Wi-Fiを解約してよかった？〜捨てる生き方と｢捨てない生き方｣

　Wi-Fiを解約して4ヶ月が経った。
　正直､少しは不自由するかなと思いきや､予想に反して殆ど不便する事はない。
　毎月4500円程のWi-Fi費(Sonet3年ギガ放題)がゼロになったのだから､これほどのコスト削減もない。
　それに､スマホだけで(PCはなくても)日常生活では不自由しない事も判った。お陰で必然的に生活がシンプルになる。
　どうしても趣味でPCを使うと､ゲームやサイト巡りが煩雑になり､自分の時間を取られてしまう。スマホだけなら､巡れるサイトもゲームやアプリも限られるから､その分趣味も減るが､シンプルな生活もアリかなとも思う。
　質素とは食生活だけでなく､ネットでも通用する言葉だと思う。

ネットもパソコンもいらない？

　ネット上の動画やYouTubeをTVで見る事もないので､動画視聴の時間も大幅に減った。PCで無料の映画を見てた頃は､休日の大半を費やしてたもんだ。
　お陰で今は､1GBプラン(1298円)と”パケ放題Plus”(385円)の計1683円で1.5Mbps(実際は2.5Gbps程)の速度が保証される。
　その上、mineoでは”マイそく”Sプラン(1.5Mbps)が月額990円で新たに提供される様になったので､今は検討中である。
　但し､月曜~金曜の12~13時は32kbpsとなり､電話やメール以外は実質上使えない事と､プラン変更前月末にパケ放題が強制解約となり､28日～末日までは最高で200kbps(mineoスイッチ利用時)となる事が大きなネックとなる。という事で､今は必死にパケットを溜め込んでる所である。

　SNSもTwitterもインスタもLINEもしないし､3年以上続いてるブログとても殆どが書く専門で､他人の記事は数える程しか読まない。その上､”いいね”を外した事でずっと楽になった。
　ネット上には､玉石混合で様々な情報が無限に錯綜する。情報は見る時代から(多くを切り捨て)選ぶ時代になった。
　地球上に氾濫する情報も､実際に参考になるものは0.01％あるかないかだろう。SNSの99.99％は淘汰され破棄される訳だが､それら淘汰される情報に一々付き合うかは本人次第である。

　しかし､ネットをインターネットと呼び､有り難がってた頃は1つ1つの情報に一喜一憂したもんだ。それに､各々が繰り出す情報には個性があり､深みと濃度があった。
　今みたいにHPは豪華絢爛でもないし､見てくれもよくなかった。しかし､不特定多数の世界中に繁殖する知の躍動は､私の腐りかけた思考を奮い立たせてくれた。
　CPUが僅か90Mhzの時代でも､傑作と言われるゲームやソフトは数多く存在した。
　そういう私は､PCとネットで世界が変わると信じて疑わなかった。しかし､思った以上に世界はデジタルに寄り沿う形となったが､本質的な部分ではそこまでの変異はなかった(と思う)。

最後に〜捨てない生き方

　進化とは､｢進化のダイナミクス｣にある様に変異と淘汰の組合せで起きるものだ。
　ただ頑張ったからとて､いや数字を結果を成功を収めたからとて､進化するほど生物の進化の仕組みは単純じゃない。切り捨てたら自らも変異する必要がある。
　Wi-Fiを切り捨て､PCを破棄した私はどう変異するのか？
　かつてはCGモデリングやゲームプログラムなど､PCと共に様々な事にチャレンジしてきた私だが､PCで世界が変わる筈もなく､自分が変わるべきだったが､(風俗やデリヘル遊びと同じく)大人のオモチャに弄ばれたに過ぎなかった。

　結局､PCは私に変異も淘汰ももたらしてはくれなかった。もたらしたのは､パソコンに向かう時間と労力の無駄であった。
　今に思えば､｢近世数学史談｣(高木貞治著)でも読んでゆっくりと暇を潰してた方が､進化という意味ではずっと有効に働いてたろう。
　そういう事もあってか､ネット巡りもネットコミュニティもアホ臭と思う自分がいる。
　事実SNSやネットでは､狂ったプーチンの暴走すら止める事は出来なかった。
　今の私に必要なのは､こうした世界中に漠然と曖昧に､かつ無作為に錯綜するネットではなく､思考の多様性と柔軟性である。

　しかし.ネットもSNSもパソコンもなくなる事はない。
　つまり､こうしたガラクタは孤独な我々を癒やす友となりうる時が必ず来る。
　五木寛之氏が語る様に､｢捨てない生き方｣もまた､豊かな人生なのである。