世界ランク1位(開幕時)のアイルランドを破り、スコットランドとの死闘を制し、初のベスト8に進出した日本に力は残っていなかった。
ジェイミー•ジョセフHCの言葉が全てを物語っていた。
”前半で力を消耗しすぎてしまった”
グループリーグは日程に恵まれ、スタミナが切れる事なく、最後まで戦えた。しかし、決勝トーナメントになると、全てのチームの条件が同じになる。レフェリーのジャッジも公平度が増す。
気温も涼しくなり、強豪国の運動量はグループリーグのそれとは比較にもならない。決勝トーナメント常連のチームは控えのメンバーを満遍なく使ってグループリーグを戦い、主力メンバーの体力と破壊力を温存する。
今日の試合も、前半は想定内の南アフリカだった。”ひょっとしたら勝てるかも”の相手だった。肝心な所ではミスが目立ち、ボール支配率も日本に大きく遅れを取った。
それでも彼らは日本の攻撃を効率よく潰してた。4年前の敗戦はこういう所に生かされていたのだ。
前半を3−5の2点ビハインドで終えた時は、後半勝負だと誰もが思った筈だ。勿論、私もそう思った。しかし、選手の疲労が限界に達してたのは、映像で見ても明らかだった。
ある選手は脚を引き攣らせ、ある選手は表情が強ばってた。殆どの選手の息が上がってたように思う。ハードワークの限界を見た瞬間だった。
南アフリカは、日本の器用で機敏な脚力と多彩な動きを研究していた。”OneTeam”と称されるチームワークを分断し、スクラムを支配する事で、日本の長所を尽く潰した。
戦争と同じで、資源のない国は補給を断てばそれで終わる。和を分断すれば、チームはバラバラになる。
それでも個の力が傑出してれば、挽回は可能だ。4年前も今年も、我らが日本はハードワークとチームワークが全てだった。
お陰で後半は、心配した通り以上になった。日本も必死に抗戦したが、既に弾薬が尽きてた。相手の驚異となるには勿論、程遠かった。
見てて少し悲しくなった。”OneTeam”のチームワークの限界をまざまざと見せつけられた感じがした。
後半はまるで大人と子供の戦いだった。大観衆の声援が虚しく響く。魂を抜かれたかの様な防戦一方の戦いに、解説者もゲストも言葉がない。
正直言うと、昨晩の試合をナマで見るつもりはなかった。急な用事が重なり、それを優先するつもりでいた。しかし、この試合がいい意味にても悪い意味にても、歴史的一戦になる様な予感がした。
急用を断り、祈る様な気持ちで試合を見た。しかし、試合前から日本の勝つイメージが浮かばないのだ。4年前は全くの奇跡だったが、再び同じ様な奇跡が起きる確率はゼロに近い。
死闘を演じたスコットランド戦も、条件が同じだったら負けててたろう事は、”日本は容赦なく見事だった”でも述べた。
だから余計に勝つシナリオが浮かばないのだ。奇跡が起きたとしても勝つ事は不可能だろうという、負けのイメージしか浮かばなかった。
勿論、予想は現実となったが。力関係からすれば明らかで、驚くべき事でもなかった。負けるべくして負けたと言ったら酷な言い方だが、今はそれを受け入れるしかない。
選手層を見ても明らかだが、世界ランク上位の強豪国(ティア1)は、ナショナルチームを2つ作れる程の層の厚さを誇る。
つまり、日本ラグビーを取り巻く環境は、今回残した”偉業”に比べれば、まだまだ脆弱なままなのだ。
でも、外国勢の比率が多いと揶揄される中で、これら現状勢力と限られた環境と物量の中で、これだけの成果を残した事は”世界の驚異”に値する。
今年、日本ラグビーはその存在を大きく世界にアピールした。しかし、そのアピールの裏付けを世界にはっきりと刻むという所までには達しなかった。
夢を有難う。そして、もう一度夢を。
日本ラグビーの更なる進化と充実を、4年後のフランスでは期待したい。頑張れニッポン!有難うNIPPON!
前半わざと日本にボールを持たせ、タックルで潰し、日本選手の消耗を促し戦術さえ潰しました。パワーだけでなく南アフリカの戦術は一級品です。
身体もデカく高い。ラインアウトは殆ど取らててました。
後半は一つギヤを上げ、完璧にゲームを支配しました。パワーこそが全てを支配するスポーツ、それこそがラグビーの本質だったんです。ノーサイドの精神が吹っ飛びそうな迫力でした。
昨今のメジャーなプロスポーツは、放映権目当てでかなり貧相に成り下がってます。腐敗してると言ってもいい程です。そんな中、救世主みたいに日本に上陸した世界のラグビー。発祥の地イギリスも改めて、ラグビーの魅力を再認識してる様です。
日本に世界のラグビーに感謝ですね。
スポーツの真のあるべき姿がそこにはありました。サッカーW杯ですら味わえない、凄みと壮絶と生の感動がそこにはありました。
ブログを超速攻で書いたんで何か物足りないと思ってましたが、私が書きたかったのはそこでした。
私はプロスポーツの大半は、”メジャー消滅”でも書いたんですが、放映権の崩壊と共に消滅すると思ってます。そして生き残るのはラグビーみたいなローカル色の強い、アスリートの原点を醸し出すスポーツだけだと思います。
アメリカの子どもたちは、野球の事を”動きが少なくてツマンナイ”と漏らします。実際私もそう思います。ダラダラと4時間も5時間も試合し、首には金ピカのアクセサリーを光らせ、殿様商売みたいな事をやってる。
今回ラグビーのW杯を見て、ハッキリとそれを確信しました。肉の塊同士がぶつかり合う闘牛を彷彿させるこのスポーツに、勝る世界の祭典は他にないと思います。
勿論、サッカーや野球みたいに幅広く蔓延するには色んな課題がありますが。私は大きな期待を抱いてます。これも別途ブログにしたくなりましたな。
ただ少し試合間が開くから、それだけ消耗が激しいスポーツなんだけど。せめて中5日くらいだと緊張感が切れなくていいかな。
でも南アフリカの選手が全てブルーザーブロディに見えた(@_@)
極論を言えば、プロスポーツはラグビーだけでいい。今や野球もサッカーもテニスもマラソンもいらない。ラグビーだけでいい。そう思わせた程の日本の頑張りだった。
日本ラグビーに感謝&乾杯ですね。
4年前とは違ったよ全然違ってた。
hitmanさんがブロディと言ってたけど、それよりもずっとデカイ。スコットランドもデカかったけどもっとデカかった。
こんな相手にどうやって勝てっていうの?
ベスト8ですら、奇跡中の奇跡だよ。
改めてラグビーというスポーツの恐ろしさを知ったよ。
世界の本気とは日本人が考える本気とは別モンなんです。
南アフリカには2Mを超える大男がゴロゴロいるんですよ。ラグビーが楽しくて仕方がないだろうね。
オールブラックスが小さく見えたもの。試合前から明らかだった。それに黒人ね。スポーツと言えばやはり黒人だ改めて感じたよ。
試合自体はPGで決まった感じで物足りなかったけど、NZは明らかに元気なかった。アイルランド戦で力を使い果たしたのかな?
hitmanさん言ってたけど、中7日は空き過ぎだね。
アメリカでワールドカップが開かれる頃は、オール黒人の時代だろうか。いや確実そうなるね。