あるフォロワーの記事で、”新幹線殺傷事件”の事が書かれてた。
私は、この系の記事はあまり興味がないし、殆ど無知に近い。ブログを読んで初めて、こういう内容だったのかと思い知った程だ。
悲しいかな、ニュースの側端だけを見て、”脳と精神が病んだ青年の犯行だろう。死刑になろうが、無期懲役になろうが、どうでもいいや”っていい加減なスタンスだった。
このニュースも来年になれば誰もが忘れるだろうし、同じ様な惨劇が起きた時に蒸し返されるだけだろうか。人間も現実も、そういう意味では非常に冷たく出来てはいる。
きっかけは中2の時
”私が子供を捨てた理由”では、この事件について非常に詳しく突っ込んで書かれてるみたいですね。以下、一部抜粋です。
犯行に及んだ青年は5歳の頃、アスペルガー症候群の疑いが指摘された。しかし、両親は”時間が立てば治るだろう”と放置した。
中2の時、一番危惧された精神障害が露呈する。深夜に両親の寝室を蹴破り、両親に包丁と金槌を投げつけてきた。幸い怪我人は出なかったが、父親は妻に”警察を呼べ”と叫んだ。
駆けつけた警察官には、”新品の水筒を貰ったお姉ちゃんとの格差に腹が立った”と漏らした。
この事件は、父子関係に決定的な亀裂を生んだ。息子は不登校になり、母が勤めてたNPOの施設に預ける事になる。
”手のかからない子でした。定時制高校に入学した時は成績はオール5で、4年を3年で卒業したくらい優秀。他の人とトラブルを起こした事もないのに、こんな事件を起こすなんて”と施設関係者は語る。
5年間に渡り、この施設で集団生活を送った。同じ様な境遇にある人に囲まれていたこの時ときこそが、彼が自らの“居場所”を実感できた”唯一の時間”だったのかもしれない。
2015年に職業訓練校を卒業した小島容疑者は、電気修理技師の資格を活かし、機械修理会社に就職し、施設を出て一人暮らしを始める。
”理解力が高く仕事は優秀で、人間関係も特に問題はなかった。幾つも資格を持っており的確にこなしていた”と同僚は彼の印象を語ってる。
しかし翌年、小島は退社してしまう。愛媛工場に転属された時に、“お前には仕事を教えない”と、社内いじめがあったという。
すぐに引き籠り状態になり、”親に殺されるから”と、家出を繰り返す様になる。
2017年2月には、地元の専門病院に2カ月あまり入院し、ここで”自閉症”と診断。しかし退院後、彼の運命は更に流転する。当時、彼が身を寄せてた母方の祖母と養子縁組をする事になったのだ。
母親は、”大好きなオバちゃんの家にいるのなら、名前を変えた方が都合いいんじゃない”と提案した。小島も祖母も同意し、養子縁組をした。
しかし、この頃から家に籠り、ネットやゲームに没頭する様になり、彼の態度は横柄になる。
ホームレスになりたい
一方で、「罪と罰」や「楢山節考」や「ローマ人の物語」などの愛読者でもあった。事実、自作小説やメモを多数記している。
”人の世から住み難さを除いたのが詩であり画である。私の前途は死ぬか、宗教に入るか、気狂いになるしかない。詩人的な実在は罪である。罪とは絶望である。絶望とは分裂である”との哲学的な言葉も残してる。
人生においてやり残した事に対しては、”自殺”だとも書き記した。
小島は、社会復帰を目指し、昨年11月から障害者支援施設で働き始めたが、1カ月もしないうちに”ホームレスになりたいから辞めたい”と言い出した。
年末、小島は4度目の家出をした。
”自殺する”と言い、ロープを持って家を出て、寝袋で野宿しながら半年もの間、長野県内を転々とした。生活費は祖母から貰ったキャッシュカードで下ろした年金を使った。このお金でナイフも購入した。
そして6月9日、小島容疑者は凶行に走った。
事件後、世間の耳目を集めたのが実父S氏の存在だった。テレビや新聞の取材に応じたS氏は、時折薄ら笑いを浮かべ、”私は生物学上のお父さんという事でお願いしたい”と語った。
”一郎くん”との他人行儀の呼び方が大きな波紋を呼んだ。
しかし、父親のインタビューを聞く限り、私的には問題はない様にも思えた。しかしメディアは”施設に預け、息子を放任した”と騒ぐ。
”2年前ですかね。会社の給料で買った2万円の時計をしてて、「いいじゃん、立派になったな」って。あの頃が彼のピークだったんじゃないかな”と、父親は懐かしき頃を語る。
一方で母親は、”自殺する事はあっても、まさか他殺するなんて。一朗は小さい頃から発達障害があり、大変育てにくい子でしたが、私なりに愛情をかけて育ててきました”と振り返る。
自殺願望が、なぜ他殺願望に?
発達障害が直接事件と結びつくという単純な問題ではない。ではなぜ、自殺願望が他人に向かうのか?
”発達障害という病気はなくて、精神上におこる障害の総称です。日本ではアスペルガー症候群を指す場合が多い。
今では自閉症スペクトラム障害と呼ばれ、対人関係や社会性の障害で集団生活で溶け込めない事がしばし起こり、不登校や引き籠りになるケースが多い。また発達障害の子供が親からの放置や虐待に遭うケースも多い”と、「発達障害」の著書で昭和大学医学部の岩波明教授は説明する。
つまり、様々なマイナス要因や不幸の連鎖が重なり、最悪のケースに至る。
岩波氏は”彼の精神を荒廃させる様な環境が事件に繋がった可能性も”とも指摘する。
”今回の事件を見てると、必要な時期に適切な愛情を受け育たなかった事が決定的な事の様な気がします。犯人は、自分に不全感さを持ってて、それは親から見捨てられたという感情から来てるものです。
自殺も考えたのは衝動的な感情が内に向いていたという事。それが今回は逆に外に向かい暴発した。こうしたスイッチはわりと起こりやすい。今回の事件が発達障害の典型例かというと疑問だが、衝動的な行動パターンを選ぶというのは一つの特徴ではある”
凶行の最中、薄ら笑いを浮かべていたという小島容疑者。その胸に去来していた思いとは何だったのか?
以上、文春オンラインからでした。
愛情か?環境か?
偉大な数学者のリーマンも、典型のうつ病で常に悩んでいたという。しかし、手紙などの手記を見る限り、ごく普通の愛情豊かな情熱的な人物である。
彼の場合、様々な運命や人生の度重なる不都合を、学問という分野で全て発散できた。勿論、ガウスやディリクレといった偉大な数学者にも恵まれた。
ただ、前述の岩波教授が語る様に、親の愛情不足が自殺願望を他殺に向かわせたとは思いにくい。それが本当なら、野良猫という猫は全部、殺害マシーンとなる(笑)。
結論から言えば、小島容疑者には”居場所”が必要だった。絶対的な誰にも邪魔されない”居所”が必要だったのだ。しかし、NPOの施設を卒業した時点で、彼にとって最高の居場所を失った。そのままNPOの施設で仕事を続ければよかったと思う。
リーマンも小さい頃に母と死別し、すぐに祖母の家に引き取られた。しかし彼には”ゲッティンゲン”という絶対の居場所があった。この大学こそが彼を一生支え続けたのだ。
数学の巨人ガウスも超貧しい出ながら、ゲッティンゲン大学をお城の様に慕った。彼は生涯、ゲッティンゲンを一歩も離れる事はなかった。
NPO施設こそが、小島容疑者にとって最高の環境だったし、最高の愛情だったのだろうか。
愛情は親だけが人間だけが与えるものではない。土地も空気も愛情をたっぷりと含んでいるのだ。
母が子を思う気持ちは、何時の世もどの国も同じですね。
”息子はどうなんでしょうか?”
ボヤイは答えました。
”ヨーロッパ一の数学者になりますよ”
その言葉を聞いて母親は泣き崩れたといいます。
同じ様に、小島容疑者の母親も事件を聞いた時は泣き崩れたんでしょうか。
数学的に言えば、環境が必要条件で、愛情が十分条件てとこでしょうか。
愛情といっても限界がありますし、環境といっても限度がある。
それかといって人間は弱く脆い動物です。
生まれ持ったた才能が、実社会で活かせれば理想なんですが。大半は無駄に終わりますもんね。
こういった事件が起きる度に、憂鬱になります。
しかし、親の愛情があっても犯罪を犯すことがあることは確かですね。私の知り合いの息子さんも一人子で愛情は満たされているはずなのに、放火したりしたようです。自閉症というかアスペルガーと診断されたらしいのですが、このお母さんはこの息子さんのことを悩んでクリスチャンになりました。大学も卒業して一応就職もしたようですが、何を始めるかわからないから、お母さんの心配は尽きません。でも、ひょっとすると、何か天才的な才能を秘めているかも?
でも昭和大学の岩波教授は何を勉強してんですかね。ヤッパリ医者は病気を直せない?
私も居場所を失いそうになった時は、頭がおかしくなりかけましたもの。
人間とは思った以上に脆く出来てんですね。
転んだサンのサイコパスブログでも書かれたじゃないですか。
著者のファロンはサイコパスの遺伝を持ってるけど、環境が良かったんで犯罪には繋がらなかったって。
この事件で実証された様な気がします。
流石だけど
居場所を失った人間は
か弱く哀れだね