僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

種のひみつ

2006年12月11日 | SF小説ハートマン
ハートマンは長いお話です。ブログ左側のカテゴリから「SF小説ハートマン①」を選択していただき、最初から読んでいただくと少しは面白いかも知れません。。。

宇宙(ひろし)はセクションの資料室に籠もりメモリの項目を閲覧していた。トントについて知りたかったからだ。フウセンカズラのことが分かれば、きっとトントのことも分かるに違いないという思いがあった。

「トント」「カメムシ」のキーワードではヒットしなかった。銀河のあちこちでハートマンをナビゲートするものは多種多様の生き物だからかも知れない。あきらめかけた時、メモリのカテゴリーの中に「ふうせんかずら」を発見した。

メモリに関するファイルは何層にも積み上がったフォルダーに分類されていた。根気よく探っていく。10分、20分、時間が経つのも忘れて次々にファイルを開いてみた。
そしてついに見つけた。教育補助生物の記録、トントだ。宇宙が眠りについた後、トントは種のメッセージを使い、バイオリストコンピュータの調整を行っていた。それが宇宙の体験した夢だ。
種についての記録もあった。それは外部メモリーであり、未来からのメッセージを受信する通信用モデムの役を果たす。

特殊な配列のDNAがメモリーの機能を持っていることはずいぶん前から分かっていることだ。DNAを持つ生命体は皆その体にメモリーを受け継いでいる。生命体が持つDNAの解析はほぼ終了している。外部からの刺激によってメモリを読み込むことも可能になった。だが情報を書き込む方法については未だ解明されていない。この種のを分析することで答えが見つかるかも知れない。大体そんな内容の記述だった。   つづく
コメント (13)
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