「よし、じゃぁ行くか。」
お父さんが言った。
「受験票、集合時間表、ハンカチ、ティッシュ、上履き、ブラシ、着替え、携帯のスイッチ、…」
用意していたチェックノートを僕が読み上げる。ママは確認して、ハイよし、とかOKとか応える。
「いい天気でよかったな。おととしは確か大雨だったぞ。」
「そうらしいわね。本当に良かったわ。今日は朝から気持ちいい天気よね。」
「宇宙は早起きして偉いな。体操の練習もやったのか。」
「うん、別に練習じゃないけどね。ラジオ体操もやっちゃった。」
「そんな格好で寒くないのか?」
「あらパパ知らなかったの?宇宙は夏からずっと半袖よ。」
「僕全然寒くないよ、ジャンパー着なくても平気。」
「そうか、一年中半袖なら安上がりでいいな。」
「学校まではあったかくして行こうね。向こうに着いたら半袖で頑張ってね。」
「大丈夫だよ。でもママ、またパパって言ったよ。大丈夫なの?」
「あら、ホントね。お父さんお父さんお父さん…どうしましょう。」
「大丈夫、大丈夫。もしも面接で言っちゃったって、そんなことで落ちたりしないよ。」
「そうよね。」
ママは困ってるみたいなことを言ってるけど、顔は笑っている。
「ねえお父さん。南極って寒いんだよね。」
「南極か?あぁ、すごく寒いぞ。半袖じゃぁ死んじゃうかも知れない。」
「すごく寒いのに息が白くならないんだって、本当?」
「うーん、お父さんもそんなこと聞いたことがあるなぁ。本当かどうか見たことは無いけど。」
「あらそうなの?お父さん、それってどうしてなの?」
「あっママ偉い!お父さんって言った。」
ママは片目をつむって僕にピースをした。
「多分それはね、南極は空気がとっても澄んでいてきれいなので吐く息の水蒸気がくっつく核が無いんだ、とかいう理由らしいよ。」
「ふーん。」
僕とママは同時に返事をしたけれど、お父さんの説明が分かった訳ではなかった。
お父さんが言った。
「受験票、集合時間表、ハンカチ、ティッシュ、上履き、ブラシ、着替え、携帯のスイッチ、…」
用意していたチェックノートを僕が読み上げる。ママは確認して、ハイよし、とかOKとか応える。
「いい天気でよかったな。おととしは確か大雨だったぞ。」
「そうらしいわね。本当に良かったわ。今日は朝から気持ちいい天気よね。」
「宇宙は早起きして偉いな。体操の練習もやったのか。」
「うん、別に練習じゃないけどね。ラジオ体操もやっちゃった。」
「そんな格好で寒くないのか?」
「あらパパ知らなかったの?宇宙は夏からずっと半袖よ。」
「僕全然寒くないよ、ジャンパー着なくても平気。」
「そうか、一年中半袖なら安上がりでいいな。」
「学校まではあったかくして行こうね。向こうに着いたら半袖で頑張ってね。」
「大丈夫だよ。でもママ、またパパって言ったよ。大丈夫なの?」
「あら、ホントね。お父さんお父さんお父さん…どうしましょう。」
「大丈夫、大丈夫。もしも面接で言っちゃったって、そんなことで落ちたりしないよ。」
「そうよね。」
ママは困ってるみたいなことを言ってるけど、顔は笑っている。
「ねえお父さん。南極って寒いんだよね。」
「南極か?あぁ、すごく寒いぞ。半袖じゃぁ死んじゃうかも知れない。」
「すごく寒いのに息が白くならないんだって、本当?」
「うーん、お父さんもそんなこと聞いたことがあるなぁ。本当かどうか見たことは無いけど。」
「あらそうなの?お父さん、それってどうしてなの?」
「あっママ偉い!お父さんって言った。」
ママは片目をつむって僕にピースをした。
「多分それはね、南極は空気がとっても澄んでいてきれいなので吐く息の水蒸気がくっつく核が無いんだ、とかいう理由らしいよ。」
「ふーん。」
僕とママは同時に返事をしたけれど、お父さんの説明が分かった訳ではなかった。