ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

「第42回東京モーターショー2011」報告のまだ続きです

2011年12月02日 | イノベーション
 2011年11月30日から開催された「第42回東京モーターショー2011」の報告のまだ続きです。各自動車メーカーの事業戦略を垣間見ることができるモーターショーの展示品を見てきました。

 モータリーゼーションが進展し、成熟した先進国である日欧米市場では、“パーソナルモビリティー”(Personal Mobility)という1人乗りの移動手段の事業化が検討されています。数回前の東京モーターショーでは、トヨタ自動車と本田技研工業(ホンダ)の2社が熱心に、パーソナルモビリティーを展示していました。

 今回はダイハツ工業やスズキなどがパーソナルモビリティーの試作品を展示していました。ダイハツは2人乗りの電気自動車「PICO」を展示していました。





 どこかのテレビ局の報道クルーが熱心に取材していました。

 「PICO」は軽自動車と原動機付き自転車の中間的な使い方を目指したパーソナルモビリティーです。車幅が1000ミリメートルなので小回りが効きます。ピザの配達などに使えそうです。家庭の100V電源から充電できるそうです。インターネット経由で、PICO同士がコミュニケーションする仕組みを富士通テンと共同開発しています。

 スズキも同じようなパーソナルモビリティーの試作品として2人乗りの電気自動車「Q-Concept」(キュー・コンセプト)を展示しています。



 回転シートやスイングドアを採用して乗降性に優れ、使いやすとアピールしています。約1時間の充電(200ボルト)で50キロメートル走行できるそうです。車幅は1300ミリメートルとコンパクトな車体です。「1人乗り小口配達仕様」などの用途開発を目指しています。

 東京モーターショー2011の一環として開催されている「SMART MOBILITY CITY 2011」でも、パーソナルモビリティーの展示品が多数並んでいました。



 トヨタは2005年に「i-swing」、2007年に「i-REAL」 というパーソナルモビリティーをそれぞれ発表し、製品化に力を入れていることをアピールしていました。その後は2009年6月から「i-REAL」を基に改良した「セントレアモデル」を、中部国際空港で警備業務用などに実用化しています。

 今回は、以前に発表したウイングレットを「パーソナル移動支援ロボット」という位置づけで展示しているだけでした。



 トヨタもホンダも製品化するプロトタイプまで開発したので、事業化に必要な条件を探し始めているために、今回は特に展示していないと推論しています。ホンダは2009年の東京モーターショーで展示した「U3-X」の実用化を図っていると報じられています。

 米国のパーソナルモビリティー「セグウエイ」の製品化に刺激を受けて、日本でもパーソナルモビリティーの製品化を進めてることがいくらか垣間見られた展示会でした。