リョウの近況

筆不精のリョウが親・子・兄弟・親戚・友人・知人・幼なじみ達と彼らの友人達にお届けする究極のエコ便りです。

一人旅(ハラホリン) 2日目(その2)

2010-12-05 01:26:57 | 旅行
サェンバェノー!

一人旅から随分日にちが経ってしまいましたがこの旅ではモンゴルのあまり知られていない文化を沢山吸収してきたのでそれをお伝えしたいと思い頑張って書き続けることにします。
また自分の貴重な思い出でもありますので最後までお付き合いください。(最後はいつになるのやら?)

8月17日(火)エルデニーゾーを見学の後「トッフン寺院」に向います。
ここはこの旅で私が一番楽しみにしている場所でもあります。
海抜2,000mを超える岩山に立っている木造の仏教寺院でその寺院の裏の険しい崖をよじ登ると洞窟が2ヵ所あってそこは聖地とされています。
そのうちの1つは人がやっと通り抜けることができるくらいの大きさです。
その洞窟は胎内と同じでここを回ってくると身も心も洗われて新しく生まれ変わると信じられています。
ここもオボー(1日目参照)と同じで時計回りに回るそうです。
そしてこの岩山の頂上にもオボーがあるそうですがこの頂上は女人禁制なんだそうです。

車は一路この「トッフン寺院」を目指して快調に進みます。
1時間くらい走って大きなオルホン川を渡りました。
こんな大きな川を車で渡るのは初めてです。
興奮して「すごーい!、すごーい!」を連発しながら川面を見ていたら写真を撮るのをすっかり忘れていました。
帰りにこの道は通らないと言うので運転手にお願いしてUターンしてもらい車での川渡りを3度も楽しんできました。
下はその1枚です。写真をクリックすると大きい画像になります。


その後山越えをし2時間くらい走ったら次第に雲行きが怪しくなってきました。
遠くで雷の音も聞こえます。
入山のための料金所で今年は雨が多かったから山頂までは車で行けないと言われました。
目的地は下の写真のほぼ中央、はげ山のように見えるあたりの少し左の岩山です。
そして画面では見えませんが左の方には真っ黒い雲と稲光が見えます。
ちょうど着いた頃には最悪な状態ではないかと嫌な予感。


20分くらい走ると山の麓に着きました。
やはりここからは地盤が緩んでいるので車では難しい、馬か徒歩で登ってくれと言われました。
この時点ではまだ雨は降ってはいないけど完全に雨になること間違いなしの状態です。しかもかなり激しい雷付きで。

馬でも徒歩でもいいけれど途中で雨になるのが怖くて私は「雷が怖いのでせっかくここまで来たけれど今日は諦める。モンゴルに住んでいるのでまた来年来ます。」と言ったのです。運転手と係りの人がなにやら世間話でもしているのかと思ったら急にゲートが開いて車はそのまま進んで行きました。ダメかもしれないけれど行けるところまで行ってみようと言うのです。
正直ラッキーと思いました。雨は避けられないだろうけれど雨が止むまでは車の中で待機していればいいんだからと。

ところが・・・・・。
思った以上に山道はぬかるんでいてランドクルーザーでもタイヤが空回りして先へ進めなくなってしまいました。20mくらい離れたところでもジープが立ち往生してタイヤの空回りの音だけが聞こえます。
私はもうここまででいい、引き返そうと思いましたが運転手はせっかくここまで来たんだからここから歩いて行こうと言うのです。あと500mくらい歩けばいいだけだというのです。

そんな話をしている時にとうとう雨と雷がやってきました。雨と言うより豪雨です。
この豪雨もすぐ通り過ぎると言うし500mと言う言葉に心が揺れ動き雨が小降りになるまで待つことにしました。
クッキーで腹ごしらえをしながら待っていると何と今度は直径1cm位の雹が降ってきました。
う~ん、残念! 私はこの時点で本当にこの「トッフン寺院」に行くのを断念しました。
本当に残念でなりませんでしたがここでかなりの時間を費やしてしまったという思いもあったので諦めることを選択しました。

しばらくすると天気も回復してきたので下山することにしたのですがこの下山がとても大変なことになるとはこの時点ではまだわかりませんでした。
車がやっと1台通れるくらいの山道は多少のカーブはあるもののほぼ直線というかんじです。
左右に潅木が生い茂る山道は川のようになっていました。幸いなことに崖はないので怖くはありませんでした。

天気はすっかり回復し陽が照ってきたので私は車から降りて誘導係りです。
小枝や石が道をふさいでいます。私はそれらを取り除いたり深くえぐられてできた水溜りにその石や小枝を投げ入れたりして少しでも走りやすいように道を整えていきました。
運転手は10mくらいバックで下り樹と樹の間が少し広いところで何度も何度もハンドルを切り返して方向転換し少しは楽になったようです。
スリップもするので2・30cmくらい進んでは止まり進んでは止まり、5mくらい進むと車から降りて道の状態と道幅を確認し、また同じ事を何度も繰り返しながら下山してきました。

登り30分、下り2時間くらいかかりました。後で考えると登ったのはわずか300mくらいだったと思います。
ゲートの前の茶屋?で暖かいスーテー・ツァエ(ミルクティー)を飲みホーショル(揚げ餃子)を食べて遅い昼食にしました。
下の写真は下山した時に撮ったものです。空がきれいでしょ?


次の目的地は「オルホン滝」見学、今日の宿泊地でもあります。
山越えをし草原を2時間走って18時ちょうどに目的地に着きました。道中時々雹が降り外気はー1℃でした。
この滝はモンゴルでは最大の滝ということでモンゴル人は是非見てくるようにとお勧めの観光地なのですが日本ではおそらく無名の滝の部類に入ると思われるほど小さな滝なのです。落差24m、巾5~10mくらいなのですから。

しかし草原の中に突然滝を目にするのですから驚きました。
運転手に「もうすぐです。あそこです。」と指を指されても見えるのはゲル(家)だけです。
すぐ近くまで行ってやっとわかりました。
それは草原の中を流れる川の水路が突然陥没して大きな穴が出来たのかと思うようなものでした。
資料によると「オルホン川が溶岩台地を浸食してできた滝」と書かれていました。
写真ではちょっと分かりづらいと思いますが回りは平坦な草原です。
柵やロープなどは何もありません。(お子様連れは充分ご注意を)


上の写真の右側に滝壺まで降りていける所があるので下まで行ってきました。某ガイドブックには下まで行けるようだがどこから降りるのかは不明と書いてありましたがそれも納得です。
日本だったらとても危険でそんなところを降りて行こうなんて誰も思わないでしょう。
私は75歳のおばあさんがそこを降りて行く写真を見ていたので私も大丈夫だと思い下まで行きたいと思ったのでした。


下に降りて川辺を歩いているとき流れる水の色が違うことに気付きました。
聞いてみるとここは2つの川の合流地点で、奥の方の水が濁っているので北の方には雨が降ったけれどこの辺りは降らなかったということでした。確かに北の方は雨でした。


1時間ほど散策をして車に戻ると1人のおじさんがやってきてミュージアムを見ていかないかと言うのでちょっと覗いてみました。石や潅木などで自然に出来たオブジェが並べられていました。動物や人の形をした物ばかりですが見事な物ばかりで楽しめました。おじさんが手品をしてくれたり楽しい人でした。

しかし何か気になるのですが、このおじさんの他に奥さん?息子?孫?と言う人も私たちと一緒にこのミュージアムに入ってきて一緒に私たちの話の輪に入っているのです。
車でこの滝に到着した時10人くらいの人が来て今日はウチに泊まってくれと客引きに来ていましたがその人たちはもういませんでしたがこの3人はずっと離れないのです。
見学を終え外に出て別れを告げた後運転手がおじさんとヒソヒソ話を始めました。(私はモンゴル語はわからないのに何もここでヒソヒソ話なんかしなくてもとちょっとムカッ!)
車に乗って事情がわかりました。奥さんと息子だと思っていたのは実は宿の人でした。2人ともが自分のゲルに泊まってくれと言ってずっと離れなかったので運転手はどちらかに決めかねておじさんにどっちの方が評判がいいかを聞いていたそうなのです。

おじさんが言うには男の方は普通、女の人の方は食事が美味しいと評判がいいと言っていたそうです。
先に男の人のゲルを運転手が偵察「ダメだ、部屋が汚い」と言うことで少し離れた女の人の宿に泊まることにしました。
評判通り食事も美味しく部屋も綺麗だしとても感じが良く気持ちよく泊まれました。
娘さんが9月からウランバートルの大学に入るそうで観光業を勉強し日本語を専攻するそうです。片言の日本語ですが日本人と話ができて嬉しいと言ってくれました。

寒いので夕飯はゴリルタィ・シュル(肉うどん)にしました。
外は豪雨です。時折雹も降っているようです。
雨がゲルにしみ込んでくるのではないかと心配でしたが大丈夫でした。(ゲルはフエルトで出来ているのです)

ハラホリン2日目も静かに更けていきました。





















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2 コメント

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想像で (おせっちゃん)
2010-12-05 17:21:09
旅をさせていただいております。ありがとうございます。滝、小さなものとのことですが平らな草原にあるのですね。
確かチュニジアでだったと思いますが、砂漠地帯に湧き水の滝、水のありがたさを思いました。
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おせっちゃんさん (リョウ)
2010-12-05 23:31:52
そうです。チュニジアの砂漠の中にも小さな滝がありましたね。
おせっちゃんさんのチュニジア紀行懐かしく読ませていただきました。時折そのブログも読み返したりしています。
チュニジアでもモンゴルでも水のありがたさが本当によくわかりますね。
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