アンナコトや、コンナコト。
自分はこんな才能、能力を有している―と、胸張っていいたいところだけれど、そのほとんどは結果がついてきていないので、なかなかいえない。
ただひとつだけ、望んだわけではないのに「有している(のかも)」という才能、能力があるようだ。
残念ながら文筆でも分泌でも格闘技でもなく、窃盗犯を見分ける能力。
まーーーーーず、勘が働く。
働き過ぎて、困るくらいに。
なに?
昔、そういうことしていたから、同じニオイのするヤツが分かるんだろ?
うん、そういう過去は無関係とはいえないと思う。
オーバーな話ではない。買い物10回に対して、4人は見つける。
強引に月で計算してみると、一月に6~7人の不審者を見つけ、そのうち5人は実際に窃盗をおこなう。
現場をきっちり目撃し、しかも自分の視線は相手にばれない。
つまり十数年前にやっていた私服保安員は、天職だったのかもしれない。
事故と、どうにも回せない借金の返済のために辞めたわけだが、確かに最もやりがいのある仕事だったんだ。
先日のこと―。
ビールを買おうとスーパーに行き、店内に入って30秒ほどで不審者を見つける。
同世代の主婦である。
しかも、ちょっとタイプだった。
タイプだから目についたのか、挙動不審だから目についたのか・・・たぶん、両方だったのだろう。
ついでにいえば、彼女の発見と「ほぼ」同時に、巡回していた私服保安員の存在にも気づいた。
こちらは40代後半の男性。
やはり彼女をマークしており、30分もすれば彼女を事務所に連行する男の姿が想像出来るのだった。
要は自分に出番なし、ということ。
ということなのだが、どうしても彼女から目が離せない。
なぜか。
彼女が、タイプだったから。
彼女が、可憐だったから。
こんな子が捕まるところを、見たくなかったのである。
こんな子がパトカーに乗せられるところを、見たくなかったのである。
美醜や好みで感情を動かされている時点で、保安員は務まらないだろう。
だろうが、いまは保安員ではない、ないからべつに、好みを優先したってかまわないっしょ? なんて開き直ってみる。
数分後―彼女はレトルトの味噌汁を素早くバッグに入れた。
あぁ、やっぱり。
自分の勘の正しさに「軽い」喜びを覚えつつ、あんなに可憐な子が窃盗を犯したことに「重い」衝撃を覚える。
高価そうなバッグじゃないか、レトルトの味噌汁なんか、箱ごと買っても釣りがくるくらい金は持っているのだろう、やはり病気なのかもしれない。
しばらく観察しようとしていたのに、頭と身体はバラバラで、ふと気づいたら彼女の横に立っていた。
ホンモノの保安員が監視しているにも関わらず、だ。
「(小声)振り向かないで。あなたを見ている警備員が居ます」
「!!」
「いま元の場所に戻して、すぐ店をあとにすれば、あなたは罪に問われません」
「・・・」
「お願いします、そうしてください」
彼女は自分の指示通りに味噌汁を元の棚に戻し、店から駆け足で出て行った。
・・・ふぅ。
ふぅ、、、じゃねえよ。
自分はホンモノから仕事を奪った、いわば彼女の共犯者じゃないかって。
振り返ると、ホンモノは自分を睨みつけていた。
うんうん、そうだろうそうだろう。
話しかけにいこうかと思ったが、話がこじれる可能性大だと判断し、自分も店をあとにした。
ほんとうの悪党は、どっちなんだ―? という話である。
自分、こんな経験を何度もしている。
『デッドゾーン』は他者の過去や未来が見えてしまう、超能力者を主人公とした悲劇を描いていた。
べつに自分が不幸のひとだとは思わないが、単なるショッピングが犯行現場の目撃と直結してしまうというのは、なかなかにハードでね、こんな「力」は要らないよって正直思うんだ。
※トップ画像は、万引き撲滅キャンペーンをおこなうアイドル。
動画は、『デッドゾーン』のオリジナル予告編。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『喫煙者がアスリートを名乗ってもいいですか?』
自分はこんな才能、能力を有している―と、胸張っていいたいところだけれど、そのほとんどは結果がついてきていないので、なかなかいえない。
ただひとつだけ、望んだわけではないのに「有している(のかも)」という才能、能力があるようだ。
残念ながら文筆でも分泌でも格闘技でもなく、窃盗犯を見分ける能力。
まーーーーーず、勘が働く。
働き過ぎて、困るくらいに。
なに?
昔、そういうことしていたから、同じニオイのするヤツが分かるんだろ?
うん、そういう過去は無関係とはいえないと思う。
オーバーな話ではない。買い物10回に対して、4人は見つける。
強引に月で計算してみると、一月に6~7人の不審者を見つけ、そのうち5人は実際に窃盗をおこなう。
現場をきっちり目撃し、しかも自分の視線は相手にばれない。
つまり十数年前にやっていた私服保安員は、天職だったのかもしれない。
事故と、どうにも回せない借金の返済のために辞めたわけだが、確かに最もやりがいのある仕事だったんだ。
先日のこと―。
ビールを買おうとスーパーに行き、店内に入って30秒ほどで不審者を見つける。
同世代の主婦である。
しかも、ちょっとタイプだった。
タイプだから目についたのか、挙動不審だから目についたのか・・・たぶん、両方だったのだろう。
ついでにいえば、彼女の発見と「ほぼ」同時に、巡回していた私服保安員の存在にも気づいた。
こちらは40代後半の男性。
やはり彼女をマークしており、30分もすれば彼女を事務所に連行する男の姿が想像出来るのだった。
要は自分に出番なし、ということ。
ということなのだが、どうしても彼女から目が離せない。
なぜか。
彼女が、タイプだったから。
彼女が、可憐だったから。
こんな子が捕まるところを、見たくなかったのである。
こんな子がパトカーに乗せられるところを、見たくなかったのである。
美醜や好みで感情を動かされている時点で、保安員は務まらないだろう。
だろうが、いまは保安員ではない、ないからべつに、好みを優先したってかまわないっしょ? なんて開き直ってみる。
数分後―彼女はレトルトの味噌汁を素早くバッグに入れた。
あぁ、やっぱり。
自分の勘の正しさに「軽い」喜びを覚えつつ、あんなに可憐な子が窃盗を犯したことに「重い」衝撃を覚える。
高価そうなバッグじゃないか、レトルトの味噌汁なんか、箱ごと買っても釣りがくるくらい金は持っているのだろう、やはり病気なのかもしれない。
しばらく観察しようとしていたのに、頭と身体はバラバラで、ふと気づいたら彼女の横に立っていた。
ホンモノの保安員が監視しているにも関わらず、だ。
「(小声)振り向かないで。あなたを見ている警備員が居ます」
「!!」
「いま元の場所に戻して、すぐ店をあとにすれば、あなたは罪に問われません」
「・・・」
「お願いします、そうしてください」
彼女は自分の指示通りに味噌汁を元の棚に戻し、店から駆け足で出て行った。
・・・ふぅ。
ふぅ、、、じゃねえよ。
自分はホンモノから仕事を奪った、いわば彼女の共犯者じゃないかって。
振り返ると、ホンモノは自分を睨みつけていた。
うんうん、そうだろうそうだろう。
話しかけにいこうかと思ったが、話がこじれる可能性大だと判断し、自分も店をあとにした。
ほんとうの悪党は、どっちなんだ―? という話である。
自分、こんな経験を何度もしている。
『デッドゾーン』は他者の過去や未来が見えてしまう、超能力者を主人公とした悲劇を描いていた。
べつに自分が不幸のひとだとは思わないが、単なるショッピングが犯行現場の目撃と直結してしまうというのは、なかなかにハードでね、こんな「力」は要らないよって正直思うんだ。
※トップ画像は、万引き撲滅キャンペーンをおこなうアイドル。
動画は、『デッドゾーン』のオリジナル予告編。
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『喫煙者がアスリートを名乗ってもいいですか?』