9月20日の”その39”以来ですが、少し間が開いたので簡単に振り返ります。
主人公ダーレムは、ある闇組織に追われるも九死に一生を得て、迷宮のホテルに救われた。ホテルに監禁されたダーレムは、老支配人マティウスや受付のカミーユ嬢に守られ、少しずつ自分を取り戻していく。
探偵マーロウは男の精神的支柱となり、男を支え続ける。そんな時、ダーレムのかつての愛人で娼婦のレオニーが瀕死の重傷を負うが、ドレフェス医師のお陰で女の意識は回復したが、女を襲った犯人の特定には至らない。
マーロウが追う肝心の”ホシ”は、既に逃げ去っていたのだ。
そこに、ソレイマニ暗殺とウクライナ機撃墜のニュースが入り、マーロウの親友ダルデスから、”ドレフェス医師がソレイマニ氏を殺したのでは?”との機密情報が入る。
何とか裏を取りたいマーロウは、日本にいるかつての仕事仲間のテンゾー(転象)に相談を持ちかける。お陰でダーレムの無実を確信したマーロウは、ロス市警と連携をとり、闇組織を追い詰める。
一方でマーロウは、秘書のライリンを秘密裏に忍ばせ、かつてダーレムとその愛人を救うも、黒い噂が取り巻くドレフェス医師の居場所を何とか掴もうとするが・・・
登場人物は”その38”(Click)で確認です。
Episode #40
マーロウはカミーユを誘い、ひと足早くシカゴに着いた。ドレフェスがメキシコ行きの飛行機に乗る前日の夕方に、オヘア空港近くのホテルに宿をとる。
カミーユにはオヘア空港に足を運んでもらい、明日夕方6時のメキシコ行きサウスウエスト機の乗客名簿を確認してもらった。
一方で、マーロウはドレフェスの顔写真を持って、近くのレストランやバーを周り、存在の確認をして回る。
そんな折、ダルデスから連絡が入った。
”マーロウか?ああ、少し忙しくて間が開いたかな。実は考えられない様な事が起きた。ドレフェス医師の事なんだが・・・”
マーロウはダルデスに落ち着くように言った。
”まだまだ時間はある。ドレフェスの行き先は掴めてる。ロス市警にも情報は既に伝わってるから、心配はない筈だよ”
ダルデスは神妙に口を開く。
”シリア情報機関が掴んだ所によると
シリアが運営する拘束施設で、ドレフェス医師が収容者の拷問に及んでたらしい”
マーロウは真剣な表情になった。
”まさか殺害に至ったという訳じゃないだろうな?”
”少なくとも2つの事件で拷問の疑いが持たれてる。チタン製のパイプで殴打し、男性が倒れた後も、殴打し続けたというんだ”
”拷問された二人の男の容体はどうなんだ?最悪なら殺人罪だ。俺たちがドレフェスを匿う事はできなくなる”
”ああ、でも確かな情報は闇のままだが
2つの事件で拷問の疑いが持たれてる事だけは確かな情報だよ”
マーロウはタバコを取り出した。
”Drドレフェスが、アメリカからメキシコへ逃げ出そうとする動機が、これではっきりした訳だ”
ダルデスは少し憔悴した。
”ドレフェスはアメリカにいたのか?”
”ああ、秘書のライリンが秘密裏にしつこく調べてくれたお陰だよ。君からも宜しく言っといてくれ”
”メキシコの何処へ逃亡するかは、はっきりとしてるのかな?”
”いやそこまでは分らない。だから、その前にドレフェスを何とか拘束したいんだ”
”一人で大丈夫なのか?”
”多分ね、こちらからはホテルの支配人の助手のカミーユを連れて行こうと思う”
”迷惑じゃなければ、俺も行きたいんだが、ドレフェス医師の表情を直接見たいんだ。すれば、殺したか否かが判るからね。これも医師としてのカンなんだが”
マーロウはタバコを一服する。
”別に構わんよ、同じ医師として聞きたい事もあろうからな。でも本当の事を言うとは限らないぜ”
ダーレムは少し微笑んだ。
”有難う。でも少し気に掛かる事があるんだ”
”気に掛かるって?”
”ああ、収容者の拷問の件だが、CIAが隠蔽してるという噂なんだ”
”ここに来ても、CIAか?奴さんも大忙しだな。でもなぜ、ドレフェスを庇う必要がある?ブタ箱に放り込めばそれで終わりじゃないか?どうせドレフェスはシリア難民だろ?”
”そうもいかないさ。医療用薬物の合法化にLA一の名医が絡んでたとしてもおかしくないよ。それに、ドレフェス医師の過去を知ってる者が収容所の中にいたとしても不思議はないからね”
”口封じの為に、拷問したというのか?”
”例えばだよ、大量のコカインや大麻をシリアを経由し、中東諸国に横流しする事も可能さ。そう思わないか?”
”仲買手数料だけでも相当な額になるな”
”ああ、それに腹を立てたソレイマニが幼馴染のドレフュスを問い正した?”
”Drドレフュスにとっては、突然その幼馴染が邪魔になったってか?”
”それでCIAと手を組んだ”
”そう単純じゃないかもしれないが、その線もないとは言えないな”
”医師と言っても意外と単純なんだよ”
”医者と言っても所詮は、商売だからな”
”ラーメン屋や売春クラブと同じなんだよ”
”高給と名のつく商売は全てそんなもんさ”
”だったら、マーロウ探偵事務所じゃなく、高給探偵倶楽部とでも名義変更しよう?”
”アハハ、だったら君も高級ダルデス•クリニックって変更すればいい?”
”そうなれば、秘書のライリンとホテルのカミーユをマッサージ嬢として雇いたいね”
マーロウは窓を開け、空を見上げた。
”今日は晴天だな、シカゴのオヘア空港で待ち合わせとしよう。ドレフュスは夕方の6時にメキシコへ発つ予定だから、その前に何とか拘束したいな”
ダルデスも空を見上げた。
”今からシカゴへ向かえば、昼過ぎには到着するから、その時は電話するよ”
空は全くの晴天だった。マーロウには全てがうまく行くように思えたのだが・・・
ようこそ、
我がホテルカリフォルニアへ
🎵ここは素敵な場所でしょ🎵
🎵ここは素敵な人達でしょ🎵
トランプの失脚と結び付けられたらなとも思いますが。どうなんでしょ〜
次回の”その41”ではダーレムの家族との再会でごまかそうと思います。悪しからずです。
でも実際に逮捕ってなっちゃうんですか
そんなにうまく事が進むんですかね
ここら辺でなにかサプライズ期待しちゃいます
トランプも敗北したし
アメリカのトップも交代期にあるし
いろんなシナリオが考えられますよねぇ〜