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第57回ノーベル生理学医学賞 ダニエル・ボベット「クラレ様筋弛緩剤の合成に関する研究」

2015年01月29日 | ノーベル賞

 生物毒を利用する

 われわれの身の回りには、毒(生物毒、天然毒)をもつ生物がいる。毒をもつ生物は、ある種のバクテリア、菌類、原生動物、植物、爬虫類、両生類、魚、ウニとヒトデ、軟体動物、および昆虫など多岐にわたる。

 植物では、トリカブト、ケシ、南米のコカの葉、インド大麻などが毒(植物毒)をもつことが知られている。生物毒の働きとしては、赤血球を破壊する溶血毒、細胞や組織の壊死を引き起こす壊死毒、主に動物の神経系に作用する神経毒などがあるが、捕食のための武器として使われる毒は神経毒が中心となる。

 ツボクラリンは豆科の大樹コンドデンドロントーメントスの樹皮からとれる毒であるが、クラーレとよばれ、南アメリカのインディオ達は矢の先にこれを塗り毒矢として用いた。ニコチン性アセチルコリン受容体を阻害し、筋への信号伝達を遮断。筋肉にのみ作用し、筋弛緩を引き起こす。呼吸困難を引き起こすものだが、人工呼吸機を併用することで、外科手術に利用される。

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毒と薬の科学 (おもしろサイエンス)
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アマゾンからの贈り物―矢毒クラーレの旅
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