ブラックホールの放出現象
ブラックホールは大質量の恒星が超新星爆発したのち、自己重力によって極限まで収縮することによって生成したり、あるいは巨大なガス雲が収縮することで生成すると考えられている。ブラックホールはその巨大な重力で、まわりの物質や光さえも吸収する。そのためその存在を我々の目で捕らえることはできない。
ブラックホールは、近くの恒星の物質を吸収するが、恒星のガスは回転エネルギーを持っているので、すぐさまブラックホールへは落ちない。ブラックホールのまわりをぐるぐる回り、降着円盤という平べったいガスの固まりになっていく。
回っているうちに摩擦で回転エネルギーが失われ、ブラックホールへと飲みこまれる。このとき物質は摩擦熱によって高温になり、電波・赤外線・可視光・X線・γ線などあらゆる電磁波を放出する。そして降着円盤の中心からプラズマの放射ジェットがブラックホールの回転軸に沿って現れる。
ジェットがブラックホールの近くからどのようにして放出されるのか、物質がなぜこれほど高速に加速されるかはまだ詳しく解明されていない。だが、この降着円盤とプラズマジェットの存在が、ブラックホールの観測を可能にする。
今回、115億光年以上の彼方にある超大質量ブラックホールで、このジェットによる記録的なガスと塵の放出現象が観測されたという。質量が太陽の10億~30億倍というこの巨大ブラックホールは、「SDSS J1106+1939」と呼ばれるクエーサーの中心部に存在する。クエーサーとは、非常に明るく高エネルギーな銀河の一種だ。
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参考HP Wikipedia:M87 ブラックホール National Geographic news:ブラックホールから最大規模の物質放出
ゼロからわかるブラックホール―空を歪める暗黒天体が吸い込み、輝き、噴出するメカニズム (ブルーバックス) | |
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