ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

単行本「基礎からわかる無機化学」を読んだ感想は再履修している感じでした

2011年01月09日 | イノベーション
 単行本「基礎からわかる無機化学」(丸善)が発行されました。著者と少し縁があって献本を受けました。


 中学生や高校生の理科離れが増えている時代に、化学を分かりやすく学べる教科書・参考書は重要です。最近は、レアメタル・レアアースについて調べることが増え、無機化学をしっかり学ぶことが重要だと再認識しました。

 この単行本は、おそらく大学生向けに書かれたものだと思います。無機化学というよりは化学そのものを自分で自習するための教科書・参考書のようです。このため、「原子の構造」「周期律表」「化学結合」などの初歩的な入門内容から解説から始まります。基礎的な内容が簡潔な説明によって淡々とテンポ良く進みます。基本的なことが学べますが、きちんと理解することは、予想以上に難しかったです。

 各章の最後に、問題が数個あります。この問題を解くのはかなりの難問です。初歩的なことをしっかり理解していないと、解けそうで解けないのです。例えば、「金属が展性・延性に富むのはなぜか、説明せよ」の問題は、金属結合をしっかり理解していないと、きちんと説明するのは難しいと感じました。説明文をきちんと書くのはなかなか難しいです。

 第7章の「機能性材料」では、半導体材料、固体電解質材料、強誘電体、超伝導体、磁性体の本質を簡潔に解説してくれます。基礎をしっかりと再履修している感じになります。化学の基盤は予想以上に深いものでした。