僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

プールサイドストーリー…泳法別①

2017年11月05日 | ケータイ小説「パトスと…」

 

 

 

 

ユキオは早速応募することにして、説明会に参加した

 

毎回体温と血圧を測定し、看護師の問診を受けること

シャワーは浴びずに開始時間までプールサイドで待つこと

キャップには名前を書いた布を貼り付けること

など、注意点を確認する

 

「あなたも受けるの?なに、平泳ぎ?」

 

声をかけてきたのは、いつもプールで顔なじみの金子さんだ

噂に聞いたところでは、中国残留孤児なのだそうだ

金子さんという名前も、中国で金という名字を

日本では金子とか金沢に直す人が多いのだそうだ

 

「はいっ一緒なんですね、いやぁ心強いな」

「何言ってんの、こんなお婆さんじゃ何の役にもたたないわよ」

 

「でも、知ってる顔って1人だけですよ」

「そう言えばそうねぇ」

 

「ちゃんと泳げるようになりますかね」

「アタシはそれより血圧が心配よ」

 

「高いんですか?」

「ほら、基準が160/90以下ってことじゃない、アタシはぎりぎりかも」

 

「適当に書いちゃえばいいじゃないですか」

「ほら、あそこに座ってる看護師、あの人が厳重にチェックしますって言ってたよ」

 

「まぁまぁ大丈夫ですよ、いつも泳いでるんだし」

「ならいいけど…」

 

 

 

と言うわけで泳法別水泳教室が始まるのだ

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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