追悼文が好きだ。
訂正、追悼文を書くことが好きだ。
ふだんのコラムよりも力が入るし、
じつをいうと、メインのシナリオ執筆よりも好きだったりする。
しかし追悼文は、「書きたい」と思ったからといって、すぐに書けるものでもない。
誰かが死ななければ追悼文は生まれず、
極端なことをいえば、ひとが死ぬのを待っている、、、ということになり。
我ながら趣味が悪いとは思うが、好きなんだからしょうがない。
敬意を表しつつ、でも称えるばかりでなく、そのひとの傷口にも触れて―というのが理想で、
目標をいえば、黒澤を追悼した石堂淑朗の文章、ああいうのを書きたい。
当然、様々な識者による追悼文にも目を通す。
長ければいいってものではない―というのを痛感したのは、椎名林檎(トップ画像)による中村勘三郎への追悼文に触れたときだった。
「無責任に褒めそやすのではなく、たくさん叱ってもくださったのです。本質的に味方するか/関与しないか。常々覚悟の決まった鯔背(いなせ)なかたでした」
ガツンとやられたね。
こういうの書きたいよ、いつの日か。
というわけで。
きょうのテーマは、追悼文にちなんで「映画監督の遺作ベストテン」。
これまた趣味が悪いが、これ選出していて気づいたことがある。
処女作ベストテン(明日掲載予定)は楽々と決まるが、遺作から選出するっていうのは「そーとー」難しいってこと。
このリストには信奉する黒澤の遺作(=93年の『まあだだよ』)が入っていない。
フェリーニもチャップリンも入らない。
なぜか。
全キャリアを通して見た場合、彼らの遺作はけっして成功作とはいえないから、、、である。
エラソーにいってしまったが、実際そういうものかもしれない。
新藤兼人のように「これが最後の作品」と決めて撮るひとのほうが珍しく、「次、その次」と考えているうちに息絶えてしまったわけだから、
「これを遺作にしよう」と決めて撮れば覚悟もちがうであろうし、そもそも「まったく別の物語」を撮った可能性だってある。
作品をコントロールする指揮官が、自分の人生はコントロール出来なかった―という点に人生の面白さみたいなものがあって、
なんかきょうの自分は、えらく生意気だが、あぁそれはいつものことかもしれないな、、、と開き直って結論をいえば、
その結果、ふだんはコラムで取り上げないような映画作家が並ぶことになって、これはこれで面白いなと。
(1)ルキノ・ヴィスコンティ、享年69歳
『イノセント』(75)
(2)小津安二郎、享年60歳
『秋刀魚の味』(62)
(3)ピエル・パオロ・パゾリーニ、享年53歳
『ソドムの市』(75)
(4)テッド・デミ、享年39歳
『ブロウ』(2001)
(5)新藤兼人、享年100歳
『一枚のハガキ』(2010)
(6)スタンリーキューブリック、享年70歳
『アイズ ワイド シャット』(99)
(7)サム・ペキンパー、享年59歳
『バイオレント・サタデー』(83)
(8)大島渚、享年80歳
『御法度』(99)
(9)デヴィッド・リーン、享年83歳
『インドへの道』(84)
(10)黒木和雄、享年75歳
『紙屋悦子の青春』(2006)
※何度観てもしびれる予告編。予告編グランプリがあったら、まちがいなくベストワン。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『処女作ベストテン』
訂正、追悼文を書くことが好きだ。
ふだんのコラムよりも力が入るし、
じつをいうと、メインのシナリオ執筆よりも好きだったりする。
しかし追悼文は、「書きたい」と思ったからといって、すぐに書けるものでもない。
誰かが死ななければ追悼文は生まれず、
極端なことをいえば、ひとが死ぬのを待っている、、、ということになり。
我ながら趣味が悪いとは思うが、好きなんだからしょうがない。
敬意を表しつつ、でも称えるばかりでなく、そのひとの傷口にも触れて―というのが理想で、
目標をいえば、黒澤を追悼した石堂淑朗の文章、ああいうのを書きたい。
当然、様々な識者による追悼文にも目を通す。
長ければいいってものではない―というのを痛感したのは、椎名林檎(トップ画像)による中村勘三郎への追悼文に触れたときだった。
「無責任に褒めそやすのではなく、たくさん叱ってもくださったのです。本質的に味方するか/関与しないか。常々覚悟の決まった鯔背(いなせ)なかたでした」
ガツンとやられたね。
こういうの書きたいよ、いつの日か。
というわけで。
きょうのテーマは、追悼文にちなんで「映画監督の遺作ベストテン」。
これまた趣味が悪いが、これ選出していて気づいたことがある。
処女作ベストテン(明日掲載予定)は楽々と決まるが、遺作から選出するっていうのは「そーとー」難しいってこと。
このリストには信奉する黒澤の遺作(=93年の『まあだだよ』)が入っていない。
フェリーニもチャップリンも入らない。
なぜか。
全キャリアを通して見た場合、彼らの遺作はけっして成功作とはいえないから、、、である。
エラソーにいってしまったが、実際そういうものかもしれない。
新藤兼人のように「これが最後の作品」と決めて撮るひとのほうが珍しく、「次、その次」と考えているうちに息絶えてしまったわけだから、
「これを遺作にしよう」と決めて撮れば覚悟もちがうであろうし、そもそも「まったく別の物語」を撮った可能性だってある。
作品をコントロールする指揮官が、自分の人生はコントロール出来なかった―という点に人生の面白さみたいなものがあって、
なんかきょうの自分は、えらく生意気だが、あぁそれはいつものことかもしれないな、、、と開き直って結論をいえば、
その結果、ふだんはコラムで取り上げないような映画作家が並ぶことになって、これはこれで面白いなと。
(1)ルキノ・ヴィスコンティ、享年69歳
『イノセント』(75)
(2)小津安二郎、享年60歳
『秋刀魚の味』(62)
(3)ピエル・パオロ・パゾリーニ、享年53歳
『ソドムの市』(75)
(4)テッド・デミ、享年39歳
『ブロウ』(2001)
(5)新藤兼人、享年100歳
『一枚のハガキ』(2010)
(6)スタンリーキューブリック、享年70歳
『アイズ ワイド シャット』(99)
(7)サム・ペキンパー、享年59歳
『バイオレント・サタデー』(83)
(8)大島渚、享年80歳
『御法度』(99)
(9)デヴィッド・リーン、享年83歳
『インドへの道』(84)
(10)黒木和雄、享年75歳
『紙屋悦子の青春』(2006)
※何度観てもしびれる予告編。予告編グランプリがあったら、まちがいなくベストワン。
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『処女作ベストテン』
崩れてしまう愛は 結婚は 止めようがないこともあるのかと
それにしても新藤兼人さんは100歳~凄いですね~!!