2013年6月の報道です。(※青系文字がmasumi)
公取委、給油所の安値調達容認 店頭価格下落も
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF2700Z_X20C13A6MM8000/
2013/6/28 2:05
公正取引委員会はJX日鉱日石エネルギーなど石油元売り8社に対して、系列販売店が商社などから安いガソリンを仕入れることを認めるように求める方針だ。元売りが系列販売店に正規ルート以外のガソリン購入を禁じている取引慣行が独占禁止法に抵触すると判断した。安値仕入れが広がればガソリンの店頭価格が下がる可能性もある。
公取は7月にガソリン販売の実態を調査した報告書を公表する。この中で、元売り各社に是正を促す…
JXエネ、系列給油所に「廉価ガソリン販売認めず」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD280FH_Y3A620C1TJ0000/
2013/6/28 19:10
JX日鉱日石エネルギーでガソリン販売などを担当する高橋章次取締役は28日、公正取引委員会が石油元売りに系列販売店による廉価ガソリンの仕入れ容認を求める方針を固めたとの報道に対し、「仕入れを禁止しているわけではないが、商標を掲げた系列給油所では直接供給のガソリンでなければ販売を認められない」との見解を述べた。
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元売(JX)の見解
>「仕入れを禁止しているわけではないが、商標を掲げた系列給油所では直接供給のガソリンでなければ販売を認められない」
禁止しているわけではないが、・・認められない
買うのは良いが売るのはダメって・・・
じゃあ、買う意味がないですよね。
「認められない」としていたJXですが、この年の12月にエネ庁に対して公取委の見解に首を縦に振りました。
が、しかし、その後も業転を仕入れて販売した系列店が“元売との話し合いの末”マークを下ろすことになった、という案件があります。
2016年5月13日 ぜんせきより
2016年5月18日 燃料油脂新聞より
卸価格の指標構築 事後調整基準明確化 方向性を提示
経産省資源エネルギー庁は17日、総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会の第17回会合を開催し、石油中下流部門(調達・精製・流通・販売)の政策の方向性を示した。
流通・販売では、石油製品の共同調達や仕入先の多角化、物流合理化、地域や顧客ニーズに応える「価値創造型」のSS経営を後押しする一方、取引環境を整備するため、国内需給を反映した卸価格指標の構築と、事後的な卸価格調整の実施基準の明確化を対策にあげた。
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エネ庁はSS事業者が再投資を行い中長期的に燃料の安定供給を担うためには、収益力強化や生産性向上を通じた経営力強化が求められると指摘。
まず顧客や地域の要望に応えられる多角的なビジネスの展開を取り組みの方向として示した。
同時に運営SS数が多いほど赤字比率が低下する傾向がみられることから、流通段階の経営統合・集約化、業務提携、物流合理化にも言及。
ボリュームディスカウントや取引先との交渉力強化が期待できるボランタリーチェーン型の共同仕入れや、貯蔵タンクと配送ローリーの共同利用を組み合わせた物流合理化を提唱している。
エネ庁はこれまでに「SS経営力強化検討会」を設置、検討を行い、全国の先進的なSS経営例を優秀事例100選としてまとめたが、これを踏まえ目指すべき方向性を
1、顧客満足度の向上
2、地域の多様なニーズや社会的課題への貢献
3、人材力・多様性を活かした価値の提供
4、多角的な事業展開による「事業ポートフォリオ最適化」
5、仕入れの共同化
6、物流の合理化
7、受注の共同化
8、個店レベルでの効率化
-の8類型に分けて示した。
他方、石油流通では、いわゆる「業転格差」と元売による卸価格の事後的な修正が問題になっている。
業転価格に関しては国内需給を適切に反映した市場参加者に信頼される卸価格指標の構築を対応の方向にあげた。
4月以降、欧米の複数の価格情報提供会社が日本での石油製品価格調査に参入。
TOCOM(東京商品取引所)も新たな商品市場開設の方向を発表しているとして、複数の卸価格指標間での競争が活性化され、市場参加者の信頼が得られるように改善が重ねられることが重要としている。
販売業者に対する卸価格の事後的な修正については、公取委の指摘を受け、実施基準を可能な範囲で明確にして取引の相手方に示す必要があるとし、修正が恒常的に行われている場合には、当初の卸価格の額を可能な範囲でより市況の実態に即したものにするなどの見直しを求めた。
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他市から新規出店してきた2者店に、自店の仕入れ値の価格看板を掲げられてから、かれこれ20年。
当店的には、「時すでに遅し」です。
業転玉を仕入れて体力温存してきた販売店は正解だったかもしれませんね。
そもそもの始まりは規制緩和で、
でも系列店には仕入れの自由がなくて、消防法の規制はそのままで、
業転玉を仕入れて参戦する系列店もあったけど、
各々の理由でそれを由としない系列店もあって、
そういう系列店は消費者に誤解されながらも頑張ってきた。
公取委は見解を出し
元売は「認めない」と言ったものの12月には「わかりました」
でも変わらずに圧力があるらしい。
自店の仕入れ値かそれ以下という他店の価格看板の掲出に、顧客流出・粗利圧縮が始まって、
疲弊したころにトドメの?地下タンクの改正消防法。
(クリアしたと思ったら、お次はガソリンベーパー排出抑制がお待ちかね)
地元の零細店を疲弊させたのは、販社や大手特約店、またはPB-SSの安売り。
地元の零細店を疲弊させた、その張本人は、補助制度で地下タンクだけでなく、「稼ぐ力創出」の名目で洗車機までも手に入れ、
(しかもセルフ洗車はドライブスルー、機械を設置さえすれば勝手に稼いでくれる)
今後は疲弊して撤退した地元の零細店のあとを、「地域住民のニーズに応えるため」、補助制度(実証事業としてのバックアップ)を利用して、小口配達に力を入れる?
恐らく、元売と資本提携している、元売の支援金(マージン保証や事後調整)を得ている、そういう特約店が。
だとしても、
地域住民が灯油難民になるのを回避できるのなら...、歓迎するべきですね。
でも、
でもね、
恣意的な仕入値(卸値)格差がなければ、或は、販売価格にここまでの大きな格差がなければ、地元の零細店でも健全経営をやれていた。
価格ではなくサービスの競争だったなら、零細でも大手に負けることはなかった。
こんな、
補助金を湯水のように使って・・・
税金を無駄にすることもなかった。
PS
st31掲示板より
違和感のある記事です。
今や「業転玉」が安値競争の原因ではなく、2強+α時代の前哨戦。元売りのシェア争いが原因です。
現にジョイフルHやコストコ周辺の系列店のほうが安く販売しています。
業転仕入れではとても無理な売値です。
知らない人が読むと、元売りが、仕方なく事後調整をしているから利益が取れず被害者だとの印象を受けますが、でたらめです。
元売りが仕掛けているのです。数量最優先体質が抜けないのです。
経済産業省は、問題の本質をすり替えています。
業転玉を出しているのは元売りです。
情報会社が増えて競争すると、透明性を確保し業転の値が上がり、元売りの収益は改善するという理屈ですが、業転玉は今でも透明性があり、不透明なのは業転玉以下の系列仕切りが存在することです。
情報会社を競わせても解決しないとわかっているのに、どうしてやるのか?
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それはそうとー
2月のエネ庁の、指標の確立の為の視察、
欧州3か国、
わざわざ出掛けて行く必要ってあったんでしょうか?