どうだ、タジマのオートレーザーだ。何を作るにも水平は基本。板の場合もまず基準になる平面を作る。それから、それに直交する面を作っていく。これを木工用語で矩(かね)という。これがやっかいで、眼鏡をかけていると全てがゆがんで見えるから、見ても分からない。長い正確な物差しが必要だし、もっと長いとお手上げとなる。ブロック塀の水平には驚く。橋の精度にはもっと驚く。ピラミッドの正確さには…言葉がない。真っ直ぐが、困難なことは人生においても同じだ。物作りでは全てを疑わなければならない。手押しや自動の鉋(かんな)の刃は真っ直ぐ取り付けられているか、刃の左右が均等に出ているか、手鉋の台は平か、定規の目盛りは正確か、線は正確に引けているか等々。
オートレーザーは水平、垂直、鉛直(上下)をレーザー光で表示する機械。自身の水平は自分で設定するところがオートの名を冠する由縁だ。頭部が回転し広い範囲に照射出来る。レーザーの線幅は2mmくらいあり、誤差もあるからまるっきり正確とはいかないが素人施工ではこんなもんだろう。自分で内装をするために買ったが、使ったのはわずかだ。日中外では使えないためウッドデッキを作るときは日が暮れてから杭に投射し印を付けた。試しに我が家の部屋の垂直を測ってみたが見事だった。今は安いものもありオークションでも安く出てる。
素人工事では、どうしても無くてはならないというほどのものではない。水準器と水盛り官(ペットボトルと透明チューブで自作も可、水面はいつも水平だからペットボトルの水の高さとチューブの先の水面は同じ高さとなる。どこからって? 地球の中心からでしょうが)があればある程度の水平は確保できる。基準となる水平を出すことを、水を見るという。水平が出せなければ、建物は建てられない。縄文時代から分かっていたのだろう。
あなた、水を見てこれが水平を測る道具になると思えますか? タイムスリップで江戸時代に行ったとして、何が出来るか。現在我々が持っていると思っている知識は、ほとんど社会が持っている知識。何らかの理由で縄文時代(日本の歴史の大部分は縄文時代だから可能性大)にタイムスリップするかもしれない。一つでも何かを作り出せる、あっと言わせる知識と技術を…。何も出来ないじゃ「未来から来た」と言っても信じてもらえないよ。その前に、言葉が通じないか。
持ってる水準器を並べてみた。左はカメラや電動ドリルに張り付けて使う。左から3番目デジタルで水平を音で知らせる。4番目、足場のパイプなどを組むとき磁石でひっつく、右側はおなじみホームセンターで売ってる安い水準器。