年末年始特別企画も、きょうで最後。
監督至上主義ゆえ、どうしたって作家性で映画を捉えがちな自分。
だから敢えて、内容もいいけど俳優がいちばんすごい! と思える映画を選出。
しかしやってみたら、今回の企画のなかでは最も分かり易いというか、オーソドックスなものが並んだなぁ、、、という印象が。
つまりあれだ、みんながすごい! というもの、一般的に評価が高いものは、やっぱり素晴らしいということなのだろう。
異端の映画小僧を気取って? はいるが、そこらへんの感覚はみんなと一緒ですよと。
自主制作をやっていたころ、何度かカメラの前で演技をしたことがあるが、
まーず、ひどいものだった。
よく「学芸会レベル」という表現があるが、学芸会にもなっていない。
結論。
カメラの後ろに立つべきひとと、前に立つべきひと。
きっちり役割分担があるのだから、調子こいて色々やるべきではない。
両方出来るひとも居るが、そういうのはたぶん、人間じゃないんだよ。
(1)クリストファー・ウォーケン、『ディア・ハンター』(78)…トップ画像
「あっち側」にいってしまった彼は、ロシアンルーレットによって精神の均衡を保とうとする。
好演するデ・ニーロやジョン・カザール、メリル・ストリープが霞んでしまう狂気の演技。
(2)デニス・ホッパー、『ブルーベルベッド』(86)
「こっち側」に居た青年が、「あっち側」を覗く物語。
「あっち側」の住人、「マミー!」と叫ぶホッパーの不気味な瞳は、夢にまで出てきそうな迫力。
どうやって演出したのだろう? と思ってしまう怪演だが、たぶんリンチは「好きにやってくれ」くらいしかいっていないのではないか。
(3)イザベル・アジャーニ、『ポゼッション』(81)
「あっち側」に取り憑かれたヒロインは、絶叫と嘔吐を繰り返す。
意味が分からないが傑作―そう思えるほど、アジャーニ迫真の演技に圧倒される。
(4)ロバート・デ・ニーロ、『アンタッチャブル』(87)
カポネになりきる名優。
デ・ニーロ「アプローチ」は論じ始めたら切りがないが、今回は髪の毛を抜き、増量してみせたこの映画を選出してみた。
ラモッタやトラビスの役作りは狂気じみているが、これは(なぜか)楽しそう。
(5)松田瑛子、『愛のコリーダ』(76)
運命の女、定を演じる。
本番撮影をこなしたから・・・ではなく、定を可愛らしく演じているのがすごいと思った。
(6)ジョー・ペシ、『カジノ』(95)
歩く瞬間湯沸かし器。
高音で早口、すぐ手も出す。
親友デ・ニーロに生意気な口を聞いたからって、万年筆で首を刺すことはないじゃないかー!
(7)浅野忠信、『殺し屋1』(2001)
暴力性が爆発していく『[Focus]』(96)も捨て難いが、ほとんど主役を喰っているという点で、印象に残るのはこのキャラクター。
煙草を吸い、頬から煙を出すシーンは何度観ても笑える。
(8)ジョディ・フォスター、『タクシードライバー』(76)
ティーンエイジャーが「どっしり」構えた演技で、少女娼婦になりきる。
もうこれ以上、いうことはない。
(9)緒形拳、『復讐するは我にあり』(79)
実録風に仕上げられているため、緒形さんを知らなければホンモノの殺人鬼に見える。
この映画に関しては、脇を固める三國連太郎も倍賞美津子も小川真由美も、みんなすごい。
(10)ジャッキー・チェン、『ポリス・ストーリー/香港国際警察』(86)
身体能力も、演技力のうち―と考えれば、このひとの無茶なアクションにも一票入れねばなるまい。
※エンニオ・モリコーネ、最高の仕事だと思う
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『信長はベタなんだってさ』
監督至上主義ゆえ、どうしたって作家性で映画を捉えがちな自分。
だから敢えて、内容もいいけど俳優がいちばんすごい! と思える映画を選出。
しかしやってみたら、今回の企画のなかでは最も分かり易いというか、オーソドックスなものが並んだなぁ、、、という印象が。
つまりあれだ、みんながすごい! というもの、一般的に評価が高いものは、やっぱり素晴らしいということなのだろう。
異端の映画小僧を気取って? はいるが、そこらへんの感覚はみんなと一緒ですよと。
自主制作をやっていたころ、何度かカメラの前で演技をしたことがあるが、
まーず、ひどいものだった。
よく「学芸会レベル」という表現があるが、学芸会にもなっていない。
結論。
カメラの後ろに立つべきひとと、前に立つべきひと。
きっちり役割分担があるのだから、調子こいて色々やるべきではない。
両方出来るひとも居るが、そういうのはたぶん、人間じゃないんだよ。
(1)クリストファー・ウォーケン、『ディア・ハンター』(78)…トップ画像
「あっち側」にいってしまった彼は、ロシアンルーレットによって精神の均衡を保とうとする。
好演するデ・ニーロやジョン・カザール、メリル・ストリープが霞んでしまう狂気の演技。
(2)デニス・ホッパー、『ブルーベルベッド』(86)
「こっち側」に居た青年が、「あっち側」を覗く物語。
「あっち側」の住人、「マミー!」と叫ぶホッパーの不気味な瞳は、夢にまで出てきそうな迫力。
どうやって演出したのだろう? と思ってしまう怪演だが、たぶんリンチは「好きにやってくれ」くらいしかいっていないのではないか。
(3)イザベル・アジャーニ、『ポゼッション』(81)
「あっち側」に取り憑かれたヒロインは、絶叫と嘔吐を繰り返す。
意味が分からないが傑作―そう思えるほど、アジャーニ迫真の演技に圧倒される。
(4)ロバート・デ・ニーロ、『アンタッチャブル』(87)
カポネになりきる名優。
デ・ニーロ「アプローチ」は論じ始めたら切りがないが、今回は髪の毛を抜き、増量してみせたこの映画を選出してみた。
ラモッタやトラビスの役作りは狂気じみているが、これは(なぜか)楽しそう。
(5)松田瑛子、『愛のコリーダ』(76)
運命の女、定を演じる。
本番撮影をこなしたから・・・ではなく、定を可愛らしく演じているのがすごいと思った。
(6)ジョー・ペシ、『カジノ』(95)
歩く瞬間湯沸かし器。
高音で早口、すぐ手も出す。
親友デ・ニーロに生意気な口を聞いたからって、万年筆で首を刺すことはないじゃないかー!
(7)浅野忠信、『殺し屋1』(2001)
暴力性が爆発していく『[Focus]』(96)も捨て難いが、ほとんど主役を喰っているという点で、印象に残るのはこのキャラクター。
煙草を吸い、頬から煙を出すシーンは何度観ても笑える。
(8)ジョディ・フォスター、『タクシードライバー』(76)
ティーンエイジャーが「どっしり」構えた演技で、少女娼婦になりきる。
もうこれ以上、いうことはない。
(9)緒形拳、『復讐するは我にあり』(79)
実録風に仕上げられているため、緒形さんを知らなければホンモノの殺人鬼に見える。
この映画に関しては、脇を固める三國連太郎も倍賞美津子も小川真由美も、みんなすごい。
(10)ジャッキー・チェン、『ポリス・ストーリー/香港国際警察』(86)
身体能力も、演技力のうち―と考えれば、このひとの無茶なアクションにも一票入れねばなるまい。
※エンニオ・モリコーネ、最高の仕事だと思う
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明日のコラムは・・・
『信長はベタなんだってさ』