スターウォーズ・シリーズはあまり好きにはなれないが。ハリソン・フォード演じるハン・ソロは大好きという人も多いのでは?
スターウォーズは”ハン・ソロ”あっての映画だし、彼を中心に連載にすべきシリーズだと思う。でもルーカスが出しゃばり過ぎて、陳腐な子供受けする安っぽい”ディズニーワールド”に堕落させてしまった感がある。
ルーカスの脚本というより、ハン•ソロの存在感。ルーカスの物語というより、ハン•ソロとレイア姫の物語。同じ子供向け映画なら、充実したシリーズになってたろうに。
「ハン・ソロ」を見た後で、やはりハンソロの躍動がスターウォーズの全てだと確信した。ジェダイとかオビ=ワンとかフォースとか、チャラチャラした脇役はハッキリ言ってウザい。
ハリソンとルーカスとレイア姫の三角関係
という事で、ハン・ソロ演じるハリソン・フォードの出世作となった、スターウォーズの記念すべき第一作の「新たなる希望」Ep4を見た人は多かったろう。ルーカスが出しゃばってなかったら、”ホントの希望”になってた筈だ。
当時この作品は、スピルバーグの「未知との遭遇」としばし比較されたが、どちらとも決め手を欠く”超人気作”に終わった様に思う。名作や傑作とヒット作とは別もんなのだろう。
でもスピルバーグの方は、「激突」や「ジョーズ」のイメージが強かったから、この”未知との遭遇”でヘマを犯しても、彼のキャリアを傷つける事はなかった様に思う。
しかしルーカスの場合、スターウォーズブランドに拘ったが故に、計6度のエピソードを登場させたが、その度に派手に宣伝し、大騒ぎさせた。興行的には大成功したが、見る度にコアなファンを中途に落胆させるという悪循環が繰り返された様な気がする。
特に熱烈なファンの間では新三部作(Ep1、Ep2、Ep3)は全くの無駄という声もある。勿論私めは、見る気もしなかったが。
旧三部作(Ep4、Ep5、Ep6)しか見てない私からすれば、クレア姫がセミヌードになり、ハリソン・フォードのやる気がなくなった時点で、全てが終わったと思ってる。つまり、Ep4の”新たなる希望”は最後の希望でもあったのだ。
でも、一作目のレイア姫(キャリー・フィッシャー)は透く程に綺麗だった。事実、当時のハリソンとキャリーは”秘密の恋”で出来てたが、ルーカス監督と寝た事でヒロイン役を勝ち得た。ま、よくある話だから許しましょうね。
つまり第一作の時点で、ハリソンとルーカスとレイア姫の三角関係が出来上がってたんですな。全くめでたいコッテ(笑)。
しかし、こういう女の逝く末は型をハメた様に悲惨ですな。スターウォーズの成功で天狗になり、そのプレッシャーからシャブ中になり、すぐに廃れちまった。
2度の離婚歴があり、60歳で心臓発作で急死するまでコカインは手放さなかった。嗚呼レイア姫、貴方って娘は?
”ルーカスに体を売らなかったら、離婚もコカインも無縁でいられたのに”と、後悔しながら死んでいったろうか?それとも自業自得か?
事実、第1話(Ep4)の時点で、既にレイア姫との三角関係でルーカスを毛嫌いするハリソンは、彼の脚本について非難していた。”こんなヘボなセリフ喋れるか”って感じだったか。
何でもそうだが、監督がお金にヒロインに色気を出したら作品は腐ってしまう。
ハリソンはそれを言いたかったんだろうか。いや単なる恋の恨みか。
ルーカスの復活
旧三部作終了(1983)の後、実に16年ぶりに再登場したスターウォーズ新三部作(Ep1、Ep2、Ep3)だが、ハン・ソロもレイア姫もいなくなった分、私的には興味が全く薄れた。
その上、奥さんに逃げられた(1987)”女癖の悪い”ルーカスに、凋落の影がちらついてたのも事実であった。
それでも、第1作(Ep4)以来22年ぶりのルーカスの監督復帰との事で、世界中で大きな話題になったのは記憶に新しい。
お陰で、ルーカスファンの多い日本では80億円近い興行収入を弾き出し、世界でも第1作の7.75億㌦を凌ぐ、10.27億㌦を稼いだ。
ハリソン・フォードに代って主役(ジェダイマスター役)に抜擢された、リアム・ニーソンの存在や頑張りも大きかったと思う。
それ以上に、追い詰められた”女たらし”のルーカスの執念が空前の大ヒットに繋がったと思う。事実、スポンサーや協賛会社等でストーリーや脚本を改変される事を避ける為、ルーカスは制作費を自腹で負担した。
ただ、制作費に関しては、旧三部作のEp4が1100万㌦(7.75億㌦)、Ep5が1800万㌦(5.38億㌦)、Ep6が3200万㌦(5.72億㌦)に対し、新三部作ではEp1、Ep2、Ep3共に1.15億㌦(それぞれ、10.27億㌦、6.48億㌦、8.48億㌦)と4倍〜10倍に跳ね上がってる。カッコ内は興行収入。
でもこうして数字をみると、やはりスターウォーズの人気というのは、ルーカスがハンソロがレイア姫がいてもいなくても、凄まじい収益をもたらしたんですね。
映画には原作やブランドが、如何に不可欠な存在かを思い知らされます。
ルーカスの凋落とスターウォーズの復活?
新三部作終了後(2005)、燃え尽きた感のある?ルーカスは、スターウォーズシリーズの終結を示唆するも、2012年にウォルトディズニーがルーカスフィルムを40億㌦で買収し、スターウォーズシリーズの著作権を取得した。
配給も20世紀FOXからウォルトディズニー・モーションピクチャーズに変更され、新体制での再スタートとなる。
一方でハリソンも、”ルーカスの野郎が40億ドルでスターウォーズを売却しやがった”と苦々しく語ってるのは印象的だ。
10年ぶりの再開となった続三部作(Ep7、Ep8、Ep9)は、ハン•ソロとレイア姫の復活と重なってか。興行こそ天文学的な成功を収めたが、肝心の作品の出来に関しては賛否両論が渦巻いた。
ルーク役のマーク・ハミルはディズニーのやり方について、”ルーカスの頭では、第7作から第9作までの粗筋ができていたが。ディズニーが実際に作った作品は、ルーカスの構想していたのとは大きく異なるものだ”と批判した。
しかし、2015年のEp7(フォースの覚醒)が20.16億㌦(制作費2.45億㌦)、2017年のEp8が13.32億㌦(同2億㌦)、と前回のEp1の2倍近くを弾き出してるという事実は、一応の評価をすべきだろう。
勿論、「タイタニック」と同様、大掛かりな宣伝と派手なプレミアの賜物でもあろうが。
しかし、ウォルトディズニーは飽きずに新々三部作の制作を発表してる。ハリウッドの強欲もここまで来ると、呆れてものが言えない。
『ハン・ソロ』の躍動?
そんな中での『ハン・ソロ』という映画の登場であるが。スターウォーズシリーズとは異なり、繊細な作りで出来はいいものの、所詮はディズニーが仕切ってる為に、評価もイマイチで、興行も芳しくない。
シリーズ史上最高の興行収入を叩き出したEp7(フォースの覚醒)を上回る、2億5千万ドルの巨額をつぎ込んで制作されたが。目標の半分程に留まってる。お陰でウォルトディズニーの株価が下落したほどだ。
これこそが、”ブランド疲れ”という事なのだろうか。とにかくアメリカはハリウッドは、金儲けに関してはしつこ過ぎる。
ただこの「ハン・ソロ」だが。脚本と映像美と展開のきめ細かさは完璧だが、ハンソロを演じるオールデン・エアエンライクがいまいちインパクトに欠ける印象を受けた。
でも、ヒロインでキーラ役のエミリア・クラーク(英)は30を超えてるが、とても洗練されて美しかった。ただレイア姫みたいに擦れなければいいんだが(笑)。
それにベケット役のウディ・ハレルソンの存在は、この作品の質を高めてた様に思う。
総括すれば、あまりにも従来のスターウォーズの出来が第一作(Ep4)を除き、陳腐過ぎたので余計に新鮮に感じた。
多分、ウォルトディズニーは、この「ハン•ソロ」で、ルーカスのスターウォーズと決別し、もっと大きな二匹目のドジョウを狙ってるのかも知れない。
でも既に遅すぎた感もしないではない。スターウォーズブランドもハリソンの躍動も、そろそろ年貢の収め時の様な気もする。
レイア姫(キャリー•フィッシャー)は、この事を天国でどう思ってるであろうか?”あの時、ルーカスのスケベ爺に身体を売らなけりゃよかったわ。ハン・ソロに全てを任せてたら、全てがうまく行ったのに”、とでも悔やんでるのだろうか?
スターウォーズを怪獣映画と見れば、超ロングランの名作であり、傑作という事ですかね。
スターウォーズはハリウッド一の超大作ですよ。こんな映画これからはもう出てこないでしょう。
タイタニックやアバターも単体では、スターウォーズを興行的には凌駕したんですが。シリーズ作となると抜きん出てます。
多分、転んださんはハンソロとレイア姫の印象がとても強かったんでしょう。でも、ルーカスとの三角関係は初耳でした。空前のメガヒットも色エロとあったんですね。
「スターウォーズ」というより、「ハン・ソロ」というタイトルの方がずっと良かったな。たとえ興行的には成功しなくても。