャスト陣に致命的な何かが見え隠れしていたのも事実である。
年末なのに、日本の身近で不吉な将来を眺めてるようで、”令和のあとしまつ”という言葉がダブってしまった。
そう思うのは私だけだろうか。
一応は公開作品なんで
思いきりウケを狙った結果が大ハズレで
思いきりスベっちまった。
日本もそうですが、映画も元気がない。
来年が思いやられます。
若いときはイケメンだったけど
不思議とこういう予感がしてた
有力なスポンサーがつかないから
スタッフもキャストも途中からやる気がなくなっちゃうのかな
序盤から最後まで全てが中途半端なの
監督が何だかカワイソ-_-
益々、韓国との差が広がっていく感じがします。
韓国映画にもパロディ系はありますが、実によく作られてんですよね。
でもこの作品は投げやり感が満載で、明らかに金欠ニッポンの身近な将来を示唆してると思います。
旧年も日本列島は貧乏でしたが、来年はもっと貧乏になるんでしょうか・・・
オダギリジョーは陳腐な役者に成り下がりましたね。
彼にはまず、人間としての深みがないんですよ。促成栽培で作られたような安モンのイケメンで、栄養価ゼロの野菜みたいで中身がスカスカ。
見てて、途中からキャスト陣がやる気を失っていくのが等身大に伝わってきました。
ま、こんな映画も珍しいんですが、日本の近い将来を予言してるんですよね。
引っ掛かり過ぎるギャクというのも今の時代は炎上するし、ウ○チとゲロの間の映画っていうのも時代が要求してるのでしょう。
ともあれ、コメディ映画に一つの限界と分岐点が来てるのは確かでしょうか。
やはり無理でした。
もう、やる気のなさ感が画面いっぱいに広がってて、すぐに見るのを諦めました。
今の時代、バラエティ番組やワイドショーがウケない様に、コメディ映画もお呼びじゃないんですよね。
旧年は色々とお世話になりました。何もできませんでしたが、新年もよろしくです。
日本だけでなく世界中も失速してるみたいで、(それに輪をかける様に)プーチンやトランプ、安倍や岸田なんかの役立たずの悪害が蔓延りました。
彼らに比べれば、新型コロナなんて正義の騎士に映りますね(悲)。
言われる通り、とても笑えないような事が次々と起こる時代。笑いが笑えなくなった時、お笑いという文化が一つ消えるかもです。