味覚センサーを搭載した味認識装置を製品化し事業化しているインテリジェントセンサーテクノロジー(神奈川県厚木市)の代表取締役社長の池崎秀和さんにお目にかかりました。
ベンチャー企業の「社長業は多忙なので午後6時過ぎにお会いしたい」とのお返事をいただき、午後6時に池崎さんをお訪ねしました。
小田急線の本厚木駅から南側に車で10分ほど行った工業団地内にある「アンリツの正門を訪ねてください」との指示に従って、アンリツに伺いました。アンリツの研究所からのスピンアウトベンチャー企業と伺っていたので、アンリツの建屋の中にオフィスを構えていることには、何の疑問も持ちませんでした。
池崎さんに平成14年(2002年)1月30日に会社を設立した経緯を伺う時に、一番聞きたかったことは「アンリツから出資を受けているか、アンリツを退社しているのか」ということでした。日本では、大企業からのスピンアウト型ベンチャーは親会社から“尻尾”を切らないケースがよくあるからです。
池田さんに不躾(ぶしつけ)な質問をぶつけると「アンリツからは出資を受けなかった。アンリツの社員は設立時にやめた」とのお答えが返ってきました。
インテリジェントセンサーテクノロジーは味覚センサーを搭載した味認識装置を製品化したことで有名です。
一般の方は、味覚センサーの共同研究相手である九州大学大学院システム情報科学研究院教授の都甲潔(とこうきよし)さんのテレビ番組への出演で、味覚センサーについて知った方が多いのではないかと思います。例えば、日本テレビの「世界一受けたい授業」に2回、出演され、味覚センサーや味認識装置を説明されました。また、NHKのニュース番組などでもよく取り上げられている名物教授の方です。
1998年に当時助手だった都甲さんと、味覚センサーの実用化を目指して共同研究を始めたそうです。アンリツに入社し、研究所に配属された池崎さんは新規事業の種を求めて、都甲さんと共同研究を始めました。
苦心を重ねて、味覚センサーを搭載した味認識装置を製品化し、アンリツは新規事業として同装置を販売し始めました。ところが、2000年ごろから、日本の大手企業では本業のコア事業への選択と集中が盛んになり、アンリツでも事業の選択と集中が実施されました。この時に味認識装置は、通信情報機器をコア事業とするアンリツにとっては、ノンコア事業とみなされ、中止あるいは売却という判断が下されました。
そこで、この製品化の中核メンバーだった池崎さんたち数人が出資し、インテリジェントセンサーテクノロジーを創業し、アンリツから味認識装置事業を引き付いたのでした。
その後も事業では苦労を重ねているとのお話でした。でも、好きな開発と事業に埋没できる喜びを表現していることも事実です。
食品業界は、これからは五感などを数値化した科学的な食品開発が本格化し、味認識装置を用いた食品設計が本格化すると、池崎さんは今後を予想しています。同社の前途は明るいようです。
ベンチャー企業の「社長業は多忙なので午後6時過ぎにお会いしたい」とのお返事をいただき、午後6時に池崎さんをお訪ねしました。
小田急線の本厚木駅から南側に車で10分ほど行った工業団地内にある「アンリツの正門を訪ねてください」との指示に従って、アンリツに伺いました。アンリツの研究所からのスピンアウトベンチャー企業と伺っていたので、アンリツの建屋の中にオフィスを構えていることには、何の疑問も持ちませんでした。
池崎さんに平成14年(2002年)1月30日に会社を設立した経緯を伺う時に、一番聞きたかったことは「アンリツから出資を受けているか、アンリツを退社しているのか」ということでした。日本では、大企業からのスピンアウト型ベンチャーは親会社から“尻尾”を切らないケースがよくあるからです。
池田さんに不躾(ぶしつけ)な質問をぶつけると「アンリツからは出資を受けなかった。アンリツの社員は設立時にやめた」とのお答えが返ってきました。
インテリジェントセンサーテクノロジーは味覚センサーを搭載した味認識装置を製品化したことで有名です。
一般の方は、味覚センサーの共同研究相手である九州大学大学院システム情報科学研究院教授の都甲潔(とこうきよし)さんのテレビ番組への出演で、味覚センサーについて知った方が多いのではないかと思います。例えば、日本テレビの「世界一受けたい授業」に2回、出演され、味覚センサーや味認識装置を説明されました。また、NHKのニュース番組などでもよく取り上げられている名物教授の方です。
1998年に当時助手だった都甲さんと、味覚センサーの実用化を目指して共同研究を始めたそうです。アンリツに入社し、研究所に配属された池崎さんは新規事業の種を求めて、都甲さんと共同研究を始めました。
苦心を重ねて、味覚センサーを搭載した味認識装置を製品化し、アンリツは新規事業として同装置を販売し始めました。ところが、2000年ごろから、日本の大手企業では本業のコア事業への選択と集中が盛んになり、アンリツでも事業の選択と集中が実施されました。この時に味認識装置は、通信情報機器をコア事業とするアンリツにとっては、ノンコア事業とみなされ、中止あるいは売却という判断が下されました。
そこで、この製品化の中核メンバーだった池崎さんたち数人が出資し、インテリジェントセンサーテクノロジーを創業し、アンリツから味認識装置事業を引き付いたのでした。
その後も事業では苦労を重ねているとのお話でした。でも、好きな開発と事業に埋没できる喜びを表現していることも事実です。
食品業界は、これからは五感などを数値化した科学的な食品開発が本格化し、味認識装置を用いた食品設計が本格化すると、池崎さんは今後を予想しています。同社の前途は明るいようです。