暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

蓮見の朝茶事(2)  観世音菩薩

2009年07月17日 | 茶事
「蓮見の朝茶事」まで1週間に迫ったある日、
「観世音菩薩」の色紙が「如蓮華在水」というエール
とともに親友から届きました。

れんかは水にあるがごとし・・・どんな所に居ても自分らしく、
きれいな花を咲かせるという意味だそうです・・・アリガトウ!

蓮の花が大好きだったという原三渓は
三渓園・蓮華院で茶会を催したとき、
東大寺三月堂の不空羂索観音がもっていた蓮華を
茶室の琵琶床に飾ったそうです。

待合の色紙は「観世音菩薩」の布絵、蓮の蕾を手にしています。
軸は「清流無間断」。
曇りの無い清き心で流れに身をまかせて精進すれば、
その縁(仏縁、人の縁、茶の縁)は途切れることなく続いていく
と解釈しました。
今日のお客様とのご縁が途切れることなく続きますように・・・と
願いながら掛けました。

朝茶事でしたが、初炭は盆香合です。
香合は、明治39年に東大寺大仏殿の修復古材で作られた「一蓮弁」。
百年くらい前のものですが、エメラルドグリーンの蓮弁が鮮やかで
お気に入りの香合です。

風炉中拝見のとき、遊び心で七宝のカエルを香炭の上に置きました。
ぎょっと驚かれたお客さまもいらしたようで、ウ、ウレシイ・・・です。

懐石は伏せ傘です。
伏せ傘は始めてというお客さまが多かったのですが、
座が早くなごみますし、時間短縮、亭主の負担軽減になって、
一時やみつきになりました。

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写真は「観世音菩薩」  布絵作家 森下隆子作