2001年10月28日(日)
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ジョニー・ウィンター・アンド「LIVE」(COLUMBIA CK 30475)
1.GOOD MORNING LITTLE SCHOOL GIRL
2.IT'S MY OWN FAULT
3.JUMPIN' JACK FLASH
4.ROCK AND ROLL MEDLEY:
GREAT BALLS OF FIRE
LONG TALL SALLY
WHOLE LOTTA SHAKIN' GOIN' ON
5.MEAN TOWN BLUES
6.JOHNNY B. GOODE
ジョニー・ウィンター・アンドのセカンドにしてライヴ・アルバム。71年リリース。フィルモア・イースト、フロリダのパイレーツ・ワールドにて録音。
パーソネルは、ジョニー・ウィンター(g,vo)、リック・デリンジャー(g,vo)、ランディ・ジョー・ホッブス(b)、ボビー・コールドウェル(ds)の四人。
「100万ドルのギタリスト」というキャッチ・フレーズで華々しくコロムビアからデビューしたウィンターが、元マッコイズの看板ギタリスト/シンガー、デリンジャーをよんで結成したグループ。
売りはもちろん、ふたりのいずれ劣らぬギター・テクニックと、ワイルドなヴォーカルだ。
異形の大男と、小柄な美青年。見てくれはだいぶん対照的なふたりだが、音楽的な指向はバッチリ合っていて、デビュー盤から見事なコンビネーション・プレイを聴かせてくれた。
そんな実力派の彼らの、本領が最も発揮されたライヴ盤。
とにかくオープニングの(1)から、もう飛ばす飛ばす。
オリジナルはもちろん、サニーボーイ一世だが、ヤードバーズやアルヴィン・リー率いるテン・イヤーズ・アフターらもカバーしているこのナンバーを、ハイパーアクティヴなロックン・ロールに仕上げているのだ。
ウィンターもデリンジャーも、ひたすら速いパッセージを何の造作もなく引き倒す。しかも、ただ速いだけでなく、ノリが抜群によい。
その底力、恐るべし。
ウィンターのラフでがなるようなヴォーカル・スタイルも実にサマになっているんだな、これが。
続いて、曲調は一変、スロー・ブルースの(2)となる。これは、B・B・キングの代表曲。自分のもとを去っていった女にわびる歌だ。
歌詞はだいぶんウィンター流にはアレンジしているが、そのディープな歌いっぷりはキングにも迫るものがある。
もちろん、ウィンターのファイヤーバード、デリンジャーのレスポール、ふたりの「泣き」のギターも最高。ハンパな黒人ブルーズマンなんか、かすむプレイだ。
スピード・プレイ、思いきりタメたプレイ、何でもござれというところが彼らのスゴいところだ。
「弾きすぎ」という評も一方ではあるだろうが、彼らのプレイは前向きに突進していくタイプなので、「重さ」がなく、聴いていて腹にもたれるということがない。いくらでも聴ける、という感じだ。
そして前半ラストはストーンズの大ヒット、(3)。もう、何のてらいもなく、やりたい曲をやり倒す、こういうところが好きだな~。痛快この上ない。
ストーズにもひけを取らぬドライヴ感、ワイルドな存在感。これを聴いて体の血が騒がないやつはロックを聴かなくともよろしいです、という感じ。
後半はメドレーものの(4)から。ウィンターのオールド・ロンクンロール趣味を前面に押し出した選曲だ。
まずはジェリー・リー・ルイスの大ヒット、「火の玉ロック」。続いて、リトル・リチャードの代表曲、ビートルズのカバーでもおなじみの「のっぽのサリー」。そしてとどめは「ホール・ロッタ・シェイキン・ゴーイン・オン」。もちろんこれも、ジェリー・リー・ルイスのヒット。
息もつかせぬスピード・プレイでゴリゴリ押しまくる。で、それがやたらと気持ちよい。
(5)はウィンターのオリジナル。彼のスライド・ギターをフューチャーしたアップ・テンポのブルース・ナンバー。
彼のソロもさることながら、デリンジャーのギターとの掛け合いも実にエキサイティング。
ファイヤーバードを弾いているさまが目に浮かぶよう。「ブルースマニア」なウィンターの側面が堪能できる一曲だ。
ラストは例によって「ROCK'N'ROLL!!」の掛け声とともに始まる、「ジョニー・B・グッド」。
オリジナルのチャック・ベリーに負けじとバリバリ弾きまくり、わめきまくるウィンター。
40分間、とにかくしちめんどくさい理屈は一切なし、聴いてノレる、踊れる、そういうロックンロールとブルースのテンコ盛り。
シンプルなものが一番説得力がある、ということを実感させる一枚。たまにはこういうのを聴いて、カチカチになった頭をほぐしてみましょ。