Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(525)

2025-01-20 00:10:00 | コラム
うばすてや「ま」→「ま」やく

栄光から、瞬く間に転落していく―数多くの「失脚した先輩」が居るにも関わらず、どうしてクスリに手を出してしまう業界人が多いのか。

根本には「その弱さ」があるのでしょうが、一般の世界よりも誘惑、そして、彼ら彼女らを狙っている「ほんとうの悪」が多いといわれています。
そこを断ち切ってこそホンモノだとは思うのですが、ヒトはみな、それほど強いイキモノではないから…。

小林よしのりは「自らの脳内でドーパミンを作ることが出来てこそプロだ」といいます。

異論はないです。

アーティストが創作に悩み、クスリに手を出してモノを創ったのだとしたら、それは本人の才能といえるのだろうか、、、みたいな問題もありますし。


①一般人が堕ちる

『レクイエム・フォー・ドリーム』(2000)

彼ら彼女らは、日々の虚無を埋めるかのようにクスリに手を出している。

若者だけじゃない、老人までもクスリ漬け。

映像と音楽の効果もあり、絶望の極致を体感出来る―これこそ、学校の教材として最適なんじゃない??




『あんのこと』(2024)

高揚感を味わえるとされるクスリはだから、辛い現実から目を背けるために使用される。

この映画を観れば、本人だけではどうにもならない問題であることが分かるでしょう。



②悪が「さらに」堕ちる、あるいは「ハクをつけるために」あるいは「商売のために」堕ちる

『グッドフェローズ』(90)

売る側だったはずなのに、いつからか自身もクスリに溺れ鼻を真っ赤にして狂っていく。

これに関しては「放っておけよ」とも思えるが。。。




『ブロウ』(2001)

実在したドラッグ・ディーラー、ジョージ・ユングの半生を描くジョニー・デップの代表作。


クスリが主題ではないし、本人に非があるかどうかは置いておいて、その結末は『市民ケーン』(41)や『アイリッシュマン』(2019)と同じ。
そう記しただけで、どれほど哀れなのかは想像出来るでしょう。


③アーティストが堕ちる

『ドアーズ』(91)

創作物より伝記映画のほうが、その悲惨さは伝わるでしょう。

ボーカル、ジム・モリソンの「一瞬の栄光」と悲劇を描いたオリバー・ストーン監督作。


ドアーズは大好きだが、だからこそ、その最期はけっして美しくないものだと思ってます。


④その全体を網羅する

クスリ映画の決定打は、『トラフィック』(2000)だと思う。

この作品は、クスリがどんな犯罪組織によって取り引きされ、一般層にまで行き渡り、政治の世界に影響していくのかを180分かけて解き明かしていく。




あすのしりとりは・・・
まや「く」→「く」し。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(526)』
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