東日本大震災発生時も停電が起こり、13~14時間分の燃料を確保していた仙台市宮城野区役所は自家発電を動かし業務を続けた。しかし、翌朝になっても復旧せず、職員がガソリンスタンドを回って交渉。当時の担当者は「たまたま(売ってくれる)業者が見つかったからよかったが、燃料がなくなれば災害対策本部も機能しなくなるところだった」と振り返る。
燃料、2割が「半日未満」=業務継続に支障も-自治体防災対策〔東日本大震災3年〕より抜粋。
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規制緩和でセルフやPB等の安値店が出現し、元売や政府の人為的淘汰の対象となったかのような昔ながらの地域のガソリンスタンドは高値という理由で見向きもされなくなりました。
しかし、あの東日本大震災で自らも被災者でありながら、それでも地域のガソリンスタンドの多くは、地域への供給を果たそうと頑張りました。
規制緩和以降、“入札”制度を採り入れ、県外の大手広域業者から燃料油を調達していた官公庁。
その官公庁から依頼、要請を受けて、地場の業者(ガソリンスタンド)は、
多くの顧客が安値店へ流れた中でも変わらずに、贔屓にしてくれていた常連客への給油を断腸の思いで断り、パトカーや救急車等優先車両への供給を行ったのです。
その後、石油の重要性やガソリンスタンドの存在意義も見直され、官公庁と石油組合の間で災害時には優先的に供給を行う旨の「協定」が結ばれるようになりました。
しかし、震災から3年・・・
2月20日 燃料油脂新聞より
自治体の財政事情による調達コストの削減が背景にあるようだが、
東北地方の一部自治体が競争原理を背景にしたスポット契約を取り入れて灯油や軽油、重油を調達する動きが表面化。
「緊急時になんとかしてくれと駆け込んできたが、3年も経たないうちにこれでは・・・・」
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※官公庁だけではありません。消費者だって同じです。
「高い」と文句を言って去って行きながら、困った時だけは・・・・・来るのです。
2月19日 ぜんせき
「増えるSS過疎地 供給不安現実化も」より
撤退を決めた業者からは「報われないから」との声も上がるほどになっている。
かつてSSを造るための努力を考えれば簡単に閉鎖できるものではない。
地場業者がどれほど投資し苦労して(消防法による定期的な検査等もありその後の設備維持管理費は半端なものではありません)、ここまで運営を続けてきたか。
だからこそ今、悔しい思いをしている。
一部業者のみに支援する元売の戦略・・・
そうした疑心暗鬼がやる気を削いでいる。
※誤解による(?)一部消費者の言動、(最近では殆どありませんが、)これにも随分やる気を削がれました。
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年明けには「今年もよろしく」の挨拶を交わしますが、中旬ごろにはそれも落ち着きます。
そんな頃、カブ(2輪車)のおじいちゃんにお釣りを渡すと、「今年もよろしく頼みます」そう言って深々と頭を下げられました。
続行と引退がハーフハーフのmasumiさんでも、あのときはグッと来ました。
店を潰すつもりで(※)店頭仕事をしているmasumiさんでもそうなんですから、高齢者宅に小口配達に行っている人間はその比ではないでしょう。
「使命は理解している。だが赤字では苦しい」の九州の販売店主さんも同じで、「何とか続けてやらなくては」と考えるのではないでしょうか。
けれども、そんな人間でもやる気を削がせるような、業界の有り様なんです。
やる気はあっても、それを許さないような、そんな仕組みなんです。
そして、この自治体のように恩を仇で返すような世の中では、 「やっていられない」のは当然ではないでしょうか。
※「店を潰すつもりで」
これについては別記事で。