Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

映画スタッフ別10傑(57)荒井晴彦

2022-04-04 00:10:00 | コラム
~荒井晴彦のキャリア10傑~

未だ(いろんな意味で)現役の荒井晴彦、75歳。
監督や原作者、当然「観客にも」噛みつく脚本家であり、自ら監督することもあり、季刊誌『映画芸術』の編集長でもある。

自分は「ほんの短い期間」ではあったものの、このひとに師事していたことがあり、どんなひと? と問われることが多いのだけれど、まぁとにかく喧嘩っ早く、そうして、女にモテるひとだと答える。

そういや脚本術って教えてもらえなかったなぁ、、、と(^^;)

つまり「俺を見て学べ」タイプであったと。


(1)『赫い髪の女』(79)

にっかつロマンポルノの決定打であり、脚本家としての代表作。


なーーーーーんにも起こらない物語。ともいえるのに、よいホンだなぁ!と感じるのが不思議。


(2)『KT』(2002)

金大中誘拐事件に焦点を当てたサスペンス。

負け犬たちの叫びが熱く、大好きな映画だが「勝手に脚本を変えられた」と怒ってたんだっけか…。



(3)『Wの悲劇』(84)

荒井脚本のなかでいちばんメジャーな映画、、、になったのは、やはり薬師丸ひろ子のおかげだと思う。

監督にも恵まれ、どの世代が観ても楽しめるのではないかしら。


(4)『遠雷』(81)

80年代の日本映画がどんな感じだったのか、これを観るとよく分かる気がする。

確実に、容赦なく現実を捉えていて、じつに痛い。



(5)『絆 ―きずな―』(98)

平成の時代に『砂の器』をやろうとしていた、そんな映画だった。

麻生祐未が旦那の骨壺を抱いて「あったかい」というシーン。
こういうところが、荒井節なんです。


(6)『ヴァイブレータ』(2003)

寺島しのぶ、大森南朋が熱演する性的格闘映画。


(7)『身も心も』(97)

初めて監督に挑戦。
結局このひとは、セックスを通して男女だけでなく、この世界を捉えようとしていたわけで、それがすべて…いや、それしかないんだという思いは伝わってくる。

映画監督としては正直「綻び」が散見されたとは思うが、その穴ぽこを石川セリの主題歌が救っている。


(8)『眠らない街 新宿鮫』(93)

人気小説シリーズを監督・滝田洋二郎、主演・真田広之で映画化。
これまた監督と揉めた記憶が残っているけれど(^^;)、ラストシーンのなんともいえない感じ、とっても好き。

犯人役は、まだ売れる前の浅野忠信くんです。



(9)『共喰い』(2013)

田中慎弥の小説を、先日急逝した青山真治が映画化。
主演はなんと、菅田将暉。

の割には話題にならず、じつにもったいない。
「血」を主題とした力作、必見ですよ!!


(10)『火口のふたり』(2019)

兼監督。
21世紀になっても、このひとは変わらないなぁと元弟子に思わせた快作。

『赫い髪の女』なんだもん、やろうとしていることは。


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明日のコラムは・・・

『ドームで会いましょう^^』
コメント (2)
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