日本はよく”おとぎの国”と言われる。勿論、外れてはいない。未だに平和やグルメに群がる子供たちと同じからであろうか。それでも日本人はお利口さんだから、可愛気もある。
しかし、アメリカという巨大帝国が”おとぎの大国”だとしたら?未だに戦争と富に群がる白人たちと言ったら、これまた褒め過ぎか。
「11の国のアメリカ」(全3話)で書いた様に、”分断するアメリカ”として見たアメリカは、非常に奇怪に奇妙に複雑に思えた。
そして今回、”ファンタジーな歴史”を持つアメリカとして見つめると、これまた違った側面が見えてくる。
そう、私達が思うアメリカは幻想(ファンタジー)であって、本当のアメリカではない。
この夢想家連中が作り上げた新大陸という名の”化け物”の真相とは?
そこで今日は、この「ファンタジーランド」についての紹介です。
世界ナンバーワンの超大国の米国で、なぜトランプ大統領が誕生したのか?
本書は、新世界を信じた夢想家たちとその末裔が創り上げた米国という「ファンタジーランド(おとぎの国)」の今日に至る500年の長い道のりを、他に類を見ない説得力をもって論じた、全米話題のベストセラーである。
本書で示されている米国の実態は衝撃的だ。例えば、米国人の3分の2が”天使や悪魔がこの世界で暗躍している”と信じ、半数以上が”人格を持った神が天国を支配してる”と信じている。
それ以外に、”地球温暖化はでっち上げられた嘘だ”や”宇宙人は地球を訪れている”と信じる者が米国人の1/3もいる。
”政府は国民に対してマインドコントロールの電波を送っている”とか”9−11は米当局が関与してる”と信じる者が1/5もいる。でも半分は当たってそうなですが。
おとぎの超大国のアメリカ
なぜ、こんな事になったのか?それは彼らが米国人だからだ。では、なぜ米国人は今の米国人になったのか?
その答えを米国建国よりはるか以前の500年前の、プロテスタント誕生にまで溯り説明したのが本書である。
米国人は、自分が望む事ならどんな事でも信じる。自分の信念は、他の人の信念以上の価値があり、専門家にとやかく言われる筋合いはないと考える。
”あなたはなぜ、それが正しいと信じるのか?”と聞かれれば、”私がそう信じるからだ”と答える。
一旦、このアプローチを身につけてしまえば、もはや物事の事実関係や因果関係は意味をなさなくなる。まさにこれこそが、トランプ大統領の思考方法そのものなのだ。
強烈な個人主義と極端な宗教(プロテスタント主義)と啓蒙主義的な知的自由が数世紀間混ざり合い、更にそれをショービジネスの舞台に乗せ、1960年代の経済的繁栄と90年代以降のインターネットの時代を潜らせてきた。
これが現在に至る米国の歴史であり、そこには現実と幻想が危険なほど曖昧なまま混在する。
歴史を遡ると、古代ギリシャ(紀元前5〜4世紀)には、アイスキュロス、ユークリッド、ソクラテス、アリストテレスなど文学や科学の分野であらゆる天才が登場した。しかし、この輝かしい時代は200年ともたず、結局それ以前の様な、占星術や魔術や錬金術の時代に戻ってしまう。
それは、人々が”自由の恐ろしさ”に気付いたからに他ならない。自分の人生や運命は神によって決められてるではなく、本当は”自分は一人”だという考えに恐れをなしたのだ。
つまり彼らにとって、神なんか最初から実在しないし、信じる者にしか存在しない。
そして歴史は繰り返し、米国もまた別の意味で200年続いた古典時代から暗黒時代に舞い戻ろうとしている。
本書を、欧州の精神的な行き詰まりを描いた「西洋の自死」と比較すると、今日の西欧社会が直面する深刻な問題が浮き彫りになる。”西洋の自死”(要クリック)も参照です。
狂信的なグループのアメリカ
「ファンタジーランド(上)〜狂気と幻想のアメリカ500年史」を書いたカート•アンダーセンによれば、アメリカはその建国の当初から、かなり”変わって”はいたのだ。
つまり、”アメリカは狂信的な宗教グループによって始められた国”なのだ。
まず旧教(カトリック)に対し、新教(プロテスタント)があり、その新教の中でもより急進的な人たちがいて、その急進的の中にも狂信的な人たちがいて、それが新大陸に移りアメリカ人の元になった。
以下、”ファンタジーランドを読む(前編)”から抜粋&編集です。
つまり、旧大陸(ヨーロッパ)は古く旧態依然としており、新大陸アメリカは新しく危なっかしいという事だ。
アメリカ人は自身を特殊な国と見ている。アメリカでは未だに”進化論”を認めない人たちが沢山いる。”人間はサルの仲間のうち変わった連中が進化し、今の形になった”という21世紀の言説を認めない。
つまり、人類は聖書に書いてある様に、”全能の存在”がいきなり創り出したという話をアメリカ人は信じている。
”進化論を教えるな!全能存在による創造論を教えろ!”というのが彼らの主張である。彼らも進化論の蓋然性は知っている。それでも認めようとしない。
アメリカ人は科学や客観的事実より、”自分の感覚”を大事にする。
”人間は進化して出現したのか?突然に出現したのか?そんな事は今の生活に関係ない。だったら、信じたい方を信じたらいい。俺は神を信じる”という考えだ。
”皆で共通の知識を持とうとしてる様だが、そんな事に意味があるのか?俺には意味がないし、好きにさせてくれ!”という論理だ。
つまり、”アメリカ人の根本”はこの辺りにある。
フェイクの何処が悪い?
進化論問題は言い方を変えれば、”フェイク(虚構)を信じてどこが悪い?”という事になる。かつては、”悪いだろう”と即答できたが、無能で老いぼれのトランプがアメリカ大統領を何とか務めてる今となっては、即答できなくなってしまった。
トランプは、ニュースの真偽の区別を曖昧にし続けている。その手法で自分の意志を通してしまう。これはこれでアリなのだと思ったら最後、元に戻れなくなってしまう。
今のアメリカは、理想と自由と正義を追う国という大切な部分を捨て、”信じたいものを信じればいい”という曖昧で腐敗した「ファンタジーランド(おとぎの大国)」になりつつある。
しかしこれは、トランプが始めた事でなく、1620年にメイフラワー号がやってきた時に既に始まった事だった。
なぜ、アメリカはなぜ独善的で狂信的なのか?著者によれば、それは建国以来ずっとそうだったからなのだ。そういう風に生きたい人たちによってこの国は作られたからだ。
”黄金が沢山出るアジアへ抜けられる海路がある。だから新大陸へ行って金儲けをしよう”というフェイクニュースから始まった。
つまり、山師がどんどん新大陸に上陸していった。山師は冒険家、探検家とも呼ばれるが、要は一攫千金を狙う泥棒だ。
大英帝国を始めとした旧大陸から、大勢の人が”黄金”を求め上陸した。でっちあげ(フェイク)だったので、どんだけ探しても金も銀もトルコ石すら全く出てこない。
つまりアメリカは、実はこの”フェイク”に浮かれた連中によって始まったのだ。
常軌を逸したカルト集団のアメリカ
この後1620年のメイフラワー号に乗ってやってきたピルグリム•ファーザーズこそが、”常軌を逸したカルト教団”の人たちだった。
そしてアメリカの歴史は、この1620年のメイフラワー物語から語られる事が多い。
1590年代から1600年代にかけての”架空のゴールドラッシュや架空のアジア航路の探索”にはあまり触れられてない。
つまりアメリカ人にとって、自分たちの先祖として認められるのは、メイフラワー号のピューリタンだけなのだ。
元々ピューリタン(清教徒)という呼び名は、”ばか正直”という揶揄するニュアンスが含まれてた。故に、彼らはメイフラワー号に乗ってきた人たちをピューリタン(=馬鹿)とは呼ばず、ピルグリム•ファーザーズと呼びたがる。
このメイフラワー号でやってきた人たちが目指したのは”神政国家”だった。神の意志により政治を決めていく社会である。
マサチューセッツ湾周辺に、10年あまりで1000人以上のピューリタンが上陸し、彼らは”神の国”の建設をめざし入植していく。
”アメリカが常軌を逸したカルト教団によって建設された”というのがこれで理解できる。故に、”神の言葉”によって生きようとする人たちは、部外者からみれば”常軌を逸したカルト教団”と言うしかない。
つまりアメリカ人たちは、自分たちの始まりを”フェイクニュース”で上陸し、何も見つけられなかった人たちではなく、”狂信的なカルト教団”にする事を選んだ。
この時点で、客観的に正しい歴史的事実ではなく、”自分たちが信じたい事実”の方を選んだのだ。その後はずっとこの繰り返しなのだ。
勿論、今のアメリカ人全てにカルト教団の宗教精神が継がれている訳でもない。しかしその根本精神は未だに残っている。
”独善的で自分の信じたい様に信じる”。これが宗教方向に出ればカルト教団、政治方面に出ればドナルド•トランプとなる。
プロテスタントは、元々カトリックの信仰が神の意志に沿っていないという判断で始められた。そのプロテスタントの国のイングランドにても、その信仰では物足りないと思った人たちがアメリカへ渡った。
そして、アメリカでの”神政国家”をめざした者が、”それでもまだ物足りない”という人たちだ。つまりアメリカは、永遠にそういうサイクルを繰り返していく。
以上、gendai is media からでした。
最後に
分断するアメリカと狂信的なカルト集団としてのアメリカ。ひらすら自分に都合のいいフェイク(神)を信じ、そしてフェイク(神)を作り上げてきた”おとぎの大国”のアメリカ。
日本では絶対的な存在である神様も、アメリカでは単に都合のいい存在に過ぎない。
その常軌を逸したカルト集団が、互いの利害の為に”狂ったアメリカ”となったら、それこそ分断するファンタジーランドという事になるのか。
ファンタジーランドからクレイジーランドへ、トランプのフェイクなお叫びを見てると、クレイジーの方がお似合いの様な気もする。
長くなったので、前編を終えた所で今日は終わりです。
イランでのウクライナ旅客機墜落は、イランの地対空ミサイル(トールM1)によって撃墜されたとされます。
最大高度6千mで射程は12キロ。標的を攻撃するにはトールを操作する兵士がレーダーで標的を特定し、ミサイルの発射を指示する必要があリます。
もし、このミサイルを発射した者がアメリカ寄りの人間だったら、これこそがアメリカのアメリカによる陰謀ですね。
勿論、当事者は証拠隠滅の為に米軍からすでに消されてるかもですが。
イランのロウハニ大統領は内心大喜びでしょう。何もせずに国内の危険分子を一斉に排除できるんですから。今のままでいくとNo.1のハメイネも排除できます。
アメリカにとってもハメイネにとっても目の上のタンコブだったソレイマニとハメイネが揃って排除できたんですから、転んだサンの洞察通りアメリカの策謀かもしれません。
9-11の時もホワイトハウスの策謀論も全くなかった訳ではないですが、国際世論はアメリカになびいてましたから。今の状況と本当によく似てます。
ウクライナ疑惑ではなくウクライナ機疑惑ですね(^^♪