~トニー・スコットのキャリア10傑~
弟は遺書を書き残し、橋からダイブしてこの世を去った。
享年68歳。
弟のぶんまで―と奮闘する兄リドリーは、自身の持つ美的センスのほかに弟「のほうが」持っていた「ヒット要素」を取り入れ、なにかに取り憑かれたかのように映画を撮りつづけている。
けなげだなぁ、そして弟トニーは幸福なヤツだなぁ! と思う。
死んだから褒める・・・というのはちがうと思うが、ヒットメーカーの宿命だろう、リドリーに比べてトニーは「批評面」で評価されてこなかったところがある。
たしかに荒い演出は見受けられるが、観てつまらないと思う作品を「ほぼ」撮っていない事実は、もっと称えられていいと思う。
(1)『ビバリーヒルズ・コップ2』(87)
スピーディな展開にキレのあるアクション、そして冴え渡るエディ・マーフィーの話芸。
つまらないはずがない。
(2)『トゥルー・ロマンス』(93)
正直、この映画に関してはトニーの功績よりも、QTタランティーノの詩心と、熱演する俳優陣のおかげといったほうがいいのだが。
(3)『クリムゾン・タイド』(95)
潜水艦映画にハズレなし、を証明してくれた会心のアクション。
「アラバマ、サー!」のシーンは、ほんとうにしびれる。
(4)『ラスト・ボーイスカウト』(91)
私立探偵と元フットボウラーが手を組む、いわゆるバディ物。
無茶な展開がつづくが、一気に魅・見せるので綻びも気にならない。
(5)『リベンジ』(90)
ケビン・コスナーの「ワル」な一面を描こうとして(じつは)失敗しているのだが、当時好調のマデリーン・ストーがとにかく美しく魅力的なので。
(6)『アンストッパブル』(2010)
乗り物パニックの佳作。
次から次へトラブルが発生する・・・みたいな王道のアクションを撮らせたら、たぶんマイケル・ベイより上手なのだよね。
(7)『トップガン』(86)
トム・クルーズ主演のメガヒット作。
MTVのような創りに批判的な向きも多く、じつは自分もそんなひとりだが、じゃあつまらないのかといえばそんなことはない。
(8)『ザ・ファン』(96)
偏執的な野球ファンをデ・ニーロが嬉々として演じ、脚本の綻びを補ってくれているところはあったかな。
(9)『デイズ・オブ・サンダー』(90)
トム・クルーズ&ニコール・キッドマン主演でカーレースの世界を描く。
中年になってさらに輝くニコール様のファンだが、若いころは「それほど…」だったという点でジュリアン・ムーアと似たところがあるのかもしれない。
(10)『ワン・モア・トライ』(88)
CM、PVも多く手がけているが、ここではジョージ・マイケルの1本をチョイス。
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明日のコラムは・・・
『指示待ち人間』
弟は遺書を書き残し、橋からダイブしてこの世を去った。
享年68歳。
弟のぶんまで―と奮闘する兄リドリーは、自身の持つ美的センスのほかに弟「のほうが」持っていた「ヒット要素」を取り入れ、なにかに取り憑かれたかのように映画を撮りつづけている。
けなげだなぁ、そして弟トニーは幸福なヤツだなぁ! と思う。
死んだから褒める・・・というのはちがうと思うが、ヒットメーカーの宿命だろう、リドリーに比べてトニーは「批評面」で評価されてこなかったところがある。
たしかに荒い演出は見受けられるが、観てつまらないと思う作品を「ほぼ」撮っていない事実は、もっと称えられていいと思う。
(1)『ビバリーヒルズ・コップ2』(87)
スピーディな展開にキレのあるアクション、そして冴え渡るエディ・マーフィーの話芸。
つまらないはずがない。
(2)『トゥルー・ロマンス』(93)
正直、この映画に関してはトニーの功績よりも、QTタランティーノの詩心と、熱演する俳優陣のおかげといったほうがいいのだが。
(3)『クリムゾン・タイド』(95)
潜水艦映画にハズレなし、を証明してくれた会心のアクション。
「アラバマ、サー!」のシーンは、ほんとうにしびれる。
(4)『ラスト・ボーイスカウト』(91)
私立探偵と元フットボウラーが手を組む、いわゆるバディ物。
無茶な展開がつづくが、一気に魅・見せるので綻びも気にならない。
(5)『リベンジ』(90)
ケビン・コスナーの「ワル」な一面を描こうとして(じつは)失敗しているのだが、当時好調のマデリーン・ストーがとにかく美しく魅力的なので。
(6)『アンストッパブル』(2010)
乗り物パニックの佳作。
次から次へトラブルが発生する・・・みたいな王道のアクションを撮らせたら、たぶんマイケル・ベイより上手なのだよね。
(7)『トップガン』(86)
トム・クルーズ主演のメガヒット作。
MTVのような創りに批判的な向きも多く、じつは自分もそんなひとりだが、じゃあつまらないのかといえばそんなことはない。
(8)『ザ・ファン』(96)
偏執的な野球ファンをデ・ニーロが嬉々として演じ、脚本の綻びを補ってくれているところはあったかな。
(9)『デイズ・オブ・サンダー』(90)
トム・クルーズ&ニコール・キッドマン主演でカーレースの世界を描く。
中年になってさらに輝くニコール様のファンだが、若いころは「それほど…」だったという点でジュリアン・ムーアと似たところがあるのかもしれない。
(10)『ワン・モア・トライ』(88)
CM、PVも多く手がけているが、ここではジョージ・マイケルの1本をチョイス。
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明日のコラムは・・・
『指示待ち人間』