僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

<T-3>

2006年12月02日 | SF小説ハートマン
「では少し難しい質問をしよう。雷と雨はどちらも空から落ちてくるが、雷と雨はどこが違うかな?」
「違うって、全然違うでしょう。雷は電気だし、雨は水だし。」

「それだよ宇宙君。」
「えっ?」
「ビーム砲とガトリング砲だ。」
「・・・・・」

「雷のエネルギーは地下のプロトンサーキットに蓄電され、落雷の危険がある地区にそれを放出することで中和させることができる。この発明で活動範囲が広がった惑星は多いはずだ。」

「雨が降ったら屋根の下に入るか傘をさすんですね。うん、分かりました!電気的エネルギーのバリアーではダメなんだ。」
「そうだ宇宙君、今回使われたガトリング砲は当時ファランクスと呼ばれていたものだ。多少手を加えたが1分間に10000発程の金属弾を発射する。近づければそのうち2-3発は当たるだろう。それで充分だ。」

「宇宙空間で船体に穴があいたら致命的ですね。」
「と言うわけだ、宇宙(ひろし)君。射程内まで接近されなければ全然問題ないのだが。」
「敵に攪乱されました。」
「そうだったね。通常こんなに接近することはあり得ない。敵にとってもリスクが大きいからだ。」
「ということは、ぼくが見限られたってことですね。」
「そうゆうことになるな。」

「あの攻撃機に乗っていたのは誰だったんですか?」
「うーん、あれは<T-3>というサプライチームのスーパーシリコンマシンだ。脳内コンピュータではない。だから宇宙(ひろし)君バイオリストコンピュータとは考え方が違うようだ。だが戦闘専門機だからね、百戦錬磨と言っていいだろう。」

「かなわない訳ですね。」    つづく
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする