Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(412)

2022-04-16 00:10:00 | コラム
む「し」→「し」とう(死闘)

死闘とはことばのとおり、死に物狂いの戦い、死を賭す戦いのこと。

映像で触れているぶんには勇ましいものがあるかもしれないが、そこに至るまでの物語を知れば、そうドキドキワクワクしてもいられなくなる。

どっちにも負けてほしくない、なぜなら負けは死を意味するから。
あるいはどう考えても負け戦なのに、それを覚悟のうえで戦うものの凄みに感動したり戦慄したり。
もっといえば果たして死を賭すほどの意味が、この戦いにあるのかなどと思ってみたり。

ダイナミズムに直結するであろう死闘は、たくさんの映画で描かれてきた。
こんな風に5選を並べてみると、やっぱり潤沢な予算があったほうが勝ちなのかな、、、とは思ってしまう。

「低予算で描かれる死闘」の代表として、ひとつだけは入れてみたけれど・・・やっぱりね、ちょいと分が悪いかな~。


『七人の侍』(54)

わざわざ雨を降らせるという発想が、フツーではないと思わん?


『最後の決闘裁判』(2021)

徹底したリサーチがおこなわれ、美術や小道具も当時を再現。
馬に乗り、長~~~い槍を使って始まった対決は、やがて馬からおり短剣を持ち、ついには肉弾戦となる。

迫力は充分、しかし真の被害者が置き去りにされた戦いに、なんの意味があろうか―21世紀の死闘の描きかたとしては、最も先端をいっていると思われる映画。



『プロジェクトA』(83)

海賊リーダー、強い強い。
結局は3人が力をあわせ、ヤツを吹っ飛ばす。

娯楽としての死闘は、このくらい爽快なほうがよい。



『ターミネーター』(84)

観客がゲンナリするほどしつこい戦いを―まだ名を成す前のキャメロンは、そんな野心があったのではないか。

マシーンの中枢(あの赤い点)が消滅したとき、こころの底からホッとしたもん。



『プライベート・ライアン』(98)

戦闘描写は、「これ以前/これ以後」で語られるようになった―そのくらい、様々な映画に影響を与えた戦争映画の傑作。

壮絶に過ぎて、もはやなにが起こっているのか分からない。
戦場を知るオリバー・ストーンが絶句したというのだから、この描写は正しいのでしょう。



次回のしりとりは・・・
しと「う」→「う」み。

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明日のコラムは・・・

『決戦は調布で^^』
コメント (4)
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