

花台にいっぱい春のかおりを載せて・・・三友之式
春の苑紅にほふ桃の花したでる道に出で立つ乙女 大伴家持
3月8日(金)は五葉会でした。
上記の歌の如く、紅にほふ花を手に手に乙女たちが集まり、七事式を修練しました。
その日は思いがけず見学者があり、経験者でしたので席中に入って頂きました。
科目は廻り炭之式(釣釜にて)、結び帛紗花月、三友之式です。
廻り炭之式では埋火をし、その埋火で火を熾すのが目下の課題です。
10時過ぎに開始なので8時頃に炉に炭(胴炭他ほぼ初炭と同じに)を置き、炉中(灰)をしっかり暖めておきました。
亭主はFさん、暁庵は正客でした。
1年ぶりの廻り炭之式ですが、亭主が置いたすべての炭(胴炭を除く)を引き上げるのに苦戦しました。握力がすっかり衰えているのです。
いつも1月になると廻り炭のために泥縄で始める握力増強の訓練だけでは間に合わなくなりました。
1年通してやらなくては・・・と猛反省。何かを成すには継続する努力が必要ですが、飽きやすく訓練がなかなか続かないのであります・・・

五葉会では毎年廻り炭之式を修練しているので、皆さまスムースに炭を上げたり置いたりでき、継続することが大切と思いました。

亭主Fさんが下火を巴半田に上げています・・・廻り炭之式
さて、注目の埋火ですが、亭主Fさんが掘り出し割ってみると、かすかに火色が見えて一同大感激!

これを大事に育てることにしました。
ところが、次の結び帛紗花月が終わっても炉中は暗く、火が熾るのに時間が掛かりそうです。
昼休みに釜を上げ、消し炭を足すとウソのように火勢がつき、湯が沸きました。

午後は三友之式です。
三友之式は、十三代圓能斎によって好まれた式で、花を入れ、香をたき、薄茶を点てるところから名づけられました。
とても優雅な式なので、五葉会の素敵なメンバーとの一交をいつも楽しみにしています。
記念に三友之式の記録を記します(全員薄茶を飲めるように6服点にしました)。
三友之式
白梅 二 宗曉 三
青銅・爵
水仙 椿 宗陽 五
萩耳付
雪起し 椿 五三 宗里 一
古瓦
椿 雪柳 南天 月 六 宗悦 二
小代焼
山茱萸 日光椿 一 宗厚 六
揖保川焼掛花入
椿 雪柳 四主 宗智 四
鉄燈明台



月を引いた宗悦さんが香を焚いています・・・三友之式
4月の五葉会が諸事情で休会となり、今年度最後の五葉会でした。
5月から新年度が始まりますが、新しいメンバーが加わることになりそうです・・・。
気持も新たに体力増強と維持に努め、五葉会を頑張りたいです。皆さまとご一緒に

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