象が転んだ

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アメリカが燃え尽きる?〜真夜中の訪問者”その71”

2021年06月10日 04時08分53秒 | 真夜中の訪問者

 前回(その70)のエロい夢の後は、奇怪な夢だった。
 超大国アメリカが延々と燃えていたのだ。
 しかし、あの大きなアメリカ合衆国がゴミ屑みたいに燃える筈がない。

 どんな感じで燃えてたかと言えば、全世界から電磁波攻撃らしきものを受け、アメリカが少しずつ小さく縮んでいくのだ。
 最後にはとうとう、田舎の図書館ほどの大きさにまで縮小したアメリカ合衆国(いや、アメリカ合衆国政府といった方がいいのかも知れない)に、誰かが火炎瓶らしきものを投げ込んだ。

 近くにいた私は、全く信じられない光景を只々眺めていた。
 つい先程までは、少数のアメリカ軍兵士が必死に抵抗していた気がする。しかし今は誰も、アメリカに点火した轟々と燃え盛る炎を消そうとはしない。
 ”誰か火を消してぇ〜”
 と、ある女の叫び声がした。

 私は勇気を持って、燃え盛る”アメリカ”の中に飛び込んだ。
 しかし、中には何もなかった。作業デスクやパソコンの残骸があるだけだった。
 これがアメリカの全てなのか?
 アメリカは消え去ったのか?どこへ逃げ込んだのか?
 アメリカの外へ出ると火は消えていた。
 アメリカだけが丸焦げになり、周りは真新しい建物で埋め尽くされていた。

 叫んだ女は、新しい建物の住人だった。
 確かに、アメリカは燃え尽きて消滅した。
 しかし、新しいアメリカが燃え尽きたアメリカを取り囲むように繁殖していたのだ。

 夢の中とはいえ、奇怪な夢だった。
 結局、古いアメリカは死滅し、新たなアメリカが誕生する。今はその時期かもしれない。


60年以上も燃え続けるアメリカ?

 1962年のメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)直前、炭鉱の跡地にあったペンシルバニア州セントラリアのゴミ集積所で火の手が上がり、むき出しになっていた炭層に引火。
 炎は地下の炭鉱まで広がり、周囲の住宅地を脅かした。消火活動を始めたものの、もはや手遅れで火勢は収まらない。1960年代後半までには有毒ガスが住宅に侵入し始め、生活が困難になる事態に発展した。
 1983年、連邦議会は約38億円の予算を使い、2600人の近い人口を持つセントラリアの町を丸ごと移転させた。
 ペンシルバニア州廃坑事務局のアルテアーズ氏によると、セントラリアの坑内火災は、発生から50年後の今も依然として燃え続け、延焼範囲は約160ha(東京ドーム34個分)に及ぶ。今ではセントラリアの境界を超え、場所によっては地下100mほどに達していると。
 ”火災の行く末は予測不可能だ。今後数百年は燃え続けるだろう”

 ペンシルバニア州だけでも、今も燃え続けている坑内火災がセントラリアを含め38カ所ある。ペンシルバニア州ウィルクスバリ近郊のローレルラン坑内火災は1915年の発生で、セントラリアのおよそ2倍の年月が経過している。米内務省の地表鉱山局によると、14の州の200カ所以上で地下や地表の石炭鉱山で火がくすぶっているという。
 ”地下で燃え続ける火は手に負えない。セントラリアのように放置される運命にある”とアルテアーズ氏は話す。”何をやっても無駄だ。結局は自然に任せるほかない”

 こうした坑内火災はアメリカだけではなく、中国やインドでも発生し、地球を二酸化炭素で汚染する主要な原因の一つとなっている。
 因みに、中国で発生してる坑内火災だけでも、石炭の年間生産量の約20%にあたる年間1億~2億トンもの石炭が燃えている。中国の坑内火災によるCO2排出量は11億トンともいわれ、アメリカ全体の自動車によるCO2排出量を上回る。
 以上、ナショジオから一部抜粋でした。


最後に

 夢の中に登場したアメリカは、まるで延々と燃え続けるセントラリアの坑内火災みたいだった。
 映画「サイレントヒル」のモデルにもなったセントラリアの火災は、村上春樹さんの本で知ってはいた。
 だから、アメリカが燃える夢を見た時、この小さな町の事をすぐに思い出した。

 セントラリアは巨大な無煙炭の埋蔵地にまたがり、かつては炭鉱の町として栄えた。ペンシルベニア州北東部はアメリカで唯一の無煙炭の産出地で、産業革命を大きく下支えする。
 20世紀に入ると、“硬い”石炭とも呼ぶ良質の燃料として家庭暖房に利用された。しかし、石炭火力発電や製鉄所で重宝される“軟らかい”歴青炭と異なり、無煙炭は1950年代までに廃れてしまう。
 その上、殆どが石油暖房に切り替わり、炭鉱は閉鎖され、放棄された炭鉱で火災が発生した。かつては2600人を誇った人口も今では10人ほどしかいない。殆どの住民は近郊の街に移り住んだ。

 近い将来、この地に残された住民も移転を余儀なくされるだろう。そして、セントラリアの町は住民の生活を支え続けてきた石炭と共に焼滅する。
 同じ様に、アメリカは世界一の超大国として延々と燃え盛り、そして世界初の実験的国家として、最後には燃え尽きる。

 夢には潜在的な意識や知識がランダムに融合し、組み合わさり、奇怪な物語を提供する。
 50年以上経っても、未だ燻り続けるセントラリアの坑内火災の様に、延々と奇怪な夢が私の脳内で燻り続けるのだろうか?



2 コメント

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Unknown (kaminaribiko2)
2021-06-11 11:35:11
そんな事故のあったことを全く知りませんでした。炭坑の石炭が燃えるということは供給源の石炭が無くなるまで燃え続けるということなのですね。もったいないというか、恐ろしいというか。
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ビコさんへ (象が転んだ)
2021-06-11 11:58:18
全く恐ろしい話です。
地球温暖化より食糧危機より、こっちの方がずっと恐ろしいですね。
私達が知ってる”柔らかい石炭”はゆっくりと燃え広がるんですね。だから、気がついた時は広く深い範囲に燃え広がってる。
消火するには莫大なコストも掛かるし、効果的な消化法も確立されていない。
つまり、アメリカも中国も燃え尽きるまで燃え尽くすんですかね・・・合掌
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