日本経済新聞のコラム「日本の製造業」の「トヨタ自動車」編を拝読しました

　日本経済新聞紙朝刊の一面のコラム「日本の製造業　新たな挑戦」では、2013年8月4日日曜日から「トヨタ自動車」編が始まりました。翌日の8月5日には「トヨタ自動車　中」という第2回目が掲載されました。

　その8月5日版に対応する日本経済新聞の電子版の見出しです。


　
　8月5日のコラム「トヨタ自動車　中」は「トヨタ自動車は2013年4月に『2つのトヨタ』ができた」との文章で始まります。

　先進国向けの「第一トヨタ」と新興国向けの「第二トヨタ」の2つです。トヨタも国内の自動車部品・材料メーカーとのつながりを意識して国内300万台体制は維持すると発言していますが、これを守るのは「第一トヨタ」です。

　このコラムは、6月28日にトヨタ自動車は自動車部品メーカーを集め、次期小型車の説明会を開催し、第二トヨタの方針を伝えた中身を解説します。その説明会で配布した資料には「この次期小型車では、開発と発注を従来の『トヨタ仕様』ではなく、『汎用仕様』に変更する」という文言に、自動車部品メーカー各社は驚いたと、伝えます。

　世界中の部品メーカーが、トヨタ自動車の開発と受注に参加できる「汎用仕様」に切り替えるという宣言です。第二トヨタは、国際標準仕様で自動車をつくるという宣言です。
　
　この次期小型車は2018年に発売予定の新興国向けだとのうわさです。

　トヨタ自動車は、第二トヨタでは日産自動車が実施している生産態勢をとるということです。日産自動車は2012年3月20日に、第二ブランドとして「DATSUN」（ダットサン）を復活させ、新興国向けのブランドに使うと発表しました。「第二日産」のブランドです。

　国際市場で激しい競争にさらされ、苦戦している日本の電機産業を考えると、日本の自動車産業も次の布石を打たざるを得ないからです。

　日産自動車は数年前から脱日本企業を始めています。トヨタ自動車も、第二トヨタは脱日本企業化を始めるという宣言です。

　アベノミックスで最近は円安基調になり、各社の各事業が好調になり始めた今こそ、日本の多くの企業は国際化を図りつつ、国内・国外での雇用を安定させる布石を打つようにしてもらいたいものです。