夕方の電車です。
もう座席は埋まっていて、乗り込む人は銘々につり革につかまります
マイムはドアにもたれて、いつもの人間ウォッチングです。
明らかにちょっと危ない人が乗り込んできました。=A
(自分の近くに来るなよ…)
無精ヒゲ、よれよれの服、定まらない視線、手に焼酎の大型ペットボトル、
(まだ若いのにアル中かよ…)
時々顔をゆがませ怒りとも笑いとも取れる表情をしている。
(何かが起きる予感…)
ドアから2人目のつり革につかまると同時にドアが閉まった。
発車の揺れでバランスを崩したAは、ドンッと床を踏んで顔を歪める。
Aの前の席に座っていたヤクザのあんちゃん風な男=Bは、その音で視線を上げた。
(寝ていればいいのに…)
三白眼でじろっと見上げるその横顔に険悪な雰囲気が漂う。
(こいつも危ないぞ…)
がたんごとんと電車は走る、30秒ほど日常の平穏な空気がそこにはあった。
突然Aがドンッと床を踏みつけ、首を数回(ビートたけしのように)小刻みに痙攣させる。
Bがうさんくさそうに見上げる。
30秒後、再びAが同じ動作を繰り返した。
(こりゃぁ完全に逝ってるな…)
まわりの人たちがすすす~っと引いていく。白い空気が支配し始めた。
じーっと見上げていたBの顔が醜く捻れて口元が引きつっていく。
突然
「ざけんなこのやろぅ、うぜぇんだよ!」
乗客の視線が一瞬泳ぐ、手に汗握る展開。
先手は予想を裏切ってBだった。
(さて、次の1手は…)
観察する横目に思わず力が入る、そして…。
(どうなったか知りたいですか?)
もう座席は埋まっていて、乗り込む人は銘々につり革につかまります
マイムはドアにもたれて、いつもの人間ウォッチングです。
明らかにちょっと危ない人が乗り込んできました。=A
(自分の近くに来るなよ…)
無精ヒゲ、よれよれの服、定まらない視線、手に焼酎の大型ペットボトル、
(まだ若いのにアル中かよ…)
時々顔をゆがませ怒りとも笑いとも取れる表情をしている。
(何かが起きる予感…)
ドアから2人目のつり革につかまると同時にドアが閉まった。
発車の揺れでバランスを崩したAは、ドンッと床を踏んで顔を歪める。
Aの前の席に座っていたヤクザのあんちゃん風な男=Bは、その音で視線を上げた。
(寝ていればいいのに…)
三白眼でじろっと見上げるその横顔に険悪な雰囲気が漂う。
(こいつも危ないぞ…)
がたんごとんと電車は走る、30秒ほど日常の平穏な空気がそこにはあった。
突然Aがドンッと床を踏みつけ、首を数回(ビートたけしのように)小刻みに痙攣させる。
Bがうさんくさそうに見上げる。
30秒後、再びAが同じ動作を繰り返した。
(こりゃぁ完全に逝ってるな…)
まわりの人たちがすすす~っと引いていく。白い空気が支配し始めた。
じーっと見上げていたBの顔が醜く捻れて口元が引きつっていく。
突然
「ざけんなこのやろぅ、うぜぇんだよ!」
乗客の視線が一瞬泳ぐ、手に汗握る展開。
先手は予想を裏切ってBだった。
(さて、次の1手は…)
観察する横目に思わず力が入る、そして…。
(どうなったか知りたいですか?)