アメリカがイランのソレイマニ司令官を殺害した事で、イランは報復を明言し、両国の対立は本格的な衝突も懸念される深刻な事態に陥った。
トランプ大統領は、イランが司令官殺害への報復に出れば直ちに”民間や文化施設も含め、イランの52か所を攻撃する”と表明した。一方、アメリカのメディアは今回の司令官殺害は政権内でも”極端な選択肢”と考えられ、議論が分かれていた事を伺わせている。
確かに、”極端な選択肢”で済めば問題はないんですが、これが”老いぼれの狂ったシナリオ”となると話は別だ。それとも追い詰められたアメリカの”血迷ったシナリオ”なのか?
このニュースを聞いた時、半分は予想内だったし、半分は意外だった。勿論戦争はいけないが、過去の歴史を見ても、アメリカがイランを攻撃する”理由”は1つも見当たらないし、一方イランがアメリカを攻撃する理由は腐る程ある。
ブッシュ親子がイラクとアフガンに2つの戦争を仕掛けたのは明らかな策略であったし、アメリカの経済と軍需産業を一時的に潤しただけであった。それに2つの”侵略”戦争も同盟国の資金という他人の懐で戦ったに過ぎない。
そこで今日は、”戦争はいけません”という視点ではなく、アメリカとイランの”狂った歴史”に焦点を当て、今回のシナリオを探っていきます。
因みに、今回のニュースに関しては、”平成エンタメ”さんや”面白く下らない”さんの記事でも、実にユニークに詳細に書かれてますので、よかったらクリックして参照願います。
何故、今のか?ソレイマニ殺害の真相と
”まず報復が予想される。攻撃と反撃の連鎖で、両国は直接対決に近づく可能性がある。イラクにおけるアメリカ政府の将来にも疑問符がつく。そして、中東におけるトランプ大統領の戦略は、もし戦略があるのなら、かつてないほど試される事になる”
オバマ前政権でホワイトハウスの中東ペルシャ湾政策を調整していたフィリップ•ゴードンは、今回のソレイマニ殺害はアメリカからイラクへの”宣戦布告”の様なものだと語る。
以下、”イランのソレイマニ殺害〜これからどうなる”から抜粋&編集です。
ソレイマニ率いる部隊は、革命防衛隊の海外作戦を担当し、レバノン、イラク、シリアと場所を問わず、攻撃を計画したり、現地の親イラン派を後押ししたりと、イランの影響力拡大を推進した。その中心に長年いた立役者こそが、イランのNo.2とされるソレイマニだった。
米政府からすれば、ソレイマニは大勢のアメリカ人を死なせてきた血染めの張本人だが、しかしイランでは人気があった。そして実務の上は、アメリカによる制裁や圧力に対抗するイランの反撃を主導してきた存在だ。
それだけに、トランプ大統領がソレイマニ司令官を攻撃の視野に入れていた事より、”今”というタイミングを選んだ事が何より予想外だ。
確かに、このところイラク国内の米軍基地に対して相次いだ低強度の高性能型ドローン砲撃を、アメリカはイランの仕業だと非難してきた。
昨年のオマーン湾でのタンカー攻撃や米偵察ドローンの撃墜などのイランの行動や、サウジアラビアの主要石油施設攻撃に対しても、アメリカは直接の反撃には出なかった。
しかし、上述したイラク国内の米軍基地に対する砲撃に対しては、既に米国防総省は、その背後にいたとされる親イランの秘密武装勢力のカダイブ•ヒズボラを空爆し、民兵25人が犠牲になった。それが、イランの支持を受けたイラクの民兵組織によるバグダッドの米大使館が襲撃の背景とみられてる。
この米大使館の襲撃に対し、アメリカ政府はイランに対し実力行使を仄めかすも、状況は一変し、ソレイマニ殺害に至ったとされる。
ソレイマニ殺害の決定を説明するに、米国防総省はその過去の行動を強調するだけでなく、今回の空爆による殺害は抑止的行動だったのだと力説。ソレイマニこそが”イラクと中東全域で、米外交官や軍関係者への攻撃計画を積極的に策定していた”のだと。
この先どうなるのか?
トランプは今回の劇的な一手により、イランを尻込みさせる他に、アメリカに疑心暗鬼を募らせるイスラエルやサウジアラビアなど中東の同盟諸国に向かい、アメリカの抑止力は”本物だ”と証明してみせたと、一石二鳥を期待しているだろうが。しかし、イランが強力な反撃に打って出ないなど考え難い。
イラクに駐留する米兵5000人は明らかな標的になリ得るし、湾岸地域は否応なく緊迫する。ソレイマニ殺害直後の反応が原油価格急騰だったのは、まずはアメリカのシナリオ通りだ。
アメリカは、必要に応じて速やかな中東増派も計画してるだろう。
その一方で、イランの反応は非対称的なものになる可能性もある。つまり、直接攻撃には直接攻撃で応えるではなく、イランの代理戦争の構図である。
中東全域には”親イラン勢力”が広がり、ソレイマニが後押しし、資金提供し、作り上げてきた広範囲な精鋭部隊がある。
つまりイラン政府は、この代理勢力の存在を活用しようとするかもしれないのだ。
避けがたい今後の事態に、ペンタゴンはどこまで備えているのか?
そして、トランプの中東戦略全般の一体何が、この攻撃で明らかになるのか?何が変わったのだろうか?イランによる作戦は一切容認しないという新しい方針でもあるのか?
それとも今回の攻撃はただ単に、トランプ大統領が”悪い男”だと判断したイランの司令官を殺害したという、ただそれだけの行動だったのか?
以上、BBSNEWSJapanからでした。
アメリカとイランの狂った関係
つまり、老いぼれの”狂ったシナリオ”とはそういう事なのか。イヤ狂ってない正当なシナリオだとすれば、何が問題なのか。
そして何故、アメリカとイランは延々といがみ合うのか?そこで、簡単にアメリカとイランの歴史的対立を溯ってみる。
以下、”アメリカとイランの対立と因縁の歴史”から一部抜粋です。
2国間に最初の楔(くさび)が入ったのは、米CIAが石油利権を巡り、イランでクーデターを起こした53年である。
それまでの数十年、イランの石油は欧米企業の支配下に置かれ、利益を吸い上げられてきた。ところが51年、民主的な選挙によりモサデク政権が誕生すると、イランの石油産業を国有化し、欧米から奪還した。
すると米英は、すぐさまモサデクを失脚させ、米英寄りのパーレビ国王に君主政治を敷かせるべくクーデター(1953)を起こす。
しかしこれが、イラン国内のリベラル派と保守派の両方を敵に回し、その後の両国関係に決定的な溝と影響を及ぼす事となったのだ。
保守派は宗教と無関係なパーレビが権力を掌握した事に憤慨し、一方リベラル派は民主主義が葬り去られた事に落胆した。
そして79年には、アメリカの傀儡となったパーレビ政権を打倒しようと、国民がイラン革命を起こした。これにより、米外交にとって安定した支柱だった筈のイランが、”最も不安定な要素”に様変わりしたのだ。
革命の結果、イスラム共和国となったイランは、同様の革命をアラブ諸国に輸出しようと、アメリカの同盟諸国やそれらの近隣諸国に対するテロに資金を援助する様になる。
80年代に入ると、アメリカはイラン•イラク戦争でイラク側についた。その後、レバノン、イラク、シリアなど米外交が機能してない中東諸国で影響力を増したイランだが。この地域における反米勢力の代表格として、シーア派民兵組織のネットワークを強化し、アメリカの意図を挫こうとした。
例えば、イランが後押しするイエメンがアメリカの同盟国であるサウジアラビアと代理戦争を繰り広げたりと、中東でイランとアメリカの対立に無関係な国は殆どない。
現在、核合意に対して支持か不支持を示せるアメリカ人が合計42%いるとしても、ここで述べた様な歴史の基本を理解してる人は1%にも満たないだろう。トランプの老いぼれでさえ、その点は怪しいものだ。
以上、NewsWeekJapanからでした。
最後に
こうした単純な歴史の縮図を、我々日本人はどれだけ知ってるのだろうか?そういう私も悲しいかな、今知った程だ。
超マンネリ化した、仕事や家事や子育てや遊びで忙しい忙しいと言いながら、こういった肝心な歴史や史実には目を背け、無駄に不器用に時間を潰す。
こういった無知で無垢な大衆の意見こそが世界の世論となる。そして、それらの世論は世界の権力者達に、いい様にあしらわれ利用されるのだ。当然と言えば当然ではあるが。
結局我々は、現実を見てる様で真相や実態を全く知らない。ただひたすらメディアに泳がされ、ネット上で好き勝手な事を言い合い、どうでもいい記事には”いいね”が蔓延り、真実や真相は無視され、肝心な議題は炎上する。
そういう私も、アクセス欲しさにウケの良さそうな陳腐な記事を書く。悲しいかな人畜無害系の記事ほど、人々の記憶に深く長く残る。
昨年の8月に書いた”岸信介の実像”ブログは、日本の政治家にぜひ読んでもらいたい記事と思って書いた。しかし、当初は全くスルーされてた記事だが、ようやくそこそこの人がアクセしてくれる様になった。つまり、気づくまで5ヶ月が掛かった事になる。
ブッシュ親子が策略した信頼戦争もその真相が明らかになる迄に、20年ほど掛かった(”アメリカは戦争を”要クリック)。SNSが地球を取り巻く時代ですらこのザマだ。
同じ様に、世界中にはアメリカとイランの狂った歴史について知らない人が殆どだろう。アメリカがイラクやイランに戦争を仕掛けるにつけ、無知で無垢な世界の世論はアメリカを支持した。そして今、その構図が逆転しようとしてる。
上で述べた歴史を知ってしまったら、今のアメリカを支持する人はどれくらいいるのだろうか?それでもお馬鹿なアメリカ人は、目の前の富に縋る為にトランプを支持するのだろうか?
世界の世論は、今やアメリカが思うほど馬鹿じゃない。イランはトランプが思うほど馬鹿じゃない。今度こそアメリカが痛い目にあう時だと思うのだが。
イランもそこまではアホじゃないし、
アメリカも牽制の意味もあるし。
要は日本が巻き込まれない事ですね。
ブッシュの時は900億払ってますから。
イランは派手に反撃するでなく
じわりじわりと時間を掛けて
アメリカをいたぶるだろうね
いよいよトランプのバカは追い詰められますね。
またまた訂正です。
900億円ではなく、135億ドルの間違いですね。900億円とは原子力潜水艦1つの価格でした(悲)。
1991年だから、135億ドル×126.6円=1兆7000億円です。因みに、父ブッシュの湾岸戦争では610億ドル費やしたんですが、その9割を同盟国に出させてます。”他人の懐”とはそういう意味です。
この出費こそが、日本の”失われた10年”になるんですが。アメリカにとっては”繁栄の10年”になるんですね。
でも、戦争をメガビジネスにしたのはアメリカです。他のどの国が出来なかった事をやり遂げたという点ではアッパレですね。そういう意味では、岸信介も流石です。
今のトランプにそれだけの知恵があるとは思えませんが。
この言葉が今のイランの勢いを示してます。
トランプはイランの民間施設や文化施設をも攻撃すると表明しました。これに対し、イランは報復の対象は軍事施設に限るとCNNに語りました。
つまり、イランは既にトランプ政権のアキレス腱を掴んでるんです。
明らかな国際法違反に打って出たアメリカと、国際世論をうまく味方に付けたイランのせめぎ合いは見ものです。
国際世論はイランの味方でしょうか。
狂った老いぼれの暴走こそが
アメリカを分断する。
全面戦争になってはやはりイランには分が悪いので、国際世論を味方につけながら、しつこく粘り強く戦った方がいいですね。
戦闘が長引けば、アメリカは自然と分裂してますよ。
これでいよいよイラン有利になる
ブッシュ親子の2つの湾岸戦争の時は
正義というフェイクの名の元
何とか誤魔化せたが
今回はなんもカードがないもの
トランプも苦肉の選択だったろうね
アメリカとイランの歴史も露呈したし
アメリカ国内でも反対派が圧倒するな
今回はイランの戦わずして勝つ
これで決まりだな
イラン万歳!中東万歳!