象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

複雑にしたらアカン!〜「真犯人フラグ」とアベノミクスの虚しい結末

2021年12月14日 04時10分25秒 | 映画&ドラマ

 こうなると、薄々感じてはいた。
 最終回の「日本沈没」(TBS)も予想通り”沈没”した。でもまさか「真犯人フラグ」(日テレ)まで(ここまで真正直に)沈没するとは思わなかった。
 (一応は)楽しみにしてた真犯人フラグ第9話を見る事もなかった。無理して見れば見れたかもしれないが、どうも見る気すら起こらなかった。
 つまり、こうなる事が最初から判ってたからだ。

 アベノミクスで失速した日本経済は結局立ち直る事なく、賃金でも韓国に抜かれちまった。
 因みに、OECDが公表しているデータ(2010)では、日本は3万8515ドルで、韓国は4万1960ドル。2020年の1人当たり名目GDPを2000年と比べると、韓国は285.2%増(3.85倍)で、それに対し日本は僅か2.9%の増加でしかない。
 世界競争力年鑑2021によると、韓国が23位で日本は31位だ。”デジタル技術”では韓国が8位で日本が27位。電子政府ランキング(国連=2020)では日本は14位で、韓国は世界第2位である。

 2000年頃以降、日本は円安政策をとった。その結果、企業の利益が増え株価も上昇したが、GDP(国内総生産)は増えず、賃金(給料)も上がらない。
 他方、韓国は通貨安を求めず、品質の向上を図る。その結果、輸出が増えただけでなく、貿易黒字が増え、GDPが増え、賃金が上がった。
 韓国の今後の課題は、高い外需依存から脱却し、産業構造の情報化を進める事だ。昨今の経済現象を鮮やかに斬り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない”通説”を粉砕する・・・(野口悠紀雄氏)


見るほどに裏切られる

 まるで見れば見るほど視聴率が落ちていく、昨今の日本のTVドラマと同じである。
 展開を複雑にするだけで、本質を探ろうとはしない。アベノミクスと同じで表面上のフラグは賑わうが、本質は砕けて腐ったままである。
 アベノミクスでは、金融緩和で金利を低下させ、顕著な円安が進行した。円安政策がとられたのは、円高になると企業の利益が圧迫されると不安視したからだ。もし円安になれば、現地価格が同じでも、円表示の売上高が増えるので利益が増える。
 現地販売価格を少々切り下げても、円表示の売上は増える。つまり日本企業は、安売りで輸出を増やし、利益を上げただけなのだ(野口氏)。

 これと全く同じ様な事を秋元康はヤッたわけだ。彼がペテンである事は判りきっていた。しかし、もう少し賢いペテンだと思っていた。
 途中から失速しつつあった「真犯人フラグ」の後半の展開には、色んな批判や意見が出された筈だ。しかしシナリオが進むに連れ、番組スタッフと豪華?キャストのやる気のなさがここまで伝わってくる。
 廃墟と化した繁華街でもないが、店の中に入らなくても大方の腐敗した空気(フラグ)は読める。
 キレイな中年女に思えた真帆(宮沢りえ)が単なるオバサンに見えた。孤軍奮闘で主役を張り続ける凌介(西島秀俊)もアイドルっぽく映る。その凌介を励まし続けてきた瑞穂(芳根京子)の奮闘も今や空回りに終わりそうだ。

 いたずらに複雑にバラ撒いたフラグは結局、何の意味もなく消え去ろうとしている。まるでアベノミクスの失政を指を加えて眺めてるようだ。
 日本伝統行事の冠婚葬祭や仏事もそうだが、形式というフラグばかりに拘りすぎて、中身は何もない。本質は最初から歪み、そして腐り果て、最後には跡形もなく消え去っていく。


最後に〜迷走するドラマたち

 今NHKでは終戦記念特集として、太平洋戦争時の貴重なドキュメントを流している。
 多分、誰も見てはいないだろう。先行き不透明な島国の哀れな過去を振り返っても、何も得る事はないとでも思ってるのだろうか。
 確かに、昨今の人気ドラマと異なり、歴史ドキュメントには複雑多岐なフラグは存在しない。あるのは、人間の強欲と残酷と悲惨と悲劇だけである。
 美男美女が登場する訳でもなく、劇場型のド派手な興奮を与えてくれる訳でもない。そこに存在するのは、焦げ付き腐れ果てた死体と瓦礫の山だけである。

 しかし、戦争で死んでいった最前線の兵士たちには家族を思い慕う心が常にあった筈だし、家族の名誉の為に戦った挙げ句、虫けらみたいに焼き尽くされたのだ。そこにはフラグなんて最初から存在しなかった。
 ナパーム弾で、住民と住居共々をまとめて焼き尽くすという惨劇には、何度見てもやりきれない気持ちがむくむくと湧いてくる。
 まるで戦争を超えた”破壊”とも呼べる惨劇だが、実質の”日本沈没”はこの時に既に始まってたのかもしれない。
 ドラマ「日本沈没」は変異株ウィルスで幕を濁したが、本当の日本沈没はナパームによってもたらされたのかもしれない。

 もう一つの出来損ないドラマ「真犯人フラグ」は、今の迷走する日本列島の悲惨な未来を暗示してる様にも思える。
 しかし、あと2話が残されてはいる。一発逆転とは言わないが、スタッフやキャストの苦悩に応えるような幕切れにしてほしいもんだ。



2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (エリコ)
2021-12-14 09:54:51
こんにちは。
日本沈没は2回目で挫折しました苦笑。

真犯人フラグなんですが、編物をしながら…とかなので真剣には見ていないんですが、先週までマホ役が宮沢りえと気づきませんでした(*_*)
宮沢りえと知ってびっくり(キャストに名前があがっているのを見てググました)。まさかの宮沢りえでした。
女優のオーラが無い。主婦役なのでオーラがあってはいけないのでしょうが…苦笑
年の割にはお綺麗なんでしょうが、残念な女優さんになってしまったような気がします(先週は裏番組ドラマにも出ていましたね)
今季のドラマ、最初は良かったのに段々とつまらなくなるもの(=もう結末まで見なくてもいいもの)が多かったですね。挫折したドラマ多数です苦笑。
返信する
エリコさんへ (象が転んだ)
2021-12-14 11:11:22
「日本沈没」は僅か2回で撃沈ですか・・・
手厳しい〜ですが、私も薄々はそう思ってました。
「真犯人フラグ」も最初は(宮沢りえも出てて)期待したんですが、今の日本の国力のなさを具現してますよね。

私の純愛小説「ロシアンパブと思いきや」でもドラマ化してほしんもんですな(苦笑)
返信する

コメントを投稿