象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

法要はペテンか?それともおママごとか?〜前半戦

2021年12月08日 04時59分01秒 | 独り言&愚痴

 最後で最大の関門である”49日法要”やっと終わった。 
 大方の予想通りにイチャモンがついた。腐ったミカンは、やはり腐ったミカンだったのだ。
 勿論、こうなるのは目に見えてはいた。

 結構な額の現金を当てつけの様に(あたかも得意げに)包んでくる叔母連中の態度が、私には最初から気に食わなかった。
 私が子供の頃から、(近くに住む)お袋の二人の妹はとても厄介な存在だった。特に、下の方は何度怒鳴りつけても、ソンビみたいに抵抗してくる。
 叔母とはいっても、所詮は女だから贈ったり贈られたりする行為を好む事は理解できなくはない。
 しかし、エロ爺の風俗通いが度を過ぎるとトラブルに発展する様に、香典という名の贈り物行為も度が過ぎると、やはりひと悶着が起きる。


嫌な予感

 49日法要を行うにあたり、敢えてこの叔母二人には伝えなかった。自分とお坊さんの二人だけで超質素に行うつもりだった。
 というのも、再び(49日の)香典を包んでくると思ったからだ。とにかく度重なる(私を大きく悩ます)”クレイジーな香典攻め”を、ここで何とか食い止めねばならない。

 しかし、49日法要の3日前に叔母さんの1人から電話が鳴る。
 嫌な予感がした。これを虫の知らせというのだろう。
 私は敢えて、白々しい挨拶をした。
 ”ああ、葬儀の時はご迷惑とお世話掛けました。で、何の用ですか?”
 叔母は、それを見透かしていた。 
 ”49日法要は12月3日でしたよね。息子が車で送ると言うので、もう1人の叔母を連れて来ようと思います”
 私は鈍器で殴られた様な気がした。
 ”ああ、別に構いませんよ。ただ、お坊さんと二人だけで質素に行うつもりでしたから、何も用意できませんが、それでもいいでしょうか?” 
 叔母は想定内という様な物言いをする。
 ”ああ、判ってます。何も用意しなくてもいいよ。で、何時にお坊さんは来られるの?”
 ”昼の1時です。もし、遅れそうだったら電話下さい。お坊さんが来る時間を調整しますから。とにかく慌てずに絶対に事故らずに来て下さい。
 それと、少しでも具合が悪かったらキャンセルしても構わんです。法要に来る途中や法要中に倒れ込まれたら、洒落にならんですから”

 叔母さんは少し笑っていた。
 ”大丈夫よ、心配せんでいい。お通夜の時は〇〇さんが倒れて迷惑掛けたけど、今は元気そうだから・・・全然心配せんでエエよ”
 私はクギを刺した。
 ”いや心配するしないではなく、ああいう事があって仮に最悪の事態になったら、私は責任の取りようがない。だから、叔母さんも細心の注意を払って下さい。もう1人の叔母さんも具合が少しでも悪いようでしたら、無理に連れてこなくてもいいです”
 叔母は、少し大人しくなった。
 ”色々と気遣わせて悪いね。では、よろしくお願いします”

  
シーソーゲーム

 こうした会話になるのも、ある程度は想定できていた。
 とにかく、この叔母さん連中の(特に)葬儀に対する執着は半端じゃない。
 特に親族の不幸に出会うと、(普段はほぼ壊死状態なのに)ゾンビみたいに復活し、やけにテンションが高くなる。
 まるで、葬儀や法事を唯一の生き甲斐にしてるかのような(悪く言えば)”狂婆”でもある。

 私は嫌な予感を感じながら、来客分のお弁当(パック寿司)の予約をした。
 そしてその日の夕方、同じ叔母から再び電話が鳴った。これまた少し嫌な予感がした。
 ”息子が急に来れなくなったので、代りに息子の奥さんの車で来ます。それとこっちでお寿司を持ってくるから、何にも用意せんでエエよ”
 私は少し気落ちした。 
 ”アララ、私も今さっき弁当の予約をしたんだけど、だったら昼に叔母さんが用意したお弁当を頂いて、私が用意した弁当は持ち帰り用という事で・・・”
 ”あらそう。だったらよろしくお願いします”

 主導権を握りかえした叔母は満足そうだった。
 しかし、私は肝心の事を忘れていた。
 ”ああ、一つ言い忘れてたけど。絶対に香典は包まんで下さいね。葬儀の時の香典返しを包んで用意してるから、また包まれるとの二度手間になり、私が大きく迷惑します。それでも包むというのなら、家の敷居は跨がせませんよ”
 叔母は少し困惑したようだった。
 ”あああ、わかった。色々と気遣わせて悪かったね”
 ”ああそれと、私服でいいから寒くない様にようにお願いします”

 香典の事をすっかり忘れていたが、最後の最後でクギを刺す事が出来て内心ホッとする。

 法要の前日の夜、私はこの二人の叔母との(親族)関係を完全に終わらせる為に、香典返しを現金で返す(ダブー?とも言える)プランを用意していた。
 つまり、入院見舞金と御仏前と(戻り)初7日の合計額から初7日の1万円だけを香典の上限として、残りは現金で返すというものだ。
 その香典返しも商品券とギフトセットの詰合せと、満額返還に近い形にした。  
 ここまでやれば、私が叔母さん連中を如何に迷惑に思ってるかを理解するだろう。勿論、叔母達は怒りまくる筈だ。しかし、そうでもしないと”香典返し”という名の悪夢は永遠に続く。

 ”御⾒舞と御仏前は現⾦でのお返しとし、初七⽇だけを御⾹典として頂きますので、どうかご⾃愛下さい”とのメッセージを添えて、準備は万端である。


不思議な予感

 しかし、香典返しを包んでる間に少し嫌な予感がした。
 ”あの叔母たちは多分、(約束を破り)法要の御仏前を包んでくるだろうか?”
 もしその時は、この二人の凶婆を家から追い返す事も考えた。しかし、そこまではしないだろうとの楽観もあったが、嫌な予感というのは大体において的中するものだ。

 いよいよ、49日法要の当日になった。
 少し雨が降ってたが、すぐに晴れ間が覗き、暖かくなる。電話してた叔母は”寒い寒い”と嘆いていたが、その不安を払拭する様ないい天気だ。
 私も、今日さえ無事に終われば”母方の親族との縁が切れる”と思うと、清々しい気分に浸っていた。
 久しぶりに機嫌のいい私は、スーパーへ行き、予約してた弁当を少しだけ贅沢な海鮮丼に変更してもらい、準備万端で叔母たちを迎えた。

 10月中旬の葬儀以来、全く掃除してなかったので、掃除機を掛ける。
 その時、叔母とその息子の嫁さんが、白いスポーツカー(ベンツ)に乗ってやって来た。奥さんの機嫌が悪いのは見え見えだった。
 私は叔母には軽く会釈をし、奥さんの方には丁寧に挨拶をして、二人を迎え入れた。
 ”あれ?もう1人の(脚の不自由な)叔母さんは?”
 ”一人で電車に乗ってくるって言ってた”

 私は意外に思った。
 叔母が自宅に来る時は、電車で来ようが息子夫婦の車で来ようが、途中で(脚の不自由な)叔母と一緒に来るのが通例だった。
 というのも、叔母の自宅から近くの電車駅まで約500mの距離を歩く必要があるが、その距離を独力で歩けるとは思えない。

 心配した通り、その叔母はやって来ない。
 一言言ってくれればすぐに迎えに行けるのに、その電話すらない。
 心配になり、叔母に尋ねると
 ”花屋に寄ってお花を買ってくると言ってたから、少し遅れるのかもね”
 全く、ここに来て余計な事をする狂った婆さんではある。
 私は嫌な予感というよりも、変な予感がした。

 叔母と(その息子の)奥さんは台所でバタバタしていた。
 私は奥さんに言った。
 ”何もしないでいいですよ。お茶パックを水筒に入れて・・・それに紙コップも用意してますから”
 それでも二人はせかせかと、わざわざ持参してきたお菓子と果物を添えて、法事の準備をしている。
 坊さんが来る前に昼食を取ろうと弁当を広げていた頃に、もう1人の(問題?の)叔母がやって来た。
 叔母は意外にも元気そうだった。
 ”お花屋さんで長話をしてて、電車に乗り遅れた”
 明らかにウソである。流石に、500mの距離を不自由な脚で歩くのはキツかったのだろう。
 ”電話すれば、すぐに迎えに来たのに”
 ”いやね、娘は仕事で来られんと言ってたから、独りで来た。でも今はリハビリやってるから大丈夫よ・・・”


 長くなったので、前半戦はここまでです。
 本当はこういった事は外部には漏らしたくはないんですが、腐った膿はさらけ出す事で浄化作用を促がす役目もあるので、敢えて記事にしました。
 ま、何処にでもあるユニークで奇想天外な親戚騒動と思って眺めて下さいな。



10 コメント

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tomasさん (象が転んだ)
2021-12-13 05:33:53
この記事を書くにあたり
少し勇気が要りましたが、書いててよかったと思います。
自分の気持ちを堂々と主張する事は、長い目で見ればとても有効に働くと思うんですね。
しかし日本人は主張する事は失礼だとの習性があるから、後になってトラブルんですよ。
全てをそのまま書く訳にもいかないので少し短編風にしましたが、楽しんでいただけたでしょうか。
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狂ったフェチシズム (tomas)
2021-12-13 04:13:04
まさしくその通りなんですよ
商品券から現金返しなんてごく普通の流れなんです。
気持ちだからとかお世話になってるからって
よく考えるとわざとらしく、ものすごく嫌味に聞こえますもん。
日本の政治に賄賂や忖度や改ざんが亡くならないのも肯けますよね。
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paulさん (象が転んだ)
2021-12-11 21:17:41
今や香典返しといっても
商品券一択だし、そんなんなら現金が一番だと思うけれど・・・
商品券ですら最初はタブーとされてました。何故今になって現金返しがアカンのかなって、古臭い思考にはついていけない所もあります。
言われる通り、香典も法事もCO2と同じで明らかに無駄ですよね。
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背負いすぎた荷物 (paulkuroneko)
2021-12-11 15:03:00
新型コロナによって
こうした法事のような大勢が集まる機会が今後大きく激減することは明らかですね。
お陰で葬儀屋や坊さんの仕事が激減することも考えられます。
しかしよく考えると、今回の新型コロナはいろんな余分な贅肉を一気に削ぎ落としてくれたような気もします。

日本は高度成長の過程で様々な慣習を背負いすぎた感があります。それが今に来てバブルが崩壊し、重い荷物を降ろすときに来ています。
香典も法事(法要)も今の日本人には明らかに重荷ですよね。
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tokoさん (象が転んだ)
2021-12-09 01:32:43
香典も一種の宗教的な儀式だから、度を超すと如何わしくはなりますね。
香典フェチとは言い得て妙ですが、気持ちというより狂ったフェチシズムなんです。
49日法要が終わり、ここ4、5日間は具合が悪いんですよね。まるで叔母の呪いのようで・・・
tokoさんも香典フェチには気をつけましょうね。
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法事フェチと香典フェチ (tokotokoto)
2021-12-09 00:27:56
こういうのっているよね
新興宗教もタチ悪いけど
香典フェチも一見まともなようで逝かれてる。
気持ちっていうけどその気持ちの表現の仕方が大切なのに・・・
古い慣習ほど腐りやすいと言うけど
皇室フェチと同じで一度腐ったら抜け出せないんだろうね。
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そらママさん (象が転んだ)
2021-12-08 16:12:50
全く同感です。
それが普通ですよね。香典も度が過ぎると賄賂に思える。
しかし、母方の親族は”世話になったから”とか”気持ちだから”と、多く包む事が当然の様に思ってる。それで、こちらが返し過ぎると”気持ちを裏切られた”と怒りまくる。
包む方が気持ちなら、返す方も気持ちなのに・・・もう自分の利害と気持だけしか頭にない。

それに比べると、父方の親族の方は多く返そうが香典を断ろうが、何ら問題はないんですがね。
香典もCO2や皇室と同じで、国家の削減目標の1つに掲げた方がいいですね。
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Unknown (そらママ)
2021-12-08 11:51:27
こんにちは、
私の地方では、香典は少なく包むという風習があります、
大金を包むと亡くなったことが嬉しいとか、めでたいとか思われるのが嫌だからです。
まぁ~難儀な叔母様達この後の展開が楽しみです。
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ビコさん (象が転んだ)
2021-12-08 09:35:02
まるで呪われた女系というか、家系というか。子供の私がビビる程の貧乏だったんですよね。
前半は穏やかですが、後半は少しドロドロになります。
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Unknown (びこ)
2021-12-08 06:47:06
お母様は女系家族だったんですね。
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